Dentsu Lab Tokyoが『愛と出会えたテクノロジー展』を開催 3つの見どころを解説

『愛と出会えたテクノロジー展』3つの見どころ

 テクノロジーを起点とした社会課題の解決や、あたらしい表現開発を実践するDentsu Lab Tokyoが、テクノロジーと人間が出会うことで生まれた表現作品が一挙に集結する企画展示会『愛と出会えたテクノロジー展』を12月5日から12月25日までアドミュージアム東京で開催する。

 本企画展には、2022年のカンヌライオンズで発表された、誰もが自由な表現ができるためのツールや環境をつくることを目的とした「ALL PLAYERS WELCOME」の新作が展示される。

 また、2014年の発足以来Dentsu Lab Tokyoが過去9年間で携わった12作品の展示にくわえて、アドミュージアム東京が所蔵する国内外数十万の作品アーカイブからキュレーションされた23作品も展示され、来場者が見て、触り、体験できる展示会となっている。

■『愛と出会えたテクノロジー展』3つの見どころ

 1つ目はアドミュージアム東京が抱える世界の事例から、世界にインパクトを残す作品をDentsu Lab Tokyoが独自視点でキュレーションした23点を動画で紹介。テクノロジーが愛と出会えたことで、人々に気づきを与えた事例、背中を押した事例、バリアを壊した事例、歴史を守った事例、暮らしを彩った事例などが集められる。

 2つ目はテクノロジーを起点としたあたらしい表現開発を実践するDentsu Lab Tokyoが開発・制作してきた作品12点の展示。一部の作品は、来場者が実際に体験できるコンテンツを予定している。

「ALL PLAYERS WELCOME」

 2022年に発表した障がいや困難と向き合う人々に焦点を当て、これらの状況が行き止まりでなく、むしろクリエイティビティを拡張するためのヒントになるという考えのもと、新しい表現を手法から探求するプロジェクト。今年アルスエレクトロニカ・フェスティバルにて公開された最新作を展示する。

「UNLABELED」

 AIを活用した監視カメラや顧客解析が容姿に基づいたラベリングを行っていることへの問題意識から、テキスタイルレーベルを設立し、AIから認識されにくくなるカモフラージュ柄を開発。「Adversarial Examples」を利用し、AIが誤認識を引き起こしやすい特定の柄を生成し、プリント。身にまとうことによって、AI から「人」として認識される割合を減らすことができるとしている。

『GLICODE』

 こちらは創業以来子どもたちの健やかな成長を願ってきた江崎グリコによるもの。子どもたちの学びの力になるため、お菓子を食べながら楽しく学ぶことができるプログラミング学習アプリ『GLICODE®(グリコード)』を開発。ポッキーをルールに従って並べるだけで、誰でも手軽に、遊びながらプログラミングの基礎的な考え方を学習することを可能にした。

『necomimi』

 『necomimi』は脳波を測定するセンサーを使用して、人間の身体や能力を拡張する、まったく新しいコミュニケーションツール。ネコの耳の形をしたこの機械は、脳波を利用して、利用者が言葉に出すよりも早く、利用者の状態を表現する。会場では2021年に発売した最新版が体験可能だ。

その他の展示: アンドロイドプロジェクト/Hugtics/℃uration/Up-Cycling Possibility/TOKONOMA/TON-TON VOICE SUMO/Haptics Field/“名画になった”海展 (※急遽展示内容を変更する場合もあり)

 3つ目は、脳波で利用者の「愛」を花に変換するインタラクティブ展示と、本展示のキービジュアルだ。

 本展示のキービジュアルでは、人が愛する対象を思い浮かべている時の脳波を、脳波測定デバイス「感性アナライザ」で計測し、「花」として可視化する。制作の過程では、まず被験者に愛する対象について考えてもらい、その脳波を解析することで、「好意」「興味」「集中」「リラックス」「ストレス」の 5 種類の脳活動を推定した。その5種類のデータから5層の花弁の形状を生成し、物理シミュレーションにより花として咲かせている。人々が古来から「愛」を伝える道具の一つとして用いている「花」をモチーフにすることで、テクノロジーにより計測された人の愛情を有機的な表現で可視化することに挑戦したという。

 また、本展示のために、来場者が自分の脳波で花を作り持ち帰ることができる展示も新たに開発したという。ぜひ、あなただけの花を作ってみてはいかがだろうか。

「“ALS患者の身体は動かない”という固定概念を覆したい」 筋肉の電気信号で3Dアバターを動かす『Project Humanity』が提示した“テクノロジーによる社会課題の解決”

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」という病気をご存知だろうか。難病指定を受ける病気のひとつで、運動神経の損傷により脳から筋肉への指…

■『愛と出会えたテクノロジー展』概要 
開催日時:12月5日~12月25日
定休日:日曜日/月曜日(※12月24日、25日は特別開館)
開館時間:12:00~18:00
開催場所:アドミュージアム東京Hall B(東京都港区汐留 1-8-2)
主催:(公財)吉田秀雄記念事業財団 アドミュージアム東京/Dentsu Lab Tokyo
技術協力:電通サイエンスジャム

■関連リンク
「ALL PLAYERS WELCOME」
「UNLABELED」
『GLICODE』
『necomimi』

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる