トム・クルーズ、ストライキ中の“矛盾”した行動で賛否 生成AI使用問題で沸くハリウッド、『ミッション:インポッシブル』はどうなる?
俳優のトム・クルーズが主演する最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の封切りが注目されているが、その裏ではAIをめぐりSAG-AFTRA(映画俳優組合-米国テレビ・ラジオ芸能人組合)とAMPTP(映画テレビ製作者同盟)の交渉が決裂し、43年ぶりのストライキに突入した。米脚本家組合(WGA)と合わせたダブルでのストライキは実に63年ぶりという異常事態だ。
その歴史的な出来事の直前にトム・クルーズはコロナ禍以降の劇場の窮状を理由に、ストライキ中も映画の宣伝を行えるように組合に要請していたと「The Hollywood Reporter」は伝えている。
2024年には『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』の公開も控えており、自らスタントを行う作品を是が非でも成功に導きたいトム・クルーズ。しかしSAG-AFTRAの現在のストライキ規定では、作業停止中は「ストライキされた仕事やストライキされた企業の大会、インタビュー、ツアー、ソーシャルメディアを通じたプロモーション」などの宣伝は明示的に禁止している。トム・クルーズの要請を認めてしまえば矛盾が生じてしまうのだ。意見は真っ向から対立し、緊迫した雰囲気に包まれたという。
この件について「CNN」が確認を試みたところ、SAG-AFTRAとトム・クルーズ双方ともコメントを拒否したという。
また、AIの存在も大きな争点となっている。AMPTPが「俳優のデジタル上のらしさを保護する画期的なAI提案」を行ったことに対し、SAG-AFTRAは、スタジオがAIを利用して、公正な報酬の俳優の仕事を奪おうとしていると主張。しかしトム・クルーズは、今年初めにTikTok上でAIアーティストが作成したディープフェイクに登場しているのだ。
SAG-AFTRAのフラン・ドレシャー会長は「私たちは皆、機械に取って代わられる危険にさらされる」と述べ、組合と映画スタジオが誰にとっても有効なAIの方針を打ち出すことができなければ俳優たちは窮地に陥ると強調。
映画の担い手同士の対立が長引き、作品が観られなくなるのは視聴者にとっても悲劇だ。今後は、組合の条件を呑む映画スタジオと、AIをフル活用する新たな映画分野に分化していく可能性もあるだろう。
そんな過渡期に「ストライキ中なのに宣伝する」という、どちらつかずの“空中戦”を試みたトム・クルーズ。『ミッション:インポッシブル』シリーズの製作の舞台の裏でも体を張って「不可能な任務」をしていたようだ。
(source)
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/tom-cruise-lobbied-studios-sag-aftra-stunt-ai-1235538456/
https://edition.cnn.com/2023/07/18/business/tom-cruise-negotiated-ai-with-hollywood-studios-before-actors-strike/index.html
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