ダンスの楽しみ方に“間違い”はない 『ジャストダンス2024エディション』開発者インタビュー

 2009年から続くUbisoftの人気ダンスゲーム「ジャストダンス」シリーズの最新作『ジャストダンス2024エディション』が、10月24日に発売となった。同日にはフランス・パリのスタジオでメディアツアーが行われ、リアルサウンドテックは日本から唯一参加。ゲームに実装される振り付けが作られていく過程などに触れることができた。

『ジャストダンス2024エディション』スタジオツアー

 スタジオツアーの際には『ジャストダンス2024エディション』クリエイティブ・ディレクターのMatthew Tomkinson氏にインタビュー。今作で力を入れたポイントやシリーズにとって重要な要素、そして日本のプレイヤーに向けたメッセージを伺った。(片村光博)

「ジャストダンス」シリーズで重要なのは“振り付け”と“多様性”

――「ジャストダンス」シリーズが始まって15年となりますが、最新の『ジャストダンス2024エディション』での最大のトピックを教えてください。

Matthew Tomkinson(以下、Tomkinson):とても特徴的なのは『2023エディション』のプレイヤーと一緒に、同じコンテンツをプレイできるようになったことではないでしょうか。『2023エディション』ではオンラインプレイに完全対応し、新たな時代に突入しました。そのままアップデートしていくこともできましたが、『2024エディション』で新たなコンテンツを実装し、多くのプレイヤーがすべての楽曲コレクションを、コミュニティの誰とでも一緒にプレイできるようになりました。

――プレイヤー目線でもうれしい点ですね。では、プレイヤーにとって最も魅力的なポイントはどこになるのでしょうか。

Tomkinson:プレイヤーにとって2つのゲームモードが興味深いのではないかと思います。チャレンジモードでは、ほかのプレイヤーのデータと同期して仮想的に一緒にプレイすることができます。常に友人や家族と同じ時間にプレイできるわけではないですから。このモードによって、いつでも友達に挑戦して、彼らのパフォーマンスと一緒に遊べるんです。そして、もうひとつはワークアウトモードですね。消費カロリーを算出し、フィットネス目的で「ジャストダンス」シリーズをプレイする方にとって便利なものになるのではないでしょうか。

 ただ、これ以外にも多くの新しいマップやコンテンツ、マイリー サイラスの「フラワーズ」など人気の楽曲があります。さらに、キャラクターのストーリーを表現する「ストーリー プレイリスト」も、今作のとても魅力的なポイントになっていると思います。

――「ジャストダンス」シリーズにとって、最も重要な要素とは何だと考えていますか?

Tomkinson:ダンスの振り付けだと思っています。新たなマップを作るたびに、良い振り付けにできるよう、細心の注意を払っていますからね。

 ただ、「ジャストダンス」にとって本当に特別なのは、とても幅広い層のファンがいるということです。子どもたち、その親たち、10代の若者に、ワークアウトのためにプレイする人たち……純粋に新たな世界や音楽に触れたいという人たちもいます。振り付けに関しても、さまざまな異なる用途にフィットしなければいけません。それでこそ、「ジャストダンス」は多様で包括性のあるゲームであることができると思っています。

――そうしたゲーム作りをしてきたなかで、プレイヤーには『ジャストダンス2024エディション』にどんな楽しみ方を期待していますか?

Tomkinson:本当に多くのプレイスタイルに応えられるように取り組んできました。ひとりで楽しむことも、家族と楽しむことも、友人と楽しむこともできます。たくさんの友人を呼んでパーティーすることだってできますし、フィットネスのためにプレイしたいならワークアウトモードは素晴らしいモードになってくれます。もちろん、マップも多彩で魅力的です。親子でプレイする方もいるでしょうし、簡単なマップも多いので、とっつきやすいゲームでもあります。

 私は、どれかひとつの遊び方を推奨することはしません。ダンスの楽しみ方に間違いはないと思っています。

今作実装の「オトナブルー」は素晴らしい発見

『ジャストダンス2024エディション』クリエイティブディレクター・Matthew Tomkinson氏

――それでは、ゲーム作りに関することをお聞きします。『2024エディション』を作るうえで、最大のチャレンジはどの部分にありましたか?

Tomkinson:曲を選ぶことですね! 私たちとしても本当に多くの使いたい曲があり、プレイヤーのみなさんからもさまざまなアイディアをいただきましたから。どの曲を採用するかというのは、本当に難しかったです。

 ただ、私たちがすることは、プレイヤーのみなさんのリクエストを参考に、どの選択が最も多くのプレイヤーに満足してもらえるのかを評価し、同時にどれだけ投資を回収できるのかを考えることです。「ジャストダンス」は止まることなく進んでいますし、『2024エディション』におけるすべてのアップデートや新規要素は、『2023エディション』にも反映されます。スマートフォンを使ってコントローラーを手から離してダンスできるという機能も、冬に追加される予定です。「なにを選ぶべきか」ということを意識していれば、ゲーム制作における選択は容易になるのではないかと思います。

――では、今作におけるチャレンジには満足していますか?

Tomkinson:とても満足しています。チャレンジモードで対戦する動画が、すでにYouTubeにアップされているのも見ました。手軽に誰かに挑戦できて、その相手は誰でもいいんです。友達でも、世界中の誰かでも。とても素晴らしいことですよね。

――最後に、日本の「ジャストダンス」プレイヤーへのメッセージをお願いします。

Tomkinson:今作に「オトナブルー」(新しい学校のリーダーズ)のマップを作ることができて、とてもワクワクしているんです。なんといっても、振り付けが最高ですから。すごく楽しい曲で、「ジャストダンス」にピッタリですよね。新しい学校のリーダーズのことは知りませんでしたが、日本のチームと連携して「ジャストダンス」に合う曲を探していきました。素晴らしい発見になったと思います。

 日本のみなさんにはぜひ「オトナブルー」を楽しんでほしいですし、ほかの楽曲たちも楽しんでもらえることを願っています。

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