視聴者仰天の神業連発ーー目隠しで『ゼルダBotW』や『ときメモ』クリアなど『RTA in Japan Summer 2023』を彩った4種目を紹介

広大なハイラルを目隠しという狂気的な縛りで進む『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』

 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、『ゼルダの伝説 BotW』)は、「ゼルダの伝説」シリーズとなるオープンワールドの要素を取り入れたアクションアドベンチャー。広大なハイラルの大地を舞台に、厄災ガノンと戦う主人公リンクの姿が描かれた。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

 今回のレギュレーションは「目隠し」のAny%。視界を塞いだまま、ラスボスの厄災ガノンをとにかく速く倒すのが目的だ。アイマスクを付けた走者のBubzia氏は、計測が始まると「シーカーストーン」という端末を手に入れて、吸い込まれるように専用の機器まで到達した。

 解説のまりあな氏によると、目隠しRTAのカギとなるのは移動量と移動方向の固定化にある。Bubzia氏も、実際に決まった動きと方向を徹底しており、そこから目的地とリンクの位置や歩数などを計測しているようだ。どこへ行くにも、どのような方法で何歩進むのかが緻密に決められている。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

 前方へ9歩、右へ13歩……という具合に、Bubzia氏はジャンプとダッシュを駆使して始まりの台地を巡る。決められた歩数と移動方法を守りながら、走者がアイマスクをしているのを忘れそうなほどの精度で崖や壁、丘や集落跡などを駆け抜けていった。この間のリンクはほぼ裸なので、防御力はもちろん皆無なのだが、敵の間を通り抜けるのもスムーズで、まるでプレッシャーも感じさせない。

 始まりの台地で必要なアイテムを集めた後は、ラスボスと戦うための防具などを回収しながら目的地のハイラル城へ。道中で馬のエポナをamiiboで呼んでからは一気に加速。ふたつのバクダンを使った「ウインドボム」というRTAの技で上空へ一瞬で飛び上がり、パラセールで滑空していく。

 道中、ガーディアンという敵のビーム攻撃をうまく跳ね返せずやられてしまうも、2度目で成功。その後、4体のカースガノンというボスとの連戦になったが、攻撃判定を連続で発生させる技で最初の1体を瞬殺する。そして、それまでに集めてきた武器を出し切る形で3体のカースガノンも撃破。地下にいる厄災ガノン戦では、盾がひとつだけになったり行動が噛み合わなかったりと窮地に陥るシーンもあったが、第2形態まで無事クリア。平原での最後の戦いもこなし、今回の種目をやり遂げた。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

 今回の挑戦では、まりあな氏による解説が分かりやすかったのもポイント。本人が今回のレギュレーションにおける世界最高レベルの走者であるためか、知識量も豊富で、そもそも『ゼルダの伝説 BotW』はどういった作品なのか、目隠しRTAを可能としたテクニック、Bubzia氏の動きの特徴や理由といった情報をしっかり押さえていた。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - RTA in Japan Summer 2023

目を隠しながら藤崎詩織と結ばれる『ときめきメモリアル~forever with you~』

 本作は、コナミから発売されている恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」シリーズ第1作のPS移植版。プレイヤーは私立きらめき高校の学生として学校生活を送るかたわら、伝説の樹の下で幼なじみの藤崎詩織から告白されることを目指す。

ときめきメモリアル~forever with you~

 本種目のレギュレーションは、目を隠しながらプレイし、最終的に詩織と結ばれるというもの。本来会話を読み進めていく恋愛シミュレーションゲームで、音と記憶を頼りにゴールを目指す。計測が始まると、まずは主人公と詩織のプロフィールを入力するシーンへ。走者のKazupoon氏はリズムを取りながら、ふたりの誕生日や血液型を決めていく。

 目が見えない状態で入力するのはかなりの技術が要るようで、本人いわく、ここが最難関らしい。決まったプロフィールを入力できないと、イベントの発生タイミングやふたりの相性などが変わり、最悪詰んでしまうようだ。主人公を3月5日のB型、藤崎詩織を3月10日のB型に設定すると、学校生活が始まった。

 睡眠を選んでパラメーターを抑えてヒロインの登場を避けつつも、体育祭などの行事が近いと適宜運動や勉強を組み込んでカバーするなど、スムーズにゲームを進めていく。二人三脚であえて最下位になって好感度を調節し、バレンタインのチョコをもらわずに済ませることで時間を短縮するというテクニックも飛び出した。

ときめきメモリアル~forever with you~

 時間短縮のため詩織の下校の誘いを断り続けながら、芸術や運動といった各種行動を通してパラメーターを順調に伸ばしていく。ちなみに、詩織の「あっ」というセリフが聞こえた瞬間に下を入力することで、下校時の誘いはすぐに断れるらしい。

 時おりイベントのタイミングが狂うシーンもあったが、焦らずしっかりとリカバリー。今回の舞台となる1995~97年のカレンダーを完全に記憶していることもあってか、目を隠しているのを忘れるくらいの高精度で各種イベントをこなし、2年生、3年生に進級した後も順調なペースで進めていった。

ときめきメモリアル~forever with you~

 そして迎えた卒業式では、無事に詩織から告白される。告白シーンでは、Kazupoon氏による主人公と詩織のセリフに対するアテレコも行われ、大盛り上がりのうちに計測は終了。記録は1時間57秒だった。

ときめきメモリアル~forever with you~ - RTA in Japan Summer 2023

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