後藤真希や今井麻美らが続々VTuberデビュー 一方で著名VTuberの引退も

『ホロライブEnglish』から『VRChat』の「バーチャル・ナビゲーター」が誕生 横須賀市公式プロジェクトも進行中

 ソーシャルVR『VRChat』にも、また大きな存在がやって来ようとしている。ご存知、VTuber事務所・ホロライブプロダクションである。その英語圏グループ『ホロライブEnglish』所属のハコス・ベールズが、米国・VRChat社の魅力を発信する「バーチャル・ナビゲーター」に就任したのである。

 もともと、『ホロライブEnglish』所属のVTuberはときおり『VRChat』で配信をおこなっており、公式ワールドを公開したこともある。ホロライブにおいてはロボ子さんが以前より3Dモデルを用いて『VRChat』での配信をおこなっている。しかし今回は、オフィシャルパートナーとして『VRChat』とタッグを組む形だ。

 ハコス・ベールズ自身、過去に『VRChat』での配信を実施しているが、今後は『VRChat』を介した活動を通して、クリエイター、VTuber、配信志望者へ、『VRChat』の「プラットフォームとしての可能性」を発信していくとのことだ。一大VTuber勢力が、一大ソーシャルVRでどのような活動を展開していくか。業界に大きな動きをもたらす可能性があるだけに注視すべきだろう。

 そんな『VRChat』には、神奈川県・横須賀市がオフィシャルに参入している。『メタバースヨコスカ(メタスカ)』と題されたプロジェクトとして、まずはドブ板通り商店街と三笠公園が『VRChat』にワールドとして登場した。未来的・仮想世界的なデフォルメを施しつつ、地元のグルメなどにも触れられる「夕暮れのドブ板通り」が体験できる空間だ。三笠公園では、隣接する戦艦・三笠に乗り込み、東郷平八郎の執務室なども観覧できる。

 このプロジェクトの興味深い点は、ワールド公開に合わせ、3Dアセットの展開も行っているところだ。横須賀生まれの衣服である「スカジャン」は、人気の『VRChat』向けアバター15体と、『VRoid Studio』製アバターに対応した、3Dモデル(衣装)として、なんと無料配布されている。制作陣には『VRChat』向けのブランドを展開する「EXTENSION CLOSING」のアルティメットゆい、『VRoid Studio』モデラーのLUCASなど、業界で注目を集めるクリエイターらが多数参加しており、ユーザーからの注目を集めた。

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 「よこすか海軍カレー」といったグルメも、3Dモデル化されて無料配布中だ。そう、衣装からアバター、食べ物のモデルにいたるまで全てが無料で提供されている。利用規約も商用利用・法人利用まで許諾されており、非常に利用しやすい。

 担当者に話を聞くと、空間だけでなく、3Dモデルを通して横須賀の文化に触れてもらうことで、横須賀の認知向上や観光誘致、地域振興につなげていきたいとのことだ。

 たしかに、「美麗なCG空間」は“一度行ったきり”になりやすいが、普段からユーザーがまとうアバター衣装であれば、気に入れば日夜利用されることになる。その姿でメタバース内を歩いてもらえれば、それ自体がある種のPRになる。事実、衣装の配布が開始された先週末は『メタスカ』のスカジャンを着用するユーザーの姿を各所で見かけた。国内のメタバース活用事例が進む中で、一手先の戦略を打つ横須賀市の今後の展開にも注目したい。

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