アイドルグループの多国籍化はいまや珍しくなく、“世界に羽ばたく”ことを前提としたアイドルグループがアイドル界の覇権を握り始めている。そのなかでも、大きな盛り上がりを見せているのが、オーディションプロジェクト『Nizi Project』や『PRODUCE 101』シリーズの成功を代表とするオーディション形式の番組である。新たなスター誕生を追いかける番組として、2023年9月2日から放送が開始された『The Debut: Dream Academy』（以下、『ドリアカ』）もこの系譜に名を連ね、注目を集めている。

“アイドル界のオリンピック”　自国代表選手を応援する感覚が類似

　『The Debut: Dream Academy』は、韓国のトップ芸能事務所であるHYBEとアメリカのGeffen Recordsによる、アメリカを拠点とするグローバルガールグループのメンバーを選ぶ番組だ。出場者は、ダンス、ボーカル、チームワーク、コンセプトなどのさまざまなミッションに挑戦し、グローバルな視聴者の投票と審査員の評価によって次のラウンドへ進出できるかを判断される。

　最終的なデビューメンバーは、11月18日にABEMAで生中継される『ライブフィナーレ』で発表され、今後はグローバルで活動するガールグループのメンバーとしてデビューする予定だ。2週間にわたる配信番組では、3つのミッションとライブ放送の『ライブフィナーレ』が行われ、視聴者は新たなスターが誕生する過程を投票を通じて見守ることができる。ついに16日には、出場者にとって初めての試練であるMISSION1「SHOW CASE」の結果が放送され、番組史上初の脱落者2人が発表された。

　実は中間投票の段階で、Weverse投票に参加したファンは実に124の地域から集まり、そのなかで米国ファンが19.2%と最も多くを占めていた。この高い米国ファンの比率は、彼らが自国の練習生に多くの支持を寄せ、またK-POPに対する関心が高いためと考えられている。

　ちなみに、出場者は世界各国12万通を超える応募の中から厳選された20名。まさに、世界へと挑戦できる夢の切符をかけた20名の“本気”をそこかしこで感じられるハイクオリティな内容にも納得がいく。

　HYBEは、『ドリアカ』プロジェクトが、世界中のファンにとって自国の代表選手を応援する感覚に似ており、自身のアイデンティティを持つ練習生がデビューメンバーに選ばれる可能性に期待が寄せられていることが、投票への情熱につながっていると説明している。この“アイドル界のオリンピック”とも呼べる場へと辿り着いた、各国のメンバーへの期待が番組をさらに盛り上げているのだ。