アバター試着システム「ALT SKIN」が提示する、メタバース時代の“個性”とは

「ALT SKIN」が提示するメタバース時代の“個性”

 3月4〜13日、東京都・馬喰町のDDD HOTELにて、スタートバーンが経済産業省の委託実証事業として主催する、NFTを活用したファッション展示会「Sizeless Twin(サイズレス・ツイン)」が開催された。ANREALAGE(アンリアレイジ)やTOMO KOIZUMI(トモ コイズミ)といった計5ブランドの展示のほか、Dentsu Lab Tokyoは、“未来の試着”を体験できるオリジナルアバター試着システム「ALT SKIN(オルトスキン)」を公開した。

 Dentsu Lab Tokyoはこれまでにも、テクノロジーを駆使した社会への問題提起を行っている。2019年には、Qosmoと共同でテキスタイルレーベル「UNLABELED(アンラベルド)」を立ち上げており、AI監視カメラに認識されない服を公開した際には、AIによる監視社会の助長に一石を投じる試みとして注目を集めた。

 そんなDentsu Lab Tokyoが今回発表したのが、オリジナルアバター試着システム「ALT SKIN」だ。このシステムは、自身のオリジナルアバターを生成する、先端テクノロジーを取り入れたバーチャル試着を通じて、メタバース時代において、個々人のアイデンティティがどのように形成されるのかを、よりリアルに体感することができる実証実験的作品だという。

 本記事では「ALT SKIN」の体験取材の様子をお届けするとともに、後半では、Dentsu Lab Tokyo所属で、本展のコラボレーションアーティストである岸裕真が語る制作エピソードをご紹介する。

任意の言葉を入力して、自分だけのオリジナルアバターを生成できる「ALT SKIN」体験

 「ALT SKIN」の体験ブースには、1台のカメラ付きモニターと、タブレットが用意されていた。このカメラで体験者の姿を読み取り、アバターを作成するようだ。

アバター試着システム「ALT SKIN」
アバター試着システム「ALT SKIN」

 タブレットのスタートボタンを押すと、「20文字以内で好きな言葉を入力してください」との指示が出たので、今回は「ラーメン」と入力し、アバターの作成を試みた。入力してから10秒ほどで、ラーメンの麺と背脂を連想させるかのような、黄色い模様の入った人型のアバターが生成された。

アバター試着システム「ALT SKIN」
アバター試着システム「ALT SKIN」
アバター試着システム「ALT SKIN」

 背景には渋谷の街が再現されており、さまざまなスポットに立つアバターを、さまざまなアングルから眺めることができる。アバターは体験者の動きと連動しており、立ったり座ったり、手を上げたりといった動作がそのまま反映され、カメラに背を向けるようにして立つと、背中までもがきちんと再現される。

アバター試着システム「ALT SKIN」
アバター試着システム「ALT SKIN」

 またあらかじめ用意されているドレスを着ることもできるなど、まさに“未来の試着”と言える体験だった。今回生成したアバターは、タブレットのQRコードから、NFTとして購入することが可能なようだ。

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