『Pokémon Sleep』に感じた“強み”と“課題” 可処分時間への新たなアプローチは成功するか?

『Pokémon Sleep』の“強み”と“課題”

 7月20日、「ポケットモンスター」シリーズの新作スマートフォンアプリ『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』が日本国内でサービス開始を迎えた。

 『Pokémon Sleep』とはいったいどのようなゲームなのか。概要、インプレッションから課題と強みを考える。

睡眠を通じてポケモンと出会い、ふれあう。「ポケモン」の新作アプリ『Pokémon Sleep』

【公式】『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』使い方の紹介

 『Pokémon Sleep』は、睡眠がポケモンたちとの接点になるモバイルゲームだ。プレイヤーは同アプリを起動した状態のスマートフォンを枕元に置いたまま就寝することで、睡眠の質・時間などを計測できる。『Pokémon Sleep』では、そうしたデータを「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」「特徴なし」の4タイプに分類。同様の睡眠傾向を持つポケモンたちとの出会いやふれあいを創出する。各ポケモンには、複数の寝顔が用意されている。これらの収集もまた、同アプリのゲーム性だ。

 『Pokémon Sleep』の存在が明らかとなったのは、2019年9月のこと。株式会社ポケモンの石原恒和社長は発表当時、同アプリの制作を「睡眠のエンターテインメント化」と位置づけ、「シリーズの新たなチャレンジ」としていた。しかし、当初2020年内に予定されていたリリース日は延期され、その後は一切の続報がない状態に。開発中止も噂されるなか、2023年2月に再度リリース時期が発表され、今回ようやくその日を迎えた形だ。

 対応プラットフォームは、AndroidとiOS。基本プレイは無料(アイテム課金制)となっている。

「チュートリアルが終わらない」睡眠をテーマにしたタイトルならではのムーブメント

 「睡眠」という私たちの生活にとってなくてはならない行動をテーマにした『Pokémon Sleep』。SNS上にはリリース直後から「チュートリアルが終わらない」の声が相次いだ。

 これは同項目内に「実際に眠ってみる」というステップが用意されていたことを受けてのもの。『Pokémon Sleep』では、連続した1時間半以上の睡眠を「睡眠」としてカウントするため、サービスが開始となった平日の日中では多くの人がクリアに必要な条件を満たせず、それ以降の段階に進めなかったようだ。期待に胸を膨らませ、早々に遊んでみた人の多くがチュートリアルでつまづく結果となってしまった。

 しかしながら、こうした話題性は『Pokémon Sleep』のスタートダッシュに追い風として作用したかもしれない。Twitterのトレンドでは、毎朝「ポケモンスリープ」というワードのツイート数が増加するという、ゲーム性ならではの動向も見えてきている。

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