後藤真希、今井麻美、”リアルぺこーら”のコスプレイヤーも　さまざまな人物がVTuber参入

　とんでもない大物がVTuber業界にやってきた。元モーニング娘。の後藤真希が、VTuber「ぶいごま」としてデビューしたのである。

　「2001年からやってきた15歳の後藤真希」という設定の「ぶいごま（V後藤真希）」は、10月26日にLive2DのVTuberとしてデビューし、続く10月28日には「バーチャルハロウィーン2023」の一環として、3Dモデルをお披露目。モーニング娘。時代の代表曲である「LOVEマシーン」の歌ってみた動画まで公開と、これ以上にないスタートダッシュを切っている。

　キャラクターデザインは、人気VTuberデザインを多く手掛け、自身もVTuber・カグラナナとして活動しているイラストレーター・ななかぐらが担当。後藤がエイベックス所属ということもあり、バーチャルダンス＆ボーカルユニット・まりなすなどが所属するバーチャル・エイベックス株式会社がVTuber化を手掛けている。そして、11月11日にはバーチャルアイドルフェス『Life Like a Live!6』にも参戦予定と、クリエイティブの布陣から後続展開まで抜かりがない。

　著名人のVTuber化事例としては、国内ではHIKAKINにも匹敵するビッグニュースだろうか。『Life Like a Live!6』以降、どのように継続していくかはまだ明かされていないが、ビッグネームのVTuber化というスタイルをどう活かし、楽しんでいくか、しばしその動向に熱視線が注がれるだろう。

　同じくビッグネームとして、声優の今井麻美もVTuber「詩趣（ししゅ）ミンゴス」として、10月27日にデビューした。彼女も初動から3Dモデルを獲得しており、デビュー配信で交友のあるVTuberを招くなど、“鉄板”ともいえる戦略を仕掛けている。こちらも、このあとどの程度VTuberとして活動するかは読めないところだが、一年半の準備を経た念願のデビューとのことなので、マイペースに活動を続けていく可能性はあるだろう。

　他方で、新鋭勢力の興味深い事例も見られた。Brave Group系列の株式会社ENILISが始動したVTuberプロジェクト『Vlash』である。「VTuber × リアル × ○○」をコンセプトに掲げ、バーチャルとリアル双方で活動するタレントが所属する事務所である。

　特にユニークなのが「星宮ちょこ」だろうか。VTuberであるが、全く同じ名義で活動するコスプレイヤーでもある。今年のエイプリルフールには、ホロライブ所属・兎田ぺこらの企画で「実写版・兎田ぺこら」として出演した人物であり、今回のデビューに際してはアバターと同じ姿のコスプレ写真まで披露している。素顔もしっかりと見せており、VTuberがここまでリアルの姿をオープンにするケースはかなりめずらしい。

　このほかにも、生身を一部見せているVTuberや、個人勢から転向したVTuberの名前も見られる『Vlash』。いったいどのような活動を展開していくか、いろいろと興味深いプロジェクトだ。

　反対に、著名どころの引退報告もあった。2018年から長らく活動してきたVTuber・赤月ゆにが、10月31日をもって活動を終了するとのことだ。「今日は何の日」というショート動画を毎日投稿するVTuberとして、記憶に残っている人もいるだろう。

　同じ事務所であるライヴラリ所属で、オカルトをテーマにした個性的な動画を投稿してきた無月めもりも同日に活動終了することが発表されている。直近では所属タレント4人のうち、3人が活動を止めていたこともあり、今回の活動終了報告は事務所の先行きに暗雲を感じさせる出来事となった。