年末年始に大活躍のパーティーゲーム ベーゴマやクイズも遊べた『ポケスタ金銀』の思い出

 帰省に旅行や忘年会など、友人知人と一緒に過ごすことも多くなる年末年始シーズン。この時期に活躍するのが、複数人プレイにもってこいの「パーティーゲーム」だ。普段はゲームで遊ばないという人でも、なにかの集まりがあったときに「マリオパーティや桃太郎電鉄をみんなでプレイする」という人も多いのではないだろうか。

ポケモンカードGB / ポケモンスタジアム金銀 [Pokémon Presents 2023.8.8]

 そこで今回は、「年末年始にハマったパーティーゲームの思い出」というテーマで、2000年12月14日に発売されたNINTENDO64用ソフト『ポケモンスタジアム金銀』(ポケスタ金銀)をご紹介したい。

 「ポケモン」シリーズファンなら、「ポケスタってゲームボーイ版のポケモンで戦わせる対戦ツールじゃないの?」と思われるかもしれない。しかし筆者の場合は単にポケモンの対戦ゲームとしてだけでなく、本作の“ミニゲーム”に心を奪われ、一人でも複数人とでもミニゲームばっかり遊ぶようになった思い出がある。結果として、『ポケスタ金銀』のミニゲームが上述のパーティーゲームとして大いに機能していた。

NINTENDO64後期の名作『ポケモンスタジアム金銀』

 『ポケスタ金銀』はNINTENDO64の後期に誕生した対戦ゲームだ。本作は1998年8月発売『ポケモンスタジアム』の流れを汲んでおり、『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』に登場した151匹、そして『ポケットモンスター 金・銀』(ポケモン金銀)から加わった100匹のポケモンバトルに対応している。ドットで描かれたポケモンが3Dグラフィックで動き回る姿はインパクト抜群。それでいて、「ゲームボーイ版で育てた自分のポケモンをそのまま使える」というのが本作の大きな特徴だった。

 ランダムに選ばれたポケモンたちを率いて戦う「とにかくバトル!」モードにはじまり、特殊ルールが設けられた「スタジアム」、ジョウト地方の腕利きトレーナーと相まみえる「ジムリーダーのしろ」等々、本作だけでもかなりの対戦コンテンツを楽しむことができる。さらに各種ポケモンの進化ルートや卵グループ、覚える技一覧、ステータスなどを網羅した「しりょうしつ」と呼ばれるデータ集も備わっており、対戦から研究にまで使えるスキのない一本だと言えるだろう。

 また、ゲームボーイ/カラー用ソフトのポケモンを64GBパック(NINTENDO64の周辺機器)に差し込み、『ポケスタ金銀』を通してプレイすることもできた。単純にゲームボーイの液晶画面で遊ぶよりも見やすくなるほか、ゲームスピードを2倍速or3倍速へ切り替えることができたりと、ユーティリティに富んだ仕様で当時はよく頼っていた記憶がある。

 そうした数ある収録モードのなか、23年前の筆者(とその周辺)を惹きつけたのは、『ポケスタ金銀』に収録された12種類のミニゲームだった。一人でCPU対戦をしていて疲れたとき、友人とのポケモン勝負に負けて「次はこっちで勝負!」と息巻いたとき、はたまた5分~10分でサクッとゲームで遊びたいとき……。『ポケスタ金銀』のミニゲームは実にさまざまなシチュエーションに応えてくれたのだ。

ポケモン対戦に勝るとも劣らない白熱ぶり

 『ポケスタ金銀』では、発売当時の時点で登場していたポケモンをフィーチャーしたミニゲーム(全12種)を遊ぶことができた。それぞれの名称は以下の通りだ。

●収録ミニゲーム一覧
カポエラーのベーゴマ/ゴルバットのどうくつたんけん/イーブイのフルーツダッシュ/いあいぎりがっせん/バリヤードのバリアーテニス/ピチューのはつでんきょうそう/ドンファンのぐるぐるレース/ピィとププリンのカウントゲーム/オオタチのピョンピョンボール/コロコロトゲピー/はこんでデリバード/ラッキーのタマゴだいさくせん

 とりわけ筆者と友人間で盛り上がったのは「カポエラーのベーゴマ」である。『ポケモン金銀』より登場したかくとうタイプのポケモン「カポエラー」を操作し、他プレイヤーが操るカポエラーを円形のフィールドの場外へ押し出すというカジュアルなアクションゲームだ。早い話が“ポケモン版ベーゴマ”なのだが、他プレイヤーへぶつかる瞬間にAボタンを押すと、回転力がアップしてより遠くへ弾き飛ばすことができる。しかし常に回転力を増すことはできないため、どのタイミングでボタンを押すのかを見極めるのが非常に大事。くわえて、相手プレイヤーの体当たりをかわして背後を取るといった回避テクニックも重要だった。

 ルールはシンプルなれど意外と奥深く、それでいて何も考えずただぶつかり合うだけでも楽しい。あくまでポケモン対戦とは別軸で用意されたコンテンツに過ぎなかったものの、「カポエラーのベーゴマ」はとても魅力にあふれたミニゲームだった。

 また、ミニゲーム以外にも「ポケモン」シリーズ全般(当時)の知識が問われる「ポケモンクイズ」も楽しむことができた。それぞれ難易度に適した問題が出題され、クイズに答えるうちに自然とポケモンにまつわる知識も貯まっていくという至れり尽くせりのモードだ。こちらもミニゲーム同様マルチプレイに対応しており、筆者の場合はミニゲームに飽きたらポケモンクイズへ移行し、クイズもほどほどに再びミニゲームに戻る、というサイクルを回していた。

 NINTENDO64からゲームキューブへとハードが移行し、ほかのNINTENDO64用ソフトをほぼ起動しなくなった後も、『ポケスタ金銀』だけは定期的に触っていた思い出がある。収録モードは基本的に一人でプレイしても楽しめるし、上述の「カポエラーのベーゴマ」をはじめ、各種ミニゲームもシンプルなルールゆえに人を選ばず遊べるのが良いところだった。現在は定額制サービス「Nintendo Switch Online +追加パック」の特典として配信もされているので、興味がある方はぜひ一度チェックしてみてほしい。その完成度の高さに、きっと心を掴まれるはずだ。

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