連載「YouTube with her」第二回:菊地亜美

菊地亜美「ママタレントになるつもりはなかった」 それでも子育てYouTubeを始めた理由とは

 コロナ禍をきっかけに、一気に増加した女性芸能人のYouTubeチャンネル。テレビ出演を本業とする彼女たちでも、YouTubeではまた別の魅力を発揮しており、パブリックイメージとは異なる面を楽しむことができる。

 YouTube配信に力を入れている女性芸能人に、動画投稿を始めたきっかけや今後の展望について聞く連載企画「YouTube with her」。

 第2回には、2019年に開設された『あみちゃんねる』にて、子育ての様子を赤裸々に発信している菊地亜美を迎えた。

 2023年7月現在、登録者数16万人を超える同チャンネルは、彼女と同じく子育てをする視聴者から支持。特に、包み隠さずに痛みを表現した「【出産レポ】陣痛開始から誕生まで!30時間出産を語り尽くす【初産】」は159万回再生されるほどのヒットを生んだ。

 動画を通すと、自然体に家族の睦まじい姿を発信しているように見える一方、子どもを登場させるのに気をつけていることや、ぶらしたくない軸がいくつかあるという。彼女のキャリアと合わせて話を聞いた。

ドッキリ企画から「子育て動画」に方向転換した理由

ーーコロナ禍に入る前、2019年にYouTubeを解説した菊地さん。なぜYouTubeを始めようと思ったのでしょう?

菊地亜美

菊地亜美(以下、菊地)事務所の方に「やってみない?」「いま、開設しておいた方がいいんじゃない?」と言われたのがきっかけでした。でも私、YouTubeを観る習慣が全然なかったのでわからなくて。「テレビの仕事やSNSにプラスして、まだやるの?!」って、あまり前向きではなかったんです。

ーーそうだったんですね。いまでこそ、子育てにまつわる発信をされてらっしゃいますが、最初はドッキリ動画などバラエティ性の高い動画をアップされていましたよね。

菊地:はい。ドッキリをかけられるとか、大食い企画とか、あんまりテレビと変わらない内容が多かったと思います。テレビよりはもっと自由にできるくらいのイメージで。楽しいのは楽しいんですけど、「菊地亜美ってこんなイメージだよね」みたいな感じでやっていました。

ーーそこからプライベートを発信する内容に方向転換したのは、なぜだったのでしょう?

菊地:YouTubeで妊娠発表をしたことがきっかけです。本来、妊娠9〜10カ月ぐらいまでは、がっつり働こうと思ってたんです。でも、妊娠5カ月くらいのタイミングで緊急事態宣言が発令されて、家にいることが増えたんですね。

 そのときやっていたのって、妊婦健診に行くことと、まだ見ぬ子どものベビー用品をそろえることぐらい。 “おうち時間”を動画にするには……と考えたときに、YouTubeで妊娠発表をすることにしました。

ご報告。

ーーテレビやSNSなどで報告する著名人の方も多いですが、なぜYouTubeだったんでしょう?

菊地:「テレビで言うほどのことでもないな」と思ったんです。ちょっと自分よがりになっちゃうというか、共演者の方の口を止めてまで聞いてほしいものでもないなと。そう考えたときに、自分のチャンネルなら「すみません、ちょっと聞いてください」っていうテンションで投稿できるかなと思ったんです。

ーーなるほど。視聴者の方からは、どのような反応がありましたか?

菊地:プライベートな部分や、テレビでは観られない“菊地亜美”に、好意的な声が多くありました。「いままでわざわざスタジオを借りて大食いとかしていたのに、こんな家の一角でただしゃべっているだけのほうが喜んでくれるの?」ってびっくりしたのを覚えています(笑)。

 そのことに気づいてからは、企画を考えて全力でがんばって撮影するというよりも、家で撮りたいときに撮って動画にするようになりました。気持ち的にも楽になりましたね。

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