周央サンゴはにじさんじDNAの“正統後継者”か カオスと偏愛から産まれるバイラル性

周央サンゴのカオスと偏愛が産むバイラル性

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。

 育成プロジェクトである「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」からも新規ライバーがデビューし始めており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与え始めている。

 ここ数週にわたって当連載では「世怜音(せれいね)女学院演劇同好会」4人のメンバーについて触れてきた。今回は最後のメンバーである周央サンゴについて記していこう。

小さくて可愛い“おしゃべりモンスター”こと周央サンゴ

 周央サンゴといえば、低い身長にピンク色の長髪とおさげ、目尻・目元・眉毛がまるっこく、愛らしさと柔らかさを強調するルックスで、初めてVTuberを知る人にもポップでわかりやすい印象を与えてくれる。

 制服・カーディガン・部屋着など、複数ある彼女の服装もピンクや桃色のカラーリングが特徴的だ。

 そんな彼女といえば、イキイキとした口調と笑顔を振りまきながら、ハイトーンな声で小気味よくトークを繰り広げていくのが印象的だ。自らを「ンゴ」と呼び、声の高低・出し方・テンポなどをうまくコントロールしながら話しつづけていく姿は、さながら“おしゃべりマシーン”といった印象を残す。

 そのトーク・会話力はそのまま演技の方面へと変幻していくようで、能天気そうな声でアッパーな雰囲気にしたかと思えば、はしゃいでいるところをすげなく扱われた時には大げさにイジけてみたり、泣いてみたりと、会話相手を翻弄することがよくある。

 イジり・イジられのコミュニケーションが多く発生するにじさんじ同士の会話においても、彼女の振る舞いはかなり特徴的に受け取られるはずだ。

 こういったオーバーリアクション・演技的なコミュニケーションから感じ取れるように、「世怜音女学院演劇同好会」のメンバーでも彼女はもっとも演技・演劇を意識し、ナレーションなどへの嗜好性を持ったメンバーでもある。

 にじさんじ公式番組『にじさんじのB級バラエティ(仮)』でナレーションを務めていることを筆頭に、メディアミックス作品『Lie:verse Liars』に呱々乃結仁役として出演している。

『Lie:verse Liars』キャラクター紹介PV - 呱々乃結仁 編

 演技とゲームという見方でいえば、「TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)」も彼女の大好物であり、TRPG配信にも数多く参加してきた。

 自身がプレイするキャラクターへの愛情・入れ込みようは強く、その高い演技力のおかげか、演技しているときと演技していないときの差が非常に大きい。ゲーム中に休憩・話し合いの場面で「キャラクター」から変わって「周央サンゴ」として会話に混ざると、声や口調の変化があまりにも大きすぎて視聴者から驚かれることがあるほど。

 TRPGでプレイしたキャラクターは配信サムネイルに設定し、自身のTwitterサブアカウントはTRPG専用のアカウントとして開設。自身のYouTubeチャンネル内に作成しているTRPG関係の配信をまとめたリストは、ズバリ「trpgは人生」と名付けられており、これまでプレイしてきた150を超えるTRPG配信が揃っている。

 にじさんじには彼女以外にも、でびでび・でびる、モイラ、健屋花那、活動を終了してしまった黛灰など数多くのTPRGプレイヤーがいるが、そのなかでも指折りのTRPGプレイヤーではないだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる