ポケモンのやり込みで睡眠不足だったのに、ポケモンのために早く寝るようにーー『Pokémon Sleep』が提示した"生活習慣改善”の予感

 睡眠ゲームアプリ『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』が、7月20日よりiOS/Androidでリリースされた。『Pokémon Sleep』は、夜に睡眠計測を行い翌朝にポケモンたちの寝顔をリサーチするという「睡眠」をキーワードにした株式会社ポケモンの新作ゲームアプリだ。ユーザーは良い睡眠をするほどポケモンとの出会いや寝顔の発見につながり、ゲームを通して睡眠習慣を可視化して、見直すことができる。また、日中はカビゴンを育てることで睡眠以外の時間にゲームを楽しむことも。集めたポケモンのレベルを上げたり、カビゴンに料理を食べさせたりするなど、これまでの『ポケットモンスター』が好きだった人にはもってこいのアプリだろう。

ポケモンたちが集まってくる

 今回筆者は、リリースの1日前の19日からアプリを先行プレイして、実際の睡眠の記録をとってみた。そこでは、これまでの生活で知ることのできなかった驚きの結果に気づくことになる。本記事では実際のアプリの使用感や、ゲームの攻略について感じたことをレポートしたい。

 『Pokémon Sleep』は、アプリを起動したままスマホを裏返して使うことで睡眠を計測する。布団やベッドなど柔らかいところに置いて使用することが推奨されていることから、ベッドの微弱な振動や、睡眠中の音を感知することで睡眠を計測しているのだと推測した。筆者もこれに習い枕もとで3日間の計測を行ったが、どの結果も入眠時間、起床時間ともほぼ正確だった。特に驚いたのは、「ねむる」ボタンを押した後に同居人とおしゃべりをしていて30分ほど経過した日、翌日の睡眠データにはおしゃべりの時間を飛ばして入眠にかかった時間のみが反映されていたことだ。さらに起床も「計測を終了する」ボタンより前に目覚めていた場合には、ボタンを押した時間ではなく実際の起床時間が睡眠データに反映されている。これらにより筆者は自分が想像していたよりも睡眠時間が短かったことが発覚。身体の不調が睡眠不足の日と重なることもわかり、体調管理の面でも非常に役立っている。

睡眠時間の記録を閲覧可能

 『Pokémon Sleep』の魅力はそのゲーム性だ。かわいらしいポケモンの寝顔を集めたい一心で、早く寝ようという意識が働く。毎晩「ねむりの約束」として寝る時間をピカチュウと約束しているため、それまでになんとかベッドに入ろうと努力するようになる。ゲームで目標とされている8時間半以上の睡眠は正確に記録できるからこそごまかしようがない。必然的に健康的な生活を送り、睡眠リズムを整えることが『Pokémon Sleep』攻略の最大の近道となるのだ。『ポケモンGO』で街に出て、程よい疲れの中『Pokémon Sleep』を使うことで健康が保たれるカラクリに脱帽した。ちなみに、ねむりの約束を守れると「ごほうびスタンプカード」からボーナスがもらえる。

睡眠の詳細を知ることができる

 やり込み度が充実している点もアプリの面白さだろう。ポケモンの種類も、寝顔も、きのみや食材の種類も、簡単にはコンプリートできない数になっている。筆者はポケモンを捕まえるのが毎朝の楽しみになっており、起きたらすぐにスマホをチェックして操作するようになった。ゲームを進めるために一度は起きなければならないため、そのままウトウトしてしまうことも減ったように感じる。起床時のアラームは『Pokémon Sleep』にも搭載されているし、スマホの「時計」アプリのアラームも鳴ってくれるため、寝過ごすこともない。コンプリートには継続して良い睡眠を目指さなければならないため、生活習慣自体が改善されそうだ。

 カビゴンの育成では、日中、定期的にカビゴンのまわりにいるおてつだいポケモンからきのみや食材を入手することができる。入手できるきのみや食材はポケモンによっても違い、最大所持数と次のお手伝いまでの時間もポケモンごとに異なるため、目的に合わせたチーム編成が必要だ。カビゴンを効率よく育てるのか、新たなレシピの発見か、はたまたお気に入りのポケモンでおてつだいチームを編成するのか、ここには本来の『ポケットモンスター』シリーズのパーティのように個性が出そうだ。

カビゴンの育成にも個性が出る

 客観的に睡眠を見ることで、筆者は睡眠への考え方が大きく変化した。心当たりなく元気が出ない日は、実はぐっすり眠れていなかった日だと分かり、改善のために入浴時間を早めるなど早寝を心がけるようになった。かつてポケモンのやりすぎで睡眠不足だった筆者が、ポケモンのために早く寝るようになるとは思ってもいなかった。だが『Pokémon Sleep』をきっかけに、睡眠の質はもちろん生活習慣まで大きく改善できる予感がしており、やり込むメリットを感じている。

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※画面は開発中のものです

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