『FF7リバース』体験版に呼び起こされた“ワクワク” 新たな発見と感動、そして粋な計らい

『FF7リバース』体験版に呼び起こされた“ワクワク”

 2月7日、『FINAL FANTASY VII REBIRTH』(以下、『FF7リバース』)の体験版が配信となった。

 屈指の注目作として、何年も前から界隈の話題をさらってきた同タイトル。発売を間近に控え、満を持してリリースされた同体験版には、どのような内容が盛り込まれていたのか。プレイを通じて感じたインプレッションをまとめていく。

発売が間近に迫った『FF7』リメイクプロジェクト第2作『FF7リバース』

『FINAL FANTASY VII REBIRTH』 ファイナルトレーラー

 『FF7リバース』は、『FINAL FANTASY VII』(以下、『FF7』)リメイクプロジェクトの2作目にあたるタイトルだ。2020年4月に発売となった第1作『FINAL FANTASY VII REMAKE』(以下、『FF7リメイク』)の続編で、魔晄都市ミッドガルを脱出したクラウドたちの「忘らるる都」までの物語が収録される。

 原作である『FF7』がシリーズ屈指の人気を誇る作品であること、(そのようなバックグランドを背景に)ファンから復刻を熱望されるなかでプロジェクトが始動したこと、前作『FF7リメイク』が好評だったことなどから、同タイトルは少なくともこの約4年間、リリースの日を待ち望まれてきた。今回、配信開始となった体験版が話題を集めているのも、同タイトルへの期待や注目度があってのことだ。

 2024年2月29日発売予定で、価格は、通常版が税込9,878円、デラックス・エディションが税込15,800円、コレクターズ・エディションが税込49,800円(※)となっている。同日配信の『State of Play』では、最低でも3か月間、PlayStation 5独占展開となることが公表された。

※デラックス・エディションには、ミニサウンドトラック、アートブック、スチールブックケースが、コレクターズ・エディションには、その3点に加え、登場キャラクターであるセフィロスのフィギュアや、各種DLCが同梱される。

2月21日にはアップデートも。TGS2023のプレイアブルデモからさらに拡張された体験に注目

『FINAL FANTASY VII REBIRTH』- State of Play [日本語 - JAPANESE]

 『FF7リバース』は過去、『東京ゲームショウ2023』(以下、『TGS2023』)の場において、試遊の機会が設けられていた。実際に私は同イベントでデモプレイに参加している。

 当時、体験が可能だったのは、「『FATED BIGINNINGS : SEPHIROTH & CLOUD』と題された、クラウドとセフィロスの5年前のニブルヘイムでの物語」と、「『THE WORLD OF FFVII REBIRTH : JUNON AREA』と題された、神羅軍から逃げるクラウドたち(クラウド、ティファ、エアリス、バレット、レッドXIII)のジュノンエリアにおける広大な荒野の探索」だ。今回、配信開始となった体験版に盛り込まれている「ニブルヘイム編」は、このうち前者の内容に近いもの。ムービーシーンに主要スタッフのクレジットが含まれていることを考えると、『FF7リバース』本編の冒頭部分にあたるのではないかと考えられる。『TGS2023』でのプレイアブルデモには、各所に含まれているムービーや、ニブルヘイム魔晄炉に向かうまでの経緯、同ダンジョンのボス・マテリアキーパー撃破後の部分が収録されていなかった。つまり、今回の体験版は、当時のデモの拡張版だと言える。

 また、開発・発売を手掛けるスクウェア・エニックスは、2024年2月21日に同体験版にアップデートを施し、「ジュノンエリア編」のプレイを可能にする(※)としている。想像するかぎり、こちらは『TGS2023』における後者のプレイアブルデモに類する内容なのだろう。おそらく同編にも試遊では触れられなかった部分が数多く盛り込まれるはずだ。

※「ジュノンエリア編」は、「ニブルヘイム編」のクリア後にプレイ可能になると発表されている。

セフィロスの操作、ニブルヘイムの街並み、ピアノ演奏。盛り込まれたワクワクさせられる要素の数々

 リリースに向けて注目度が高まるなかで、満を持して配信開始となった今回の『FF7リバース』体験版。そこには、プレイ時間が限られていない、かつすべてのフリークに開放されているコンテンツであるからこその発見と感動が目白押しだった。実況・配信では、本来は敵役であるセフィロスを操作できることに感激するファンも多く見受けられた。おそらくスクウェア・エニックスは、そのようなポジティブな反応を見越し、あえて同部を作り込んだのだろう。セフィロスを操作してのバトルは、ユーザーと制作側、双方の想いを同時に感じられる象徴的なパートだった。

 同体験版に触れ、真っ先に私の目に留まったのは、街の探索に関してだ。『TGS2023』のプレイアブルデモには、ニブルヘイム魔晄炉に向かう山道の攻略、バトルにおけるクラウド/セフィロスの操作こそ含まれていたが、“余談”的な部分である街の探索については盛り込まれていなかった。

 ニブルヘイムの村は、『FF7』にとって大きな意味を持つ存在だ。なかには、原作や各スピンオフでの描写などを踏まえつつ、思い入れのある場所が現代的なグラフィックで生まれ変わることに、大きな感動を覚えた人もいただろう。その村を故郷とするクラウド/ティファにまつわるさまざまなエピソード、彼らのまわりを取り囲むサブキャラクターたちの存在に都度足を止め、感慨に浸ってしまったのは、私だけではないはず。特に給水塔や同行する2人の兵士の存在、ティファの部屋のタンスなどは、往年のファンにとっておなじみの要素でもある。

 また、ティファの部屋にあるピアノでは、ゲーム内で楽譜を手に入れた『FF7』楽曲を、プレイヤーの手で演奏できるというミニゲームが楽しめた。この点もまた、ファンにとってはあまりにも胸を熱くさせられる、制作側の粋な計らいだったように思う。

 『FF7リバース』には、オリジナルカードゲーム「クイーンズ・ブラッド」や、ゴールドソーサーで遊べる「3Dバトラー」など、さまざまなミニゲームが実装されると、すでに公表されている。ティファの部屋にあるピアノを通じて体験できた演奏ゲームの出来には、それらに対する期待感をさらに大きくさせられた。

 本来であれば「発売が楽しみ」と締めたいところだが、リリース日の1週前には「ジュノンエリア編」のアップデートも控えている。スクウェア・エニックスはきっとこちらでも、ファンの琴線に触れるような内容を盛り込んでくるのだろう。

 ゲームをドラマとして見せることでは、少なくとも国内で最高峰とも言えるノウハウを持っている同社。製品版のプレイにどのような感動が待っているのか。今回配信開始となった体験版には、心の奥底に封じ込めてあったワクワクを呼び起こされてしまった。

© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO

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