手のひらサイズの“究極小型ゲーム機 ” 圧倒的冷却性能のゲーミングスマホ『ROG Phone 7』シリーズにはどんなゲームも任せられる!

 台湾に拠点を置く電子機器メーカーASUSTeK Computer(ASUS)から、ゲーミングスマートフォン『ROG Phone 7』が登場した。グローバル版は2023年4月に、日本向け版は7月に発売。ASUSのゲーミングブランドであるROG(Republic of Gamers)の名を冠するだけあり、このスマホはスマホゲームをするうえでどこまで深い体験を得られるかに終始している。

 ラインナップは『ROG Phone 7』と、上位モデルにあたる『ROG Phone 7 Ultimate』の2機種で、今回は『ROG Phone 7 Ultimate』のレビューをお届けする。

ハイエンドスマホに申し分ないスペック

 スマホ本体は、このような独特な形状の箱にパッケージングされている。開封前からワクワク感を煽ってくる素敵な演出だ。
 同梱物は、スマホ本体、電源アダプター、ケーブル、スマホケース、外付けクーラー、クーラー収納ポーチ、SIMカード取り出しピン。外付けクーラーについては後半で詳しく解説する。
 『ROG Phone 7 Ultimate』の画面サイズは、約6.78インチの1,080px×2,448px。最大リフレッシュレートは165Hzと非常に高く、目まぐるしく変化するゲーム画面であっても素早く表示してくれる。スマホの処理性能を決定づけるSoCには、「Snapdragon 8 Gen 2」を採用。バッテリーは6,000mAhと非常に大きい。
 背面には横長の小窓のようなディスプレイ「ROG Vision」が見える。充電時や起動時など、様々なタイミングでアニメーションを表示することができ、ユーザーが自作することも可能だ。撮影した写真をアニメーション風にすることもできて、非常に楽しめる。
 底面には充電のためのUSB Type-C端子と、有線イヤホンを繋ぐためのヘッドホン端子がある。有線イヤホンは音質や遅延の面でワイヤレスイヤホンに勝る部分があり、こだわりたい人には嬉しい要素だ。有線の場合、最大384kHz/32-bitのハイレゾ再生ができ、ワイヤレスでもSnapdragon Sound認定を受けているためaptX Lossless Audioによる再生が可能だ。


 特徴的な要素として、本体の側面にもType-C端子が備わっている。スマホを横に持ってゲームをする場合、底面のType-C端子から充電しているとケーブルと指が干渉してしまうが、側面から充電すればケーブルとの干渉も防げるというわけだ。また、この側面のType-C端子はほかにも用途がある。それが外付けクーラーとの接続だ。

もはやPCを思わせる、圧倒的な冷却性能 

 『ROG Phone 7 Ultimate』には、こちらの外付けクーラー「AeroActive Cooler 7」が同梱されている。クーラーをスマホに取り付けることで温度の上昇を防ぐねらいだ。スマホは高い負荷がかかると、本体の温度が高くなる性質をもつ。

 これはSoCが高い処理性能を発揮しているためだが、放っておくとその温度は50度や60度にもなり、手で持てないレベルにも達する。SoC自身も熱によってダメージを受けてしまうため、スマホやPCは様々な方法でSoCの温度を下げようとするのが一般的だ。温度を下げるための冷却システムにおいて、『ROG Phone 7 Ultimate』は尋常ではないレベルでこだわっている。以下の公式動画がわかりやすいだろう。

 
 「GameCool 7」という冷却システムを搭載し、3つの方法から冷却アプローチをとっている。ひとつは、SoCの熱を効率的に分散させる「ラピッドサイクルベイパーチャンバー」。もうひとつは高熱伝導シートの「グラファイトシート」。そして最後のひとつが、外付けクーラーとなる「AeroActive Cooler 7」だ。

 クーラーの内側にはUSB Type-C端子が備わっている。これをスマホ側面のType-C端子に接続すると……。

 このように合体する。一般的なスマホスタンドのようにただ取り付けているだけでなく、USBで接続しているため、もはやスマホと一体となって操作することができる。

 面白いのは、クーラーとスマホを接続させるとスマホ背面のカバーが一部開き、内部のベイパーチャンバーを直接空冷させることができる機能「AeroActive Portal」だ。いまだかつて、本体そのものを開くことで冷却するスマホがあっただろうか?

 ここが開閉する部分になる。クーラーを取り付けていない場合はしっかりと閉じられているが……。

 クーラーを取り付けると(目では見えないが)背面が開き、クーラーの冷却をダイレクトに受けることができる。ちなみに、クーラー側にもType-C端子やヘッドホン端子が備わっている。

 実際に、スマホゲームの『原神』を、クーラーがある状態とそうでない状態でプレイし、本体の発熱具合を確かめてみた。クーラーがない場合はそれなりに熱を感じるが、クーラーを装着するとほとんど熱を感じなかった。持ち方にも違いは出ているが、冷却の効果は確実に出ているだろう。

 このクーラーには物理トリガーも搭載されており、いわゆるLRトリガーとして使うこともできる。さらにスマホ本体の側面には超音波タッチセンサーもあるため、LRトリガーは各3つまで使うことができる。
 どのボタンをどのような用途に振り分けるかは、設定ソフト「Armoury Crate」内で細かくカスタムが可能。たとえばタッチセンサーは攻撃ボタンに、クーラーのトリガーはスキルボタンやマップ表示に振り分けるといったことも可能だ。それぞれのボタンは振動を返してくれるため、かなり物理コントローラーに近い体験が得られる。

 「Armoury Crate」ではスマホのパフォーマンスレベルや、クーラーの強度も設定可能だ。さらに市販のBluetoothゲームパッドを接続してボタンを割り当てることもできるため、コンシューマーゲームをプレイする感覚で遊ぶこともできる。

 最後にカメラ性能を簡単にチェックしてみよう。アウトカメラは標準+広角+マクロのトリプルレンズ構成となっている。逆光にはやや弱いが、ボケ感などはしっかり描けている。

冷却がもたらす、深いレベルでのゲーム体験

 『ROG Phone 7 Ultimate』は、とにかく「AeroActive Cooler 7」との組み合わせが強力なスマホだ。記事執筆時点で「AeroActive Cooler 7」単体販売の予定はないため、このパワフルなスマホの真価を味わいたければ『ROG Phone 7 Ultimate』を選ぶべきだろう。

 また、クーラーはスマホスタンドの代わりにもなり、さらにサブウーファーを内蔵しているためサウンドもパワフルだ。つまり動画視聴にもうってつけといえる。なお『ROG Phone 7』の価格は、12万9800円〜。『ROG Phone 7 Ultimate』の価格は、17万9800円となっている。

 ゲームや動画など、あらゆるエンタメをじっくり味わえるスマホ。それが『ROG Phone 7 Ultimate』だ。ASUSはノートPCなどでも冷却システムに力を入れているが、スマホだからといって一切妥協がないことがおわかりいただけただろう。

---------------------------
○参考情報
https://rog.asus.com/jp/phones/rog-phone-7-ultimate/
https://rog.asus.com/jp/phones/rog-phone-7/

Galaxyから折りたたみスマホ『Galaxy Z Fold5』『Galaxy Z Flip5』など発表 隙間なく折りたため、コンパクトでより持ち運びやすく

Samsungは7月26日、韓国で開催した「Galaxy Unpacked」にて、新型折りたたみ端末『Galaxy Z Fold…

関連記事