視聴者を魅了した「VCR GTA」の筋書きなき展開 大盛況のイベントで生まれた反省と期待
ゲーミングコミュニティ「VAULTROOM」とプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」が主催するゲームイベント「VCR GTA」。7月18日20時からスタートすると、7月30日未明にかけて人気配信者が次々と参加し、大きな注目を集めることになった。
今回は大盛り上がりとなった「VCR GTA」について、採用タイトルの『グランド・セフト・オートV(GTAV)』の基礎知識から、イベントの見どころとなった部分、おもしろさの理由を探っていく。
「VCR GTA」について知る前に...…『グランド・セフト・オートV』と『ストグラ』について
『GTAV』は、2013年に発売されたオープンワールド型クライムアクションゲームであり、2023年現在、世界で歴代2位となる約1億8000万本を売り上げたゲームソフトだ(1位は『Minecraft』)。
アメリカ・ロサンゼルスをモデルにした架空の都市・ロスサントスを舞台にした今作は、開放的で陽気な天候だけじゃなく、随所でアメリカのカルチャーが挿入されている。「VCR GTA」ではたくさんのアップデートとMODが加わっており、ファンによっては発売開始時とはだいぶ様変わりしている印象を持つだろう。
今回の「VCR GTA」関係の配信を通じ、朝焼け・夕焼け・都心の夜景に思わずウットリとさせられるリスナーも多かったはず。シェーダーやライティングは現在のゲームファンが見ても見劣りしないレベルであるが、実はこのゲームは10年ほど前にリリースされた作品だ。
オンラインモード『グランド・セフト・オート:オンライン』は現在でもアップデートが続いており、最初期にはなかったさまざまな役職・アトラクション・乗り物・食べ物・服装などが備えられ、一目でその奥深さが理解できるレベル。とはいえチートを使用したプレイヤーが非常に多く、罵詈雑言が飛び交うような側面もある。
『GTAV』の特徴は何といっても"犯罪行為がメインである"ことだ。
単純な暴力に始まり、ひき逃げ、誘拐、カージャック、ハイジャック、銀行や宝石店への強盗、そして殺人と、犯罪行為は現実のソレと同じく多種多様だ。
ゲームの主人公といえば正義・善人性・ヒーローといったイメージを背負うことが多いが、本作では卑劣かつ下劣な悪人性がプレイヤーに背負わされることになる。"クライムアクションゲーム"という触れ込みは間違いなくここが起因となっている。
今回スタートした「VCR GTA」だが、前提として以前よりサーバーを立ててロールプレイを楽しむ配信者専用サーバー「ストグラ」があったことは記すべきだろう。
2022年8月末からスタートし、現在まで運営されている「ストグラ」では、実際に活動している名義とは別人になりきって活動することが勧められており、今回のイベントにも参加しているGo Tsukishimaを始めとして、にじさんじの静凜や渋谷ハジメ、日ノ森あんずや聖女れりあといった面々や、ジワジワと人気を集めつつあるアモアス部の創設者である神宮寺、声優の宮村優子も複数のキャラクターで参加していた。
今回サポート役として加わっていたまんさやや二十日ネルの2人も「ストグラ」に参加しており、「ストグラ」のサーバーを提供しているしょぼすけが「VCR GTA」に協力している点からみても、「ストグラ」と「VCR GTA」が地続きとなっていることが伝わってくるはずだ。