YouTubeクリエイター・バヤシが語る“世界基準の考え方” 億超え再生動画の制作秘話を聞いた

揚げ物の方が“不健康そう”に見えてエンタメ感が増す

――先ほど、海外クリエイターさんとのコラボのお話ができましたが、やはりこちらは今年のターニングポイントになったのでしょうか?

バヤシ:そうですね。6月頃にMrBeastとコラボするために、アメリカに行ったことは大きな転換点になりましたね。3週間程滞在したので、彼だけでなく、いろんなクリエイターさんとコラボしたんです。そのときにChef Rush(※4)とのコラボ動画が5億回再生超えを記録しました。その1本がバズることで他のショート動画を観てくれる方も増えましたし、総集編の長編動画も回るようになってくれたので、それだけでアメリカに行った価値があったと思います。

(※4)Chef Rush:アメリカの有名シェフであり、退役軍人。YouTubeのチャンネル登録者数は453万人。(2023年12月21日時点)

Cooking with @ChefRush

――5億回再生を越えたChef Rushさんとのコラボ動画を制作する上で、工夫した点や難しかった点はありますか?

バヤシ:どんな動画を撮ろうかずっと考えていて、そんなに確定してないなかで撮り始めたんです。構成としては、チーズを重ねてChef Rushが失敗して、僕がトレーナー的な感じでトレーニングをさせて、Chef Rushがチーズをうまく重ねられるようになる。最後は教えた自分が失敗してChef Rushにしごかれるという流れで。途中までは僕が考えた構成なんですけど、オチはその場にいたほかのYouTubeクリエイターがアイデアをくれたんです。しかも僕はチーズを揚げようと思っていたんですけど、その手間も省けるなと。時間的にも疲れ的にも、揚げるよりは自分が潰されて終わる方が面白いし、Chef Rushの良さも出るし、省エネだなっていう。その場で出たアイデアで楽しく撮影できました。

――バヤシさんの動画では揚げ物を作ることが多いですよね。インパクト重視で揚げるという調理方法を選んでいるんですか?

バヤシ:そうですね。揚げ物って、音も良くなりますし美味しそうにも見えると思ってます。あと、不健康そうに見えてエンタメ感が増すんで、サラダを美味しそうに作って食べるよりも、お肉を揚げた方が飯テロ感は強くなる。実際に自分がサラダよりも揚げ物の方が好きだし、美味しいと感じるという理由もあるんですけどね。

ーー最後に大きなテーマになりますが、バヤシさんにとってYouTubeとはどんな存在ですか? また今後の目標があれば、教えていただけないでしょうか?

バヤシ:自分のなかではYouTubeの良さって、長尺の動画を見てもらって確実なファンを作り、固いコネクションを作れるという点にあると思うんです。でも、現時点では、ショート動画のおかげで、2000万人ほどのフォロワーを獲得できたものの、長尺動画による濃いファン獲得にはまだまだ至っていなくて。

 そこで当初の目標でもあった、長尺動画でバズらせられたら、クリエイターとしてステップアップできると思いますし、YouTubeをより素晴らしいプラットフォームだと言えると思うんです。チャンスはいま来ていると思うので、目標を達成したいと思っています。

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