周央サンゴはにじさんじDNAの“正統後継者”か カオスと偏愛から産まれるバイラル性
志摩スペイン村をバズらせ、のちにPR大使に就任
自分自身がネットミームになることを恐れず、強い愛情と深い知識でさまざまにトークできる周央サンゴ。そんなタレントを持ち合わせた彼女ゆえに、不思議とカオスな状況が生まれやすい。それがうまくハマることで、徐々にインフルエンサーとしてのオーラをかもし、実績も生み出すようになっていった。
2021年12月11日、毎週土曜日に定期配信している雑談配信「おつかれさんご」が第50回を迎えたこの日、周央サンゴは友人たちと訪れた志摩スペイン村について“熱く”語り始めた。
「そもそもテーマパークが好きで、前から行ってみたかった」と期待を込めて足を運び、「テーマソングが良い!」「キャラクターグリーティングがめっちゃ丁寧!」といったポジティブな話題、「園内にあまり人がいなくて……」「志摩スペイン村行きのバスが普通のローカルなバス」というネガティブな話題、さまざま入り混じったストレートな内容を語った。
後日、「志摩スペイン村について語る周央サンゴ」と題した切り抜き動画がYouTubeやニコニコ動画などに投稿され話題が広まると、すぐさま志摩スペイン村側にも認知され、両者の交流がスタートしたのだ。
2022年5月7日の「おつかれさんご第62回」では、今回は母親とともに2人で訪れたことを話し、ここでもまた高い熱量でもって志摩スペイン村の素晴らしさを語った。
配信終了後、これまた「志摩スペイン村について語る周央サンゴ」の切り抜きが投稿されると、X(当時:Twitter)のトレンドに「志摩スペイン村」が登場。たまたま夜中に目が覚めた志摩スペイン村の影山社長は、トレンド入りした状況・理由がまったくわからないまま「VTuber」「周央サンゴ」について調べて夜が明けた、とメディアの取材に話したほどだ。
その後「ネットでバズったテーマパーク」として認知度をあげていったことを受け、志摩スペイン村は周央サンゴとANYCOLOR社にバーチャルアンバサダー(広報大使)就任を正式にオファー、2022年12月末に「周央サンゴ、PR大使就任」報じられた。
年が明けた2023年1月から4月にかけては、まさに怒涛の流れとなった。志摩スペイン村だけではなく近畿日本鉄道を含めた大型コラボイベント『みなさま~(広報大使) 志摩スペインゴ村へ、来て!』がスタートすると、テレビ・雑誌・webを含めた多数のメディアが同イベントを紹介したのだ。
同イベントは大盛況のうちに終わり、無事アンバサダーとしての任を務め上げたわけだが、今後も周央サンゴと志摩スペイン村のコラボレーションは続いていく可能性が高いだろう。企業間のビジネスとして、という以上に周央サンゴの強い愛情がなせる取り組みだからだ。
さて、インターネット~サンリオ~志摩スペイン村と連関した繋がりは、周央サンゴのなかのフィーリング・好み・趣味性によって生まれたものであり、何かしらの関連性をもってつながることは想像しにくい。
もしも自分自身の好みや愛したものをすべて表現したならば、それはどのような世界となるのか。宝石のようにキラキラに輝いたり、ときに濁った空気と空模様をみせるような、摩訶不思議で支離滅裂な世界となるのだろうか。
それを形にした周央サンゴの3Dお披露目配信は、一個人の嗜好性や想像を縦横無尽に広げ、怜悧なロジカルさで荒波のようなカオスをコントロールしてみせた内容に仕上がっている。もしも彼女のことがわからないのであれば、この鮮やかなる配信を見てみれば一番に分かるはずだ。
今後の彼女がどのような形で活躍していくのか、未来のことは誰にもわからない。だが、きっと彼女らしい深い愛情とセンスでもって我々を楽しませ、世間を盛り上げてくれるだろう。
周央サンゴは『スペイン村』を、『パリピ孔明』はクリエイター業界を、VRChatコミュニティは日産自動車を盛り立てる
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