ドットエスティ初の「リアル・バーチャル融合ライブショッピング」から、メタバース事業への”本気”を見る

内容はシンプルだが目的は骨太 メタバースと真摯に向き合い続ける“アダストリアの姿勢”

 この手の「リアルとバーチャルが融合する生配信」を、筆者はVTuber業界を中心に数多く見てきている。それらと比較しても、今回実施されたアダストリアのライブショッピング配信は、シンプルながらしっかりと画面構成が整えられ、違和感なくバーチャルな存在がスタジオに立っているように映っていた。画作りの面で、クオリティがきちんと担保されていた印象だ。

 また、「なんとなくバーチャルなひとを呼んでみた」という企画にするのではなく、しっかりと「バーチャルな担当者」を呼び、担当者が手掛けた「バーチャルな商品」を実演形式で紹介する、という明確な目的が存在していた。そしてその扱いは、リアルアイテムの扱いとほぼ等価のように見え、アダストリアがメタバース事業にしっかりと向き合っていることを示していたように思う。

 配信のコメントも数量が多く、和やかながら活気にあふれていると感じられた。収録現場の空気もよく、配信終了後も「やってよかった」「またやりましょう」という声が担当者から挙がっており、相応の手応えがあったようだ。

 「メタバースのファッションを、会社全体で推進していく」というアダストリアの姿勢が、またひとつ垣間見えた取り組みだったように思う。まだまだいろいろな展開を仕掛けていくというアダストリアの今後の展開にも注視していきたい。

 なお、本配信は現在もアーカイブが残されている。アパレル企業が取り組むメタバース事業がどんなものか気になった方は、ぜひアーカイブも視聴してほしい。

■配信アーカイブ
https://www.dot-st.com/cp/dotst-live?liveid=NXlpZ74R7kTnUmnWUK0v

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