『今日好き 九龍編』最終話ーー「私だけの王子様になって」渾身のメッセージは届くか?
たかと×はる、安心安全のカップル成立「私だけの王子様になってほしいです」
『九龍編』もいよいよ最終話。運命の告白を翌日に控え、はる(矢口桜咲)は“最後のアピールタイム”で、たかと(矢口昂歩)に想いを伝える。今回の旅で、字を書くのが得意だと明かしていたが、ここで持参してきたのが、筆ペンと紙。自慢の美文字で、たかとの本心を確かめる。渾身の出来栄えで見せてきたのは「私だけの王子様になってほしいです」という、乙女心1000%なメッセージ。“王子様”という、少女マンガさながらの言葉選びに、たかとも『九龍編』最大の笑顔を更新した。
すると、はるの手をすっと握り、「明日、王子様になりにいきます」と返事をするたかと。彼女の冷たい手を温めるには、あまりにも急加温すぎる。こんな積極的なたかと、前回の『台北編』でも見たことがない。はるのかわいさが、彼を変えたのだと気付かされた。
「明日、王子様になりにいきます」の確定演出通り、翌日の告白では、なんの危なげもなくカップル成立に。「この場所ではるちゃんと出会ってからずっと、話していくたびに、はるちゃんともっと一緒にいたいなって思いました」「旅中ではなにもしてあげられなかったり、こんな頼りないオレだけど、オレのお姫様になってください」という言葉も、常に優しさを忘れないたかとらしい。はると過ごす毎日が、まるでたかとの人柄そのもののように、ひだまりのような暖かさで包まれることを願うばかりだ。
るい&のりか、同じ境遇で流した綺麗すぎる涙「いま泣いたらスッキリするから」
以上が、『九龍編』成立カップルのすべてである。2023年最後の『今日好き』も、幸せなカップルの誕生とともに終えられたことにまず満足を示したい。が、どうしても残念な想いを抱いてしまうのもまた事実。気になるのはもちろん、そら(中川そら)、のりか(千葉紀佳)らの恋路だろう。
最後のアピールタイム。るい(村澤瑠依)はそらに対して、2日目に渡した絵馬に自身のメッセージを書き加えることで、彼女の幸せを望んでいると想いを示す。ただ「幸せになってほしいし、できるなら自分が世界一、幸せにしたい」と、その願いはどこか自分以外の誰かに託すようなニュアンスだった。もしかすると、るいはもう……。
るいはその後、今度はのりかとの2ショットに。旅の冒頭こそ、のりかの存在を第一印象で気になっていた一方、当時は別の男子に意識が向いていたのりか。「あのときにさ、自分のキモチがるいくんにあったらさ、いま結果違ったのかな、とか考えちゃったりとかしちゃったりして」と、告白直前にしてなお、この旅を通して幾度となく泣きたくなるようなキモチを救ってくれた“のりか語”で、場を和ませてくれる。誰かと恋をする上で、タイミングが重要なのは、のりかも、そしてるいも痛いくらいに実感しているところ。実際にこの後、るいも「タイミングが少し違ければ、変わったのかな」と同意を示している。
のりかは「明日告白じゃん、やばいな……」と、珍しく弱気な表情を見せるが、数分後にはこの表情にも大粒の涙が流れる。先に瞳を潤ませたのは、るいの方。のりかのキモチに応えられず、そらへの想いは揺らがないと伝える。それでも「最後の0.000001ミリくらいの希望は捨てない」と、のりかも土壇場で踏ん張る意志を見せながら、心の底で“なにか”を悟ったのだろう。「私のぶんの幸福も分けちゃおうかな」と、るいとそらの恋が成就するよう、彼とおそろいにしたはずのネコのお守りをプレゼントする。
幸運は2倍に。悲しみは半分に。今回ばかりは、さすがに限界だったのだろう。これまで、るい本人を前にして涙を隠してきたのりかだったが、さすがに決壊。のりか語で記せば、“涙腺赤ちゃんペア”が、それぞれの悲しみを分け合うよう、肩代わりするように涙を零す。そらへの思いが報われないるいと、自身も同じ境遇にありながら、だからこそ彼の想いに共感してしまうし、その恋を素直に応援したいと思ったのだろう。なぜなら、のりかもるいと同じだから。
きっとお互い、それぞれの恋した相手に報われない未来が薄々読めている。そんな綺麗な涙を見て「なんか逆に面白いね」と、のりか。るいも「マジでなにしてるんだろうね」と笑い飛ばすが、のりかは「いま泣いたらスッキリするから」と、その時々の感情をすべてを正しく言語化してくれるし、どんな状況でも本当に笑顔が似合うし……なによりこんなときでも笑顔になれるのが、本当に強い女子メンバーだと思わされた。