令和の恋愛リアリティーショー に「ロマンス」が求められるわけ 炎上沙汰に疲れた視聴者の“心の穴”を埋める『オオカミ』の革新

令和の恋リア に「ロマンス」が求められるわけ

令和の恋リアに求められる「社会的意義」

Is She The Wolf. (L to R) Sakurako Okubo, Tomoki Yonemura in Is She The Wolf. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

 誰しも、友人の恋が成就すれば嬉しいものだ。結局、長く周囲に愛されるのは「応援したくなるような恋」「応援したくなるような純粋な人」だ。突き詰めれば『オオカミ』のストーリーに台本があったとしても、そのストーリーが美しければ、出演者も作品内の恋も受け入れられる。

 『ラブ・トランジット』(Amazon Prime Video)や『あいの里』(Netflix)など、2023年に注目された恋リアにはどれも「ロマンス性」があった。人気シリーズとして設定を確率していた『オオカミ』の革新は、恋リアそのものの変革を決定づけた。これは、恋愛をして生きていく私たちの今後にも、多大な影響を及ぼすだろう。

 SNSに溢れる「リアルすぎて憧れない恋愛」は、私たちの恋愛意欲を抑制する。しかし、ロマンスに溢れるエンタメ作品で恋愛を摂取すれば、私たちの恋愛意欲は促進する。もちろん、ドラマや映画でも代替できるのだが、そこにはやはり、恋リアというジャンルが生む「憧れやすさ」が生きる。

 ヒューマンドラマ要素が強まった2023年の恋リアは、大人世代の視聴者を増やしたと見られている。しかし、今後も恋リアは若者にも注目されていくだろう。不景気が続き、必要以上に現実性を求められる社会で進む晩婚化や恋愛離れ。若者が憧れる恋愛を魅せてくれる恋リアには、大きな社会的意義がある。この流れが、今後も続いていくことを望みたい。

なぜ人は恋愛リアリティショーについて語り合いたくなるのか? 楽しいだけじゃない、誰かと見ることで本当に得られるものとは

2023年、恋愛リアリティショー(以下、恋リア)に「変革」が訪れている。既存シリーズにも「共感性」を重視した要素が追加され、これ…

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