週末だけで192都市を訪れたサラリーマンが語る“自分の中の常識が崩れた瞬間” 海外旅行に魅せられ続ける理由とは?

東松寛文が語る“自分の中の常識が崩れた瞬間”

SNSでは楽しいことを発信して、誰かを元気づけたい

ーーリーマントラベラーというキャッチコピーが素敵です。いつごろから名乗り始めたのでしょうか。

東松:2016年の1月にブログを始めたタイミングで、リーマントラベラーと名乗り始めました。サラリーマンとして働いていると海外旅行の選択肢って考えにくいですよね。でも、興味を持っている人は一定数いると思うので、そういった人たちに共感してほしくて発信を始めました。

 僕自身、仕事も好きですし、仕事で収入を得られているからこそ思い切った海外旅行ができています。当時は、仕事と旅の両方を軸に活動していた人は少なかったので、結果、多くの人におもしろがって貰えたのかと思います。

ーー発信活動についてお聞きしたいのですが、当時はどのSNSを活用していたのでしょうか?

東松:ブログ・Twitter(現:X)・Facebook・Instagramで発信を始めました。メインはブログとFacebookですね。自分の楽しかった体験を発信していたら、多くの人から反響をもらえました。楽しさを発信しているうちに、どんどん楽しさの輪が広がっていきました。

ーー海外旅行の楽しさを発信するなかで印象に残った出来事を教えて頂けませんでしょうか。

東松:リーマントラベラーを名乗る前の2013年、1月の3連休で韓国のソウルに行った時に遡ります。後輩と2人で旅行したのですが、ソウルが大きな街ではなかったので、時間が余りました。なにをやろうかと相談をした時に、当時流行していた「江南スタイル」のPSYになりきろうという話になったんです。

 市場で服・サスペンダー・サングラスを購入し、ポーズを決めて写真を撮り、プライベートのFacebookに投稿すると普段の3倍以上のいいねがつきました。このとき、楽しさが増えてお得だと思ったんです。海外旅行に行って楽しんで、SNSでも楽しめる。周りも楽しんでくれると、楽しさの輪が大きくなると実感しました。

ーーSNSの投稿で1番反響の大きかった投稿を教えてください。

東松:最も大きな反響があったのは、2016年の9月の香港旅行です。佐々木希さんになりきる旅行をしました。その時期に雑誌_『anan』で佐々木希さんの特集があって、香港で撮影が行われていたんです。素敵だなと思って、その特集の場所を回るために週末に香港を訪れて、佐々木希さんと同じポーズをとりながら写真を撮影してまわり、その様子をブログで発信していました。

 ただ、1箇所、1泊130万円するインターコンチネルホテル香港だけは入らせてもらえませんでした。怪しいので当然と言えば当然ですが……。その後、ブログを見たホテルの方から連絡があり、後日見学だけさせて貰えるようになったんです。

 再び香港を訪れたのですが、今度はこの一連の流れが「香港経済新聞」の記事になり、バズってしまって。Yahooニュースのトップを飾ってしまいました。

ーー輪の広がり方が大きいですね。SNSの発信で気をつけていることはありますか。

東松:まず、誰かの背中を押せるかどうかというのを発信の基準にしています。海外に初めて行く前の2012年、僕自身、会社員をしながら海外旅行なんて行けるはずがないと思っていました。モヤモヤしながら日々を過ごしていたので、過去の悩んでる自分に元気を与えられる手紙を送ることをイメージして、SNSの発信をしています。

ーー具体的に教えていただけませんでしょうか。

 東松:たとえば、強い言葉を使わないようにしています。強い言葉を使うと投稿に対して賛否両論出ますし、議論に発展してしまいます。よくも悪くもバズが起こって、過去の自分を含めた多くの人を傷つける可能性があるんですよね。誰かの背中を押す言葉は優しい言葉です。読んだ人が自分もできそうって思えるような発信を心がけています。

 あとは、発信活動は続けることが1番大切だと思っているので、無理をしないようにしています。

 自分の健康やメンタルを第一に考えて、仕事やプライベートで忙しい時は発信を控えるようにしています。色々なSNSの使い方がありますが、僕は楽しい発信をしてみんなを元気にしたいと思っているので、ネガティブな気持ちの時はSNSを使わないようにしていますね。どうしてもそのときのメンタルが反映されてしまいますから。

ーー2015年前後はブログブームの最中でした。その中で自分の好きを貫いて発信できたのは会社員をしていたからなんでしょうね。

 東松:会社員として安定した収入があったからこそ、マネタイズを考えず、好きなことを好きなように発信できたと思います。好きを発信しているうちに輪が大きくなって、本の出版やテレビへの出演、講演会などに呼んでいただけるようになりました。嬉しいですね。

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