あの『モンスト』や『あつ森』じゃない! ギリギリを攻める野田ゲーの“プロトタイプ”たち
また、昨年の12月に行われた野田クリスタル主催の『ストリートファイター6初心者すぎ大会!』は、当たり前を疑い続ける芸人・野田クリスタルだからこその企画だった。そのタイトル通り出場条件はただひとつ「ストリートファイターの初心者」であること。対戦中に「初心者ではない」と判定された場合、即『名誉ある失格』となってしまう特殊ルールのもと行われる。この「初心者」という言葉が肝で「ジャンプボタンがわからない」「ガードの仕方がわからない」「そもそも対戦画面まで辿り着けない」など、ストリートファイターどころかゲームに触れるのも初めてのレベルの選手だけが勝ち抜いていく。
プロゲーマーのハイタニ、格闘ゲーム実況解説者のハメコ。とともに4画面に表示された対戦画面をチェックしながら大会が進められるのだが、明らかに適当に押したボタンで攻撃が当たった時など「初心者すぎる」動きをしたプレイヤーには3人から「ボタン連打してます! だいぶ良いですね!」「小学生時代のウチの妹のプレイを思い出すなぁ」など称賛の言葉が贈られる一方、初心者を偽り大会に参加した者に対しては「あ、こいつやってるわ! 完全にやってるわ! 失格!」「あ! ガードした! これは上手すぎる失格です!」と容赦なく『名誉ある失格』が告げられてしまう。そうして残った「真の初心者」達による決勝戦は間違いなく格闘ゲーム史に残る伝説の一戦。「格闘ゲームの対戦は上手くあるべき」という固定観念を逆手に取った革命的な大会だった。
2024年内には、ゲーム自動生成システム「野田AI」を搭載した最新作『スーパー野田ゲーMAKER』の発売も控えるなど、次々と面白いコンテンツを作り続けている野田クリスタル。いつまでも光り続けてほしい。
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