おおしましゅんが描く“理想の自分像” HoneyWorksとの共同制作で活きたボカロ愛
これまでのボカロ知識を踏襲して歌詞に
ーー1月12日に「絶対プリンセス」が配信リリースされました。作曲・編曲を手掛けたHoneyWorksさんとは、もともとなにか接点があったんでしょうか?
しゅん:MIXCHANNELで双子ダンスを作っていたとき、HoneyWorksさんの「金曜日のおはよう」という曲の振り付けをしてみたら、多くの方に踊っていただけたんです。それがありがたくもGomさんの目に留まり、後にHoneyWorksさんの「東京サマーセッション」のリリースのタイミングでGomさんよりお声がけいただき、振付を作らせていたただいたんです。それがGomさんとの初めての出会いでした。何度かライブにもお邪魔したりして。HoneyWorksさんが大好きだったので、曲を書いていただけることになったのは、身に余る光栄でした。
ーー作詞を手掛けるにあたって、心掛けたことはなんですか?
しゅん:実は昔から詩を書くのが好きで、特に国語が得意だったんです。大学では、中学、高校の国語の教師免許も取ったことがありますし、言葉遣いとか漢字もすごく見て生きてきたんです。それで、歌詞を書くのも遊び感覚で楽しんでいて。ボカロPさんたちの歌詞を参考にしながら、いろいろな言い回しを吸収してきました。いままでに曲になっていない歌詞もメモのフォルダにめちゃめちゃ溜まっていて。自分がいままで好きでやってきたことを最大限に生かせるように書きました。
ーーもともと言葉に強い関心を持っていたんですね。
しゅん:そうです。あとは、TikTokを見ていて、流行る曲には‟可愛い”が共通していると感じて。だから、可愛い歌詞を意識したところはありますね。鏡をキーワードにすることで、メイクするときの女の子の可愛い気持ちを表現したり。とにかく、自分が可愛いと思っているものをふんだんに詰め込みました。
ーー歌詞を書く上で、妹さんにアドバイスをもらうことはありましたか?
しゅん:たとえば、Aメロでメイク工程を表現しているんですけど、下地とベースの違いとかよくわからないことについては妹に聞きました。メイク工程のステップ6を踏むことで、お姫様が完成するようなイメージになっていて。「その1:下地を馴染ませ」「その2:お気に入りファンデ」とか、韻を踏もうとすると、それに相応しいメイクの言葉が必要になってちょっと悩んだりはしました(笑)。動画にも使って頂けるようなAメロになっていますし、サビもすごく可愛く書けたと思っています。
ーーレコーディングはどうでした?
しゅん:HoneyWorksさんの曲は何度も聴いてきて、ずっと大好きだったので、レコーディングの際は、とにかくHoneyWorksさんの曲に馴染む歌声を用意して、寸分違わぬ音程で歌うように心掛けました。HoneyWorksさんの曲のなかの一つに合ってもおかしくないと思ってもらいたくて。自分の思う‟可愛い”をフルパワー出力する感じで挑みました。
ーーHoneyWorksさんの楽曲とおおしまさんの歌声を彩るakuyaさんの描くピンク基調の可愛い女の子のイラストが記憶に残ります。このイラストについての感想を聞かせてください。
しゅん:本当に可愛いですよね。実は、僕が最初に描いたラフ画があって、その中の一つに手鏡を持っている子が映ってるやつがあるんですよ。それと、もう一つにはスマホで自撮りしている子の絵があって。それから、鏡を境にビフォーとアフターの女の子が立っている絵もあったんです。これらのラフ画を元にして、akuyaさんがすごく素敵なジャケット画を作ってくれて。もう、たまげましたね!
音楽活動では「パーソナルな部分は隠れていた方がいい」
ーーファンのみなさんに「絶対プリンセス」をどのように聴いてほしいですか?
しゅん:この曲については、自分個人のことを抜きにして、曲自体が独自の道を歩んでいってほしいんですよ。‟男が歌うから"とか、‟おおしましゅんが歌っているから"っていうのではなくて、HoneyWorksさんが作った「絶対プリンセス」という曲そのものを、純粋に楽しんでほしいんです。男性がこういう声を作って、女性目線の歌詞を書いたとか、ジェンダー的な視点が入ってくると、どうしても曲自体の楽しさが薄れてしまう。だから、HoneyWorksさんの作った素敵な曲を、僕が邪魔しないようにしたいんです。もちろん、僕が歌っているんですけど、そのパーソナルな部分はちょっと置いておいて、曲自体を楽しんでほしいなって。ちょっとわがままですけどね(笑)。
ーー曲そのものを楽しんでほしいと言えるのはHoneyWorksさんのことを尊敬しているからこそのことだと思います。アイドルのように人前に出る存在、そして歌い手……と着実に夢を叶えていて素晴らしいです。
しゅん:ありがとうございます。昔からなりたかった歌い手にいまはなれていますし、これからもっとなりたい自分になっていけるビジョンが僕には見えます。
ーー見えるんですね!?
しゅん:はははは。やっぱり自信がないよりかは自信があったほうがいいと思うので、自分がなりたい自分になれている姿が見えますね! 自分では昔から自信があったとは思わなかったですけど、本当はあったんだと思います(笑)。いま振り返ると、自分の感覚に素直に生きてきましたし。常に自分の心が決めた方に行くことは意識しているので。これからも本当にたくさんの自分の夢を叶えてあげたいなと思います。
ーーインフルエンサーとしての活動と、音楽活動を行うなかで、それぞれどのようなイメージを持たれたいですか?
しゅん:最近はモデルの仕事もしていて、そういうときは「おおしましゅん」として自分を前面に出しています。でも、音楽活動に関しては、自分のパーソナルな部分はある程度隠れていた方がいいのかなと思っていて。やっぱり、曲そのものを評価してもらいたいんです。なので、TikTokとかInstagramでは自分を見てほしいですけど、音楽については、自分が歌っているということよりも、曲自体に注目してほしいみたいな感じですね。この曲とこの曲を歌っている人の声が好きだけど、誰なんだろうって思った先が僕だったら一番嬉しいですね。
ーーマルチな活動をされているなかで、活動の原動力となっているものはなんでしょう。
しゅん:‟自分が可愛いと思えるもの”を追求することが、活動の原動力になっています。振り付けも全部自分で考えたものなんですけど、可愛いと思われる動きを組み立てていくことで、振り付けになっていくイメージですね。自分が描く絵もそうで、可愛いと思える絵とかを吸収してアウトプットしています。
ーーでは最後に、今後の展望を教えてください。
しゅん:大きく言うなら、音楽番組に出演することが憧れです。でも、まずは、渋谷とか原宿のような人が多い街で、自分の曲が流れたり、モニターに自分の曲のCMが映ったりすることからスタートしたいんです。「街で自分の曲が流れた! じゃあ次はCMタイアップ曲かな?」って感じで、自分の曲が少しずつステップアップしていくような音楽活動をしていきたいなって。そういう未来の展望は、山のように山ほどあります! それらを一つひとつ実現して頑張っていきたいですね!
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