YouTuberの挨拶はなぜ重要視される? ブレイク中の中学生YouTuber・ちょんまげ小僧の挨拶「ひき肉です」などから紐解く
2023年8月21日、中学生YouTubeグループ「ちょんまげ小僧」がチャンネル登録者数100万人を達成し、大ブレイクしている。
ブレイクした要因はいくつかあるが、きっかけは冒頭の“挨拶シーン”が注目されたことだろう。メンバーの名前は、ちょんまげ小僧、パンダ、ナマズ、右足、ひき肉、イソ・ギンチャクといった独特なネーミングだ。その中でもとくにひき肉の挨拶は、動きも相まって多くの視聴者にフィーチャーされている。TikTokではひき肉の挨拶だけでつくられたMADムービーが流行し、なえなのや加藤乃愛など有名インフルエンサーがTikTokを投稿している。
@naenano ひき肉です‼️
プロ野球選手まで届くキャッチーさ
ひき肉の挨拶がフィーチャーされた理由としては、誰でも真似できるキャッチーさと、1発で誰を表しているのかがわかるオリジナリティによるものだと考える。ほかのYouTuberの挨拶にも、そういった要因で思いがけない世界とつながりを見せているものがある。登録者数163万人の兄弟YouTuber「SAWAYAN GAMES / サワヤン ゲームズ」の挨拶に注目してみる。(2023年9月3日現在)
サワヤンといえば、挨拶に「デスターシャ!」という語尾がつくことで有名だ。横浜DeNAベイスターズの牧秀悟はホームランパフォーマンスとして「デスターシャ!」を使用しており、2023年3月11日に行われた「2023ワールド・ベースボール・クラシック東京プール」日本対チェコの試合で本塁打を放ち、「デスターシャ!」のパフォーマンスを披露。そのパフォーマンスに対し、サワヤンは「牧、君は神だ。」とSNSで反応した。このことから、プロスポーツ選手まで届くほどYouTuberの挨拶はキャッチーで影響力があることがわかる。また、たったひと言で誰を指しているのかわかるため、YouTuberにとって挨拶は自身の看板のようなものなのだ。
挨拶がひとつのコンテンツに
挨拶が持つ役割は、イメージ付けだけではない。動画の冒頭で必ず発言する要素だからこそ、挨拶だけでひとつのコンテンツになることもある。
トップYouTuberである「東海オンエア」の挨拶も見ていこう。東海オンエアの挨拶は、メンバーが順に名前を言うシンプルなものである。だが、罰ゲーム(十字架)が施行されているメンバーがいる場合、改名されていたり、挨拶の際に特定の動きを追加しなければいけないという縛りがある。
たとえば、メンバーのりょうが受けた罰ゲームを例に挙げる。このときは、平成のあいだ「Hey Hey 俺がりょうだぜ Say Yeah」という挨拶をしなければいけないというものだった。最初は違和感を感じていたものの、その後はイベントでファンへの声かけとして盛り上がる挨拶となり、終わるころにはコメントから「挨拶だけでこんなに盛り上がれるグループ最高だな」「まさかりょうくんもこの挨拶がこんなに浸透するとは思わなかっただろうなぁ」と寂しがる声が上がった。このように、YouTuberにおける挨拶はブレイクのきっかけとなったり、視聴者に認知されるひとつのコンテンツになったりなど、かなり重要な存在であることがわかる。これからも挨拶でどんなムーブメントを起こしてくれるのか、YouTuberの挨拶には注目していきたい。
話題の中学生YouTuber・ちょんまげ小僧はなぜ登録者100万人を突破できたのか? 随所に垣間見る“デジタルネイティブの強み”
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