YouTuberだけが住めるシェアハウス「レイワ荘」とは? 新スター育成機関の実態を紐解く

 昭和の時代、名だたる漫画家たちが共同生活を送っていたアパート『トキワ荘』。多くの人びとがYouTubeを視聴するようになった現代には、YouTuberのみが住むことが許された男女シェアハウス『レイワ荘』なるものが存在する。一体、レイワ荘ではどんなYouTuberたちがどのような生活を送っているのか。今回は、レイワ荘の実態とチャンネルの見どころを紐解いてみたい。

 レイワ荘はチャンネル登録者数269万人を誇る人気YouTuberコンビ・おるたなChannelのないとーが手がけるYouTuber専用のシェアハウス。手塚治虫や藤子不二雄、赤塚不二夫など有名漫画家を輩出した『トキワ荘』の現代版として、おるたなChannelのないとーが次世代YouTuberを育成するためにつくったものだ。2019年に実際にYouTuberたちが住み始め、2020年にはYouTubeで「【男女6人YouTuberシェアハウス】レイワ荘」チャンネルを始動。現在はオーディションを経て入居した男女6人のYouTuberたちがチャンネル登録者数10万人を目指し、お互いに協力しあいながら生活している。

 レイワ荘で暮らすYouTuberたちやその生活ぶりは、一体どういったものなのか。現在入居しているのは、料理や大食い、お金など、それぞれ異なるジャンルのチャンネルを運営しているYouTuberたちだ。2023年11月3日に公開された「【男女シェアハウスの日常】レイワ荘にも秋到来!YouTuberシェアハウスの日常を1ヶ月分まとめてみた!」をみてみると、大食い筋肉系YouTuberのもとで筋トレやダイエットをする様子や、お互いの撮影の手伝いをするシーンが見られるほか、企画会議やコラボ動画の撮影が行われていることがわかる。パソコンでの編集作業が苦手なメンバーにほかのメンバーが教える場面があるなど、切磋琢磨しながら和気あいあいと過ごしているようだ。

 レイワ荘はないとーの“次世代スター輩出”の想いもあってか、東京都内にも関わらず家賃は5万円。しかもこの値段は水道・光熱費込みのものであることを、ないとーが2022年6月に投稿した動画で明かしており、経済的にかなり恵まれた環境といえる。

ないとーがメンバーにブチギレました。

 しかし、2023年9月には、そんなレイワ荘が2年ぶりの赤字に。入居者の卒業や電気代の高騰、レイワ荘チャンネルの再生回数低下などが重なり、存続が危ぶまれる事態に陥ったという。

存続の危機になりました。

 しかしながら、トップYouTuberとして走り続けるクリエイターがこのようなシェアハウスを手がけている事例はなく、ないとー本人からアドバイスがもらえることは“超”がつくほどのメリット。さらにレイワ荘に入居すれば確実に同志に出会えるため、YouTuberとして活動するにはこの上ない住居といえる。実際、これまでにはレイワ荘での努力が実り、チャンネル登録者数10万人を突破、卒業していったYouTuberもおり、人気YouTuberへの扉を開くための場所であることは間違いない。しかし一方では、YouTuberの道をあきらめ、退去していったメンバーもおり、レイワ荘はYouTuberとして生き残る厳しさ、難しさを学ぶ場所ともいえる。

 レイワ荘チャンネルは、毎回入居者を決めるオーディションの様子を公開していることもあり、まだ小さなヒナ状態のYouTuberたちが大きく羽ばたいていく過程をみられる、ドキュメンタリー動画の側面がある。視聴者のなかにはレイワ荘チャンネルで推しをみつけ、個人を応援する者もおり、それはまるでアイドルグループのオーディションからデビューまでを見守るテレビ番組のような面白さがある。“現代のトキワ荘”としてないとーがプロデュースするレイワ荘から、果たして新たなスターは生まれるのか。ないとーの挑戦の行方とともに、入居者の未来にも注目したい。

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