エントリーユーザーからコアユーザーまで対応 ASUSが最新マザーボード7機種をローンチ
2023年10月、ASUSが7種類のマザーボードを発表した。マザーボードはPCの根幹をなすパーツのひとつで、パソコンをDIYする自作PCのジャンルにおいてもっとも基礎となるパーツと言ってもいい。
実はASUSはマザーボードシェアにおいて世界第1位のメーカーなのをご存知だろうか。1989年の会社設立直後から日本向けにもマザーボードを輸出しており(当時はPC/AT互換機向けのもの)、今ではノートPCやスマートフォン、GPUなどを手掛けている。
ちなみに台湾本社のロビーには同社のマザーボードが展示してある。そんなASUSが2023年に満を持して送り出すゲーミング仕様のマザーボードが、以下の7種類だ。
まずはすべてのモデルに共通する特徴を紹介しよう。なおチップセットはすべてZ790で、サイズはATXとなっている。
次世代を見据えた高速通信を搭載
今回、『ROG MAXIMUS Z790(FORMULA)、(DARK HERO)』はThunderbolt 4端子を搭載。他機種ものThunderbolt EX4カードを取り付け可能なピンヘッダを備えている。また、すべての機種が6GHz帯の無線LAN通信可能なWi-Fiに対応しているのも特徴だ(6機種がWi-Fi 7対応、1機種がWi-Fi 6E対応)。日本ではようやくWi-Fi 6Eが普及しつつあるところだが、次世代の規格もカバーできているというわけだ。
ほかにもワンタッチでビデオカードを取り外せるQ-release機能や、使いやすいフロント側へのUSB Type-C端子を搭載。ミッドレンジ以上のモデルはPCIe5.0 x4 modeを持っており、ストレージへの書き込み速度も極めて早い。
背面端子類はこのようにまとまっている(全モデル同じではなく、あくまで一例)。マザーボードはPC内部に入っているため普段は見えづらいパーツだが、この背面部分はよく見かける部分でもあるだろう。実際にマザーボードからPCを組み立てている記事もあるので、参考にしてもらいたい。
https://realsound.jp/tech/2023/09/post-1441914.html
個人的に、マザーボードはPCパーツの中でもっともカッコいいパーツだと思っている。「なんだかわからないけどカッコいい!」といった見た目へのときめきから、PC作りの世界に飛び込んでみるのも面白いだろう。ちなみに透明のケースを使えば、普段は見えにくいPCパーツの様子をじっくり眺めることもできる。
最上位スペックを含むMAXIMUSシリーズ
それでは、発表された製品をそれぞれ紹介していこう。このシリーズはすべてWi-Fi 7対応で、Bluetoothは5.4対応だ。
『ROG MAXIMUS Z790 FORMULA』。今回発表されたマザーボードの中ではもっともハイエンドなモデルにあたり、唯一有線LANでの5Gb通信が可能。白色の筐体も印象的で、高級感とハイエンド感にあふれた逸品だ。
『ROG MAXIMUS Z790 DARK HERO』。上記のFORMULAとの違いは有線LANの速度が最大2.5Gbになっている点くらいで、あとはほぼ同様のスペック。黒いパーツの最上位が欲しい人はこちらがオススメ。
『ROG MAXIMUS Z790 APEX ENCORE』。今回のモデルの中ではマザーボードからの画面出力を持たない唯一のモデルだが、マウスやキーボードを繋ぐためのPS/2端子を搭載している。USB端子と競合しないのはメリットだ。
今回、編集部ではASUSの担当者にそれぞれのオススメを伺ってみた。まずは、ASUS OPビジネスグループプロダクトマネージャーを務めるオリバー氏から。
「どれもオススメですが(苦笑) ゲーミングPCでのトップクラスの機能を求める方にはこちらの『ROG MAXIMUS Z790 FORMULA』ですかね。最近はホワイトマシンが世界的にも人気ですが、ホワイトカラーのマザーボードはそのような需要にもぴったりかと。是非、PCのDIYライフを楽しんで貰いたいです」
価格と性能のバランスに優れたSTRIXシリーズ
次はミッドレンジ帯のマザーボードを紹介しよう。こちらもすべてWi-Fi 7対応で、Bluetoothは5.4対応だ。
『ROG STRIX Z790-E GAMING WIFI II』。MAXIMUSシリーズよりもパワーフェーズ(VRM)の数を抑えることで、価格を抑えている。とはいえ、本機でも18+1+2フェーズと充分な数の電源フェーズを持っている。
『ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI II』。今回のモデルの中で、もっとも多くのUSB端子を備えたモデル。その数はType-A端子が12口+Type-C端子が2口の合計14口も!
『ROG STRIX Z790-A GAMING WIFI II』。上記のZ790-FからUSB端子を2口減らした以外はほぼ同様のモデル。こちらも白いデザインが印象的で、鏡面反射などの金属加工もうっとりするほど美しい。
今回は、ASUSのマーケティング部に所属する吉田ゆみ乃氏にオススメのモデルを伺った。
今回発表したマザーボードの中ではミドルレンジ帯となりますが、ユーザーさんの多彩なご要望にお応えできる機能性が魅力となってます。また、エントリーユーザーさんもカバーできますのである意味、迷ったらコレ!(笑)なオススメのマザーボードですので是非!」
もっとも手に取りやすいTUF GAMING
最後は廉価普及帯のTUF GAMINGシリーズを紹介。このモデルのみ、Wi-Fi 6EのBluetooth 5.3となっている。
『TUF GAMING Z790-PRO WIFI』。Wi-Fi 6E対応のTUF GAMINGシリーズとしては3基目となる。これまで見てきたROGシリーズとはデザインアプローチが異なっており、無骨さ漂うモデルだ。
最後は、ASUSのプロダクトマーケティング部に所属するイヴォン氏に本機のオススメポイントを伺った。
「TUF GAMINGを象徴する”THE ULTIMATE FORCE”という言葉が、ラバー加工で描かれているのがカッコいいポイントです。機能面ではフロント側へのUSB Type-CやWi-Fi 6Eの搭載など、これ1枚買えば大丈夫なモデルになっています。今回発表した7モデルの中では、価格面でももっともお手頃です」
ハイテク的なかっこよさが詰まった、ASUSのマザーボードたち
普段は見えないマザーボードだが、たとえば「こういったCPUが使いたい」と考えたとき、そのCPUに対応するマザーボードを選ぶ必要がある。さらには搭載できるストレージの数、メモリの容量、ビデオカードの種類などもマザーボードで変わってくるため、極めて重要なパーツなのだ。
機能もデザインも妥協なく作られた、ASUSの最新マザーボード7機種を紹介した。それぞれの詳しいスペックは、公式サイトを参照して欲しい。
◎参考情報
https://rog.asus.com/jp/motherboards-group/