ゲーマー・配信者の“夢のような部屋” 防音&オシャレな「最新ゲーミングマンション」に潜入

 リアルサウンドテックでは、これまで数多くのゲーマーやストリーマーの部屋を取材し、その度にゲーマーとストリーマーにとって、近所迷惑にならず、通信環境が良い部屋を選ぶことがいかに重要かということに気付かされてきた。

 一方で、音楽家のスタジオを取材することも多く、防音環境が整った自宅を選ぶことがどれだけ大変かということも教えられてきた。

 ゲームと音楽と配信者という、一見距離がありそうなそれぞれのジャンルだが、実は“防音”というトピックで深く繋がっている。そして解決法を知っているのもまた、専門的な会社だったりもするわけだ。

 これまで音楽家に向けて、防音設備の充実した24時間楽器演奏推奨賃貸マンション「ミュージション」の賃貸を行ってきた株式会社リブランが、まさにこのニーズに応えた物件「ミュージションplus」を展開中。今回は新たに「ミュージションplus世田谷経堂」を提供開始するということで、筆者は先行して取材する機会を得た。

 早速そのうちの一部屋であるDタイプの部屋に入ってみる。こちらは2LDKの間取りで、LDK+寝室部分は通常の部屋と同じ構造。1部屋が防音仕様になっていた。

 キッチンは3口コンロ+グリルにパントリー収納も付いていて充実。リビングの家具はサブスクリプションサービス『CLAS』で貸し出しているもので、入居者もこのサービスを使えば月数千円から上質な家具を使用できるらしい。

Dタイプのキッチン。

 リビング+寝室は通常のお部屋と変わらないかなと思っていたが、クローゼットにはとある工夫がされている。なんと、ハンガーレーンが通常の位置よりも少し高めに設定されているのだ。これは「ミュージション」でコンサート衣装を収納するユーザーのニーズに応えてそうなったということだが、「ミュージションplus」に導入する必要はあったのだろうか……?と思っていたら、担当スタッフが「配信者の方はコスプレ衣装なども収納されると思うので……」と教えてくれた。たしかにそちらの需要はありそうだし、使う必要がなければ余った下部分を収納に使うのもいいだろう。なんせ長いに越したことはないのだ。

 一応脱衣所&バスルームを覗いてみると、もちろんバス&トイレは別で、洗濯機置き場の壁はしっかり収納としてあらかじめ作られているのはポイントが高い。あと、バスルームには浴室乾燥もついている。洗濯物を干せるバルコニーはあるのになぜ? と担当者に聞いてみたら「洗濯物で家バレしたり、衣装などを外に干すことに抵抗のある方もいると思うので……」とのこと。ここまで配信者たちに対する配慮が行き届いているのかと驚かされた。

 肝心の防音部屋に話を移そう。防音部屋の防音性能はD-70で、大声でゲーム配信や音楽を流しても隣に聴こえず、限界までボリュームを高くしたとしても、囁き声ほどの大きさに低減されるほどだ。さらに、防音部屋=光が入らなくて換気も悪いという先入観を払拭するかのように、防音性能抜群の二重サッシがあり、通風&採光性能も抜群だという。もちろん部屋内にも換気扇があるため、24時間換気も可能。防音扉はいかにもという感じではなく、インテリアに馴染むように作られているところもオシャレだ。

 また、配信中にインターホンの音が入らないようにするため、フラッシュで来客を知らせる子機も防音室内に設置していたり、基本はフレッツ光1Gが標準装備されているが、追加料金を払えば10G bpsの高速インターネット回線にも対応(カテゴリ6A対応、LANケーブルHUBも10G bps対応)するなど、配信者向けの機能が次々と明かされていく(ちなみに電源が200Vという、音楽家向けの電源性能はさすがミュージションだと思った)。

 ちなみに今回撮影したモデルルームにあるゲーミング機器や照明、メタルラックなどはMSY株式会社の提供によるもの。『モンスターハンター』『ストリートファイター』などのゲームグッズは株式会社カプコンからの提供物だ。リアルサウンドテックで以前紹介した調音パネル『CvoNis』もあり、部屋内での声の反射を抑えてくれるほか、グリーンバックとしても使うことができる。

 続いてCタイプとされている1Kの部屋のほうを見てみると、キッチンとリビングの境目に防音扉があり、リビングは窓も含めてすべて防音使用になっている。モデルルームにはグランドピアノが置いてあったのだが、この部屋をゲーミング仕様にしてみるのもいいだろう。

 住環境についても少し触れておくと、経堂駅からは徒歩10分〜15分ほどの距離があるため注意したいが、マンション前からは駅へ向かうバスも出ているので、こちらを使うのもいいだろう。また、マンションから徒歩1分のところにはセブンイレブンがあり、さらに1分歩くとすき家があるため、自宅での配信や制作などを主とする方にはうってつけの環境といえる。

エレベーターはグランドピアノを立てて入れることができるほど広い。

 エレベーターや廊下も「ミュージション」仕様で少し広めに作られているため、大荷物や機材の搬入もまったく問題なさそうだ。

 なお、担当者に話を聞いたところ、「ミュージションplus」は先行先着受付時から応募が殺到しており、すぐに満室となってしまうという。それは今回の「ミュージションplus世田谷経堂」も同様で、もうすぐスタートする一般入居募集もすぐに受付終了となることが予想されるという。こうしたゲーミングマンションの需要は年々高まっているが、土地の取得から建設完了までには2年ほどの歳月を要するため、供給が間に合っていないとか。

「ミュージションplus世田谷経堂」

 
 これから同一エリアで家を探す予定があり、配信や音楽制作をしている読者の方は、大いに検討の余地ありだろう。というか身をもって体験した筆者が本当に住みたくなってしまったことも記して、本稿を終えたいと思う。

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