「NOEZ FOXX」DJ FOY×DJ WAKIインタビュー チームを立ち上げた理由、波紋を呼んだメンバー加入の裏側、eスポーツへの思いを語り尽くす
「日本が誇れる才能たちを、一つのミスで潰すのはもったいない」(DJ WAKI)
ーーみなさん一度つまずいて、それでも立ち上がってやっていこうという中でNOEZに集ってきているような状況かと思います。お二人の中ではある種「セカンドチャンスとなれるようなチーム」みたいな考えもあるんですか?
WAKI:どうだろうな。結果としてそうなってるだけで、元々別にそれ主体で動いていた訳ではないんですよね。でも、それで喜んでくれている人がいるなら、それはそれでいいんじゃないかなって。
FOY:俺は天国行きたいからやけどね。
WAKI:(笑)。天国に行きたいから(笑)?
FOY:そう。僕ら、やっぱりこういう活動をしてきたんで、NOEZメンバーの気持ちがちょっとわかるんですよ。もちろん、面白いヤツらを集めていったらこうなったっていうのもあるっちゃけど(笑)。けど、僕ら自身叩けばホコリが出るような人間だし、素行だってずっと良かったわけじゃない。
WAKI:そうやね。
FOY:俺たちも自分たちの界隈であいつらみたいな感じだったから、界隈が違ってもちょっと仲間意識を感じちゃうんよね。
WAKI:あー、わかるわかる(笑)。
FOY:しかも、一度ドロップアウトしたとはいえ、俺たちよりみんな人間性とかがマシなわけですよ。でも、界隈が厳しいけん、離れざるを得なかった実力のあるヤツらなんですよ。あまりにもかわいそうだし、もったいないじゃないですか。そいつらがおったら、日本の競技シーンが何か変わっていたかもしれないのに。だから、さっきのFiskerの話じゃないけど、俺はそういう手札は1枚でも多く拾っておきたいんですよ。
WAKI:そうやね。やっぱり才能を潰すのはもったいないですよ。日本が誇れる才能たちを、一つのミスで潰していくみたいなのは、かわいそうだなと思います。
ーー日本の競技シーンは、そういう面においては特に厳正な対処をおこなっていますよね。
FOY:まあでも、こういう発展途上のシーンなので厳しくあることは大事だとも思いますよ。それって当たり前のことなんで。なんですけど、僕らからすると新築は綺麗すぎてちょっと居心地悪いみたいなところもある(笑)。シーンに泥を塗りたいわけじゃないけれど、彼らみたいな才能を失わないためにって考えたら、僕らだからやれることでもあるのかな、とは思いますよ。
「外からの評価は実力があればいくらでもひっくり返る」(DJ FOY)
ーー競技シーンのメンバー募集もされているかと思いますが、そのあたりではいかがでしょう?
FOY:やっぱり僕が一番思ってるのは、選手同士の関係をちゃんと僕たちがサポートして取り持ってあげないとってところですね。
見ての通り、僕らのチームメンバーって、何かしらの“前科持ち”というか、それぞれプライベートやゲーム、配信中の出来事だったりで問題を抱えているんですよ(笑)。でも、そういうなかでこれから入ってくる選手も当然いて、そうじゃない人も入ってくる可能性があるじゃないですか。
そうなったときに、人によって許容できるラインが違うのをどうするかですね。「この人とは一緒に活動できるけれど、この人とはできない」っていうこともあると思うし、それって別に普通のことなんで。そこは、僕らがチームの運営を担う立場として緩衝材になってあげる必要があると思っていますし、一番気を遣わなくちゃいけない部分ですね。
いま声をかけてる、特に問題を起こしていない選手がいるんですけど、「あの、僕NOEZ FOXXに誘われるようなこと何かしましたっけ……?」って言われて(笑)。
WAKI:(笑)。もうすでにイメージがよくない(笑)。
FOY:そうなんよね! だから、冗談で「お前はこれから炎上する」って言っておきました(笑)。
ーー逆に、すでに入られたチームメンバーの方へはどうでしょう?
FOY:そこに関しては、結構しっかりとメンバーみんなに伝えてあって。「お前らは全員、過去に問題がある奴らやけん、強くなかったらいらん。やけん、自分の強さをずっとキープしておけ」って。
これには理由があって。さっき話していたメンバー間のことは、内々のことだからちゃんとやらないといけないし、僕もWAKIも気にかけていくつもりでいます。でも、外からの評価は実力があればいくらでもひっくり返るし、それをRepezen Foxxはずっとやってきました。
それこそ、社長(DJ社長)だって、去年の年末ごろは世間からボロクソに言われとったけど、結局今は「やっぱり社長はすごい」みたいな評価に変わってるんですよ。結果さえ出しておけば、周りの人たちはすぐ変わる。
ーーたしかに、『VALORANT Challengers Japan』にFisker選手が出場したときも最初は「あ……」とか「まずい」とかコメントがたくさんされていましたけれど、最終的には「やっぱFiskerすげえ!」みたいに変わっていましたね。
FOY:そうそう! 結局そうなるじゃないですか。競技シーンって、強かったらカッコいいんですよ。過去に問題を起こしていても、日本を代表して戦ってる選手はカッコよく映るんですよ。俺は見とってそう思うし、選手にもそういうことをちゃんと伝えないといけないから、「強いことが一番大事」っていうのは一番最初に伝えましたね。
だって、「五条悟」(※)が弱かったらただのウザいやつじゃないですか(笑)。強いから、性格も含めて「個性」として見てもらえる、カッコいいって思わせてしまうんですよ。
【※五条悟:漫画『呪術廻戦』の登場キャラクター。自他ともに認める性格に難のある人物だが、高い実力を備えているためファンからの人気を集める】
ーーサッカー選手のイブラヒモビッチのようですね。すごくチームのカラーが見えてきました。いまDJ社長のお名前が出ましたが、Repezenメンバーからはどのような反応がありましたか?
FOY:なんかでも、意外ともう「ゲーム、eスポーツ界隈がすごい」ってことにメンバーも社長も気付いてて。
WAKI:うすうす気付き始めてきたぐらいだったと思います。それでNOEZを発表して、反響を見て「やっぱゲームってすげー!」って。
FOY:そうそう。銀大(DJ Ginta)とかも超わかりやすくて「俺もやろうかな」とか言い出して(笑)。僕らって、わかりやすく数字に正直な男たちなんで。
「ライバルになりたい」 FOYの兄貴分・加藤純一が率いるMURASH GAMINGとの関係
ーー先日は『AIMchair』とのスポンサー締結が発表されましたね。スポンサーからの目線は厳しそうだと思っていたんですが、そのあたりはいかがでしょう?
FOY:一番大変なところではあるんですけど、僕らよりはるかに優秀な裏方に支えられてます(笑)。
WAKI:NOEZには絶対スポンサーつかないだろって言われてましたけど、意外と手応えはあるって感じですね。
FOY:やっぱり、世の中ってなんでも棲み分けがされてるみたいで、いったらディープウェブみたいな企業がいるんですよ(笑)。みんなが普段見ているような大手企業じゃないところでも、応援してくれているところはたくさんあります。だから、俺たちはディープなメンバーとディープな企業で手を組んでやっていこうかなと(笑)。
WAKI:深いところからやってくるやつね(笑)。
FOY:そう、ふかーいところから、魚介類の戦士みたいな奴らいっぱい連れてね(笑)。
ーーユニフォームが出来上がって、どんなロゴが入っているのか、今から楽しみですね。アパレルなどのグッズ展開もする予定ですか? FOYさんは元々「ラグラブ(Luxury Love)」を手がけていたりもしますよね。
FOY:これはもうWAKIが死ぬほどやります。
WAKI:そうですね。NOEZ FOXXもアパレル展開はやっていこうと思っているんで、今少しづつデザインも考え始めてます。今度の『RAGE VALORANT』にはNOEZ FOXXのブースも出ますし、そこを楽しみにしておいてもらえたら。
FOY:僕はブースの前を通った奴らに無理やり買わせます(笑)。
ーーチームのカラーでいえば、同じく『RAGE VALORANT』へのブース出店が発表された、加藤純一さんの「MURASH GAMING」と少し似ていますよね。FOYさんの兄貴分でもいらっしゃると思うのですが、差別化みたいなところはなにか意識されていますか?
FOY:「ライバルになりたい」とは言っています。公式大会でも、そうじゃなくても、どんな舞台でもぶつかっていきたいです。絶対楽しいじゃないですか。
そういえばちょうどウチの沖縄とMURASHのmillionが仲悪いから、あいつらは多分将来どこかで激突するんじゃないかな。その時はもうバチバチにやりあってもらって(笑)。そういうライバル関係って、スポーツとかでもあるんで。盛り上がると思いますよ。
ーーそれこそ「◯◯ダービー」みたいな感じで、伝統の一戦になるかもしれませんね。最後に、今後チームにどんな人が入ってきてほしいか、ぜひ教えてください。
FOY:これに関してはもう、どんな人が欲しいとかじゃない。良い人材が燃えてほしい(笑)。
WAKI:もはや炎上待ち(笑)。(炎上する)予定がある人いたら教えてください。
FOY:待っときゃ誰かするんで。炎上したら、僕らすぐやってきますよ。「ねえねえ、どおー? チームから怒られてなーい?」って(笑)。
■NOEZ FOX
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