連載「十束おとはの『テック・ファウンダー』」第18回:『龍が如く8』

開発陣の愛に感謝の涙……十束おとはの『龍が如く8』レビュー

 みなさん、こんにちは! 十束おとはです。

 突然ですが「龍が如く」シリーズはプレイしたことはありますか? 2005年12月に発売されて以降多くのファンがいる人気シリーズです。もちろん私も"如くシリーズ"の大ファンで長年楽しんでいます。

 そして、2024年1月26日にシリーズ最新作『龍が如く8』が発売されました。主人公は『龍が如く7』でも主人公だった春日一番、そして初代『龍が如く』からプレイヤーと共にたくさんの時間を過ごしてきた桐生一馬が“人生最期の戦い”に挑むというのです。この情報を知ったときからさみしくて涙目になっていたですが、ストーリーをクリアしたいまは「龍が如く、最高すぎる……。ありがとう……」の涙に変わっていました。今回は、プレイしてみて感じた魅力をみなさまにお伝えしたいと思います。もちろん、ストーリーのネタバレは無しなので、まだ途中の方やいまからプレイする方もせひご覧ください!

重厚なストーリーが最高すぎる『龍が如く8』

 「龍が如く」シリーズはゲームとして面白いのはもちろん、ストーリーが重厚なのも大きな魅力です。毎回様々なドラマが展開されており、映画作品のようなクオリティで胸が熱くなります。今回もそんな魅力はそのまま、むしろパワーアップしていたなと感じました。最初の説明にあった通り、本作は春日と桐生の“ダブル主人公”構成となっており、ほぼ2倍の作品ボリュームといえるでしょう。春日の元気で明るくまっすぐ向かっていくキャラクターと、桐生の胸の中に熱いものがありつつ冷静な振る舞いはまさに静と動。その2人と仲間たちが織り成すストーリーは、今作でしか実現できないであろう特別なものになっています。春日は「母に会いに行く」というきっかけからとてつもなく大きな事件に巻き込まれていくのですが、まさにジェットコースターのように感情が揺さぶられっぱなしで先が気になってばかりでした。

自由度が高く楽しいゲーム性

 自由に街を探索して楽しむことができるのはもちろん、今作も楽しくプレイできる要素が盛りだくさん! シリーズ初となるハワイは、前作の舞台である伊勢佐木異人町の3倍となる広さ。伊勢佐木異人町は神室町の3倍なので、ハワイが非常に広大なマップであることがわかります。コロナ禍があり、旅行にもあまり行けていなかったので、春日たちがハワイを楽しむ姿を見て、私も旅行気分を味わうことができました。もちろん、サブストーリーも豊富で、ハワイを目一杯満喫することができます。

 そして今作の大きな目玉は、春日が主役となって進む“ドンドコ島”、桐生が主役となって進む“エンディングノート”。メインストーリーとは直接関係はないものの、最早別のゲームが1本できるのではという程のボリュームで、この2つをあわせて数十時間楽しみました(笑)。

 ドンドコ島は、春日が島をDIYしていくコンテンツとなっていて、ゴミだらけの島をどんどんリゾート地へと変えていきます。そして、この島にはなんとガチャピンとムックが参戦。島に2人がいるシュール感に愛着が湧き、俄然やる気になりました。ぜひ自分好みの島を作りあげてみてください。

 そしてもうひとつ、桐生の“エンディングノート”。これがもう涙腺崩壊コンテンツで、ボロボロ泣きながら懐かしさに浸りました。桐生がとある事情から、やりたいことや心残りなことをひとつずつノートに記し達成していく、というコンテンツになっています。桐生自身だけでなく、過去作からのファンにとっても懐かしい記憶となっており、お馴染みのキャラクターたちとの再会や新たなエピソードに胸が熱くなります。また、今作からプレイされる方にも優しい仕様になっており、説明がきちんとなされているので、桐生一馬という人間について深く知ることができます。そのほかにも多くのコンテンツが用意されており、クリアした後も楽しめるようになっています。

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