ダイソンから2機種の掃除機が登場。 初の水拭きモデル&最新モーター搭載の最強モデル

ダイソンから最強モデルの掃除機が2機種登場

 コードレス掃除機でおなじみのDyson(ダイソン)から、日本向けの新製品が2機種発表された。TOP画像の右側が『Dyson V12s Detect Slim Submarine™』で、左側が『Dyson Gen5detect Absolute』だ。それぞれ紹介していく。

ダイソン初の水拭き掃除機は、ヘッド完結型

 『Dyson V12s Detect Slim Submarine™』は、現在発売されている「V12」シリーズの派生モデル。水拭き可能な新しいヘッド『Submarine™ウェットローラーヘッド』を搭載していることが最大の特徴だ。ダイソンにとっては初の水拭き可能なコードレス掃除機となる。

 こちらがスタンドに収まった状態の「Submarine™ウェットローラーヘッド」。ヘッド単体での発売予定はなく、かつ「Submarine™ウェットローラーヘッド」はV12sにしか対応していないため、既存のV12での使用はできない。
 ヘッド本体に300mlの給水タンクがあり、最大110㎡(約110畳分)の床面掃除が可能。タンクからは毎分18mlの水が正確に給水され、ウェットローラーを適度に湿らせてくれる。ヘッドは毎分900回転も回っており、常にきれいな水で床を磨けるのが特徴だ。
 その性能を見ていただこう。フローリングに描かれた落書きを「Submarine™ウェットローラーヘッド」で掃除すると......。
 この通り、すっかりきれいに拭き取れてしまう。本来なら雑巾などの拭き掃除が必要な場面も、ダイソンの掃除機で対応できるようになったのだ。
 床面の汚れだけでなく、こうした汚水の掃除も可能。ヘッドが汚れるのではないかと不安になるところだが…。
 「Submarine™ウェットローラーヘッド」ならば問題なし。本体には360mlの汚水トレイが内蔵されており、ウェットローラーが拭き取った水は本体側に交じることなく処理される。ヘッドは掃除機に付いているクリアビンとは完全に独立しており、給水や汚水処理といったすべての工程がヘッド内で完結するよう設計されている。
 汚水処理の要となるのが、こちらのスクレイパー。ローラーを掻き取るように設置されており、床を拭いた水が汚水タンクに収まるようになっている。ヘッドは分解清掃が可能なうえ、ダイソンのヘッドとしては珍しいことにまるまる水洗いが可能だ(端子部分は水洗いNG)。

 ウェットローラーにはマイクロファイバータオルが採用されている。意図の密度や太さも計算されているようで、絶妙のフカフカ感が心地良い。こちらも水洗いや洗剤での清掃が可能。
 実際に使ってみると、ウェットローラーの回転のおかげで前進するように掃除ができた。ただ、乾拭きをしてくれるわけではないので、掃除後はそれなりに床が濡れることになる。これの解決方法として、前進したあとバックするとウェットローラーがいくらか水を拭き上げてくれるという方法を、ダイソンのスタッフから教えてもらった。往復の動きが重要だ。
 近頃は水拭き可能なロボット掃除機なども増えてきたが、ついにダイソンも水拭きという領域に踏み込んできた。ヘッドのメンテナンス性も考慮されており、これがあれば普段からサラサラ床をキープできるようになるだろう。「Dyson V12s Detect Slim Submarine™」の直販価格は、12万1000円。
 「Dyson Gen5detect Absolute」は、新開発のモーターを搭載した、ダイソンにとっての次世代コードレス掃除機だ。はっきり言って、その吸引力には心底驚いた。

 こちらの写真を見てもらいたい。ホコリに見立てた緑の粒を吸い取るというデモだが、かなり深い位置にあるゴミもしっかりと吸い上げている。フローリングの隙間や部屋の角に溜まったホコリも、この吸引力なら強力に吸い上げてくれるだろう。
 もっとも驚いたのがこのデモだ。マットレスに溜まったホコリを想定しており、ホコリに見立てたベビーパウダーを振りまいている。
 この状態からベッドパッドやシーツなど、合計3層もの布を重ねる。さて、「Dyson Gen5detect Absolute」でシーツの上から吸い上げると…。
 掃除機をかけた右側だけ、ベビーパウダーがごっそり吸い取られている! 布の層を貫けるほどの吸引力を持っていることのこれ以上ない証明だ。同じことを自分の家でもやってみたい。
 圧倒的吸引力の要は、新開発のモーター。最新の第5世代Hyperdymiunモーターが搭載され、ダイソン史上もっともパワフルな性能になったという。写真左奥に見えるのが新開発のモーターで、右手前に見えるのは一般的な掃除機に搭載されているモーター。Hyperdymiunモーターは小型でありながらパワフル。
 また、新たにビルトインコンビネーション隙間ノズルが採用されている。「Fluffy Optic™クリーナーヘッド」とスティックを取り外すと、このように細いブラシ付きノズルが使えるようになる。ヘッドの付け替えがいらなくなり、とても便利だ。
 ブラシの奥にはさらに細い隙間ノズルが。パワフルさだけでなく、使い勝手も向上している。
 運転時間は最長70分で、ユーザーインターフェースも改良された。床がきれいになったことをリアルタイムに教えてくれたり、取り除かれた粒子の数を棒グラフで表してくれたりと、ガジェット性も向上している。ちなみに運転時の音量については、実際に使ってみた感じでは歴代モデルとほとんど変わらない(あるいはわずかに静か)だった。静音性も失われていないのは嬉しい。
 あらゆる点が進化した、最新のダイソン「Dyson Gen5detect Absolute」。直販価格は12万1000円となっている。正直、あの吸引力と使い勝手の良さを思うと、決して高すぎない金額だと感じている。

ダイソンのエンジニアに聞く、世界の掃除トレンド


 最後に、ダイソンのフロアケア部門デザインエンジニアリングチームのデザインマネージャーを担当しているアサフ・ウーイ氏に、いくつかの質問をさせてもらった。氏はV6からV11までの新技術の開発に携わっており、センサーやアクチュエーター、ビジョンシステムの開発を指揮してきた。
ーー近年は水拭きができるコードレス掃除機が増えてきました。ダイソンとしては、このような流れをどう見ていますか?
ウーイ氏:ダイソンとしては既にウェット掃除(水拭き)に関する次の製品に取り組んでおり、この流れは拡大していく予定です。ウェット掃除の需要は世界的なトレンドで、例えば中国では55%の割合でウェット掃除のニーズがあります。アメリカやヨーロッパなど、他の地域からの注目も高いジャンルです。
ーー第5世代Hyperdymiunモーターの性能には驚かされました。今後の新しいコードレス掃除機には、このモーターが使われるのでしょうか?
ウーイ氏:今後も第5世代Hyperdymiunモーターは使っていきますが、現状の生産ラインからすると半分程度のモデルが第5世代Hyperdymiunモーターになる予定です。
ーー最後に、第5世代Hyperdymiunモーターの開発において、何か技術革新や発見のようなものがあったのでしょうか?
ウーイ氏:そういったことはありませんでした(笑)。我々は常に研究を続けており、試行錯誤を重ねた上で現在のかたちに行き着いたというのが正直なところです。我々の製品は常にエアワット(AW、いわゆるワット数)を向上させていくことを考えており、例えば同じ第5世代Hyperdymiunモーターを使いつつ、他の機構や部品を見直すことでさらにパワーアップさせることは今後も考えていくつもりです。

■参考情報

https://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/cordless/dyson-v12s-detect-slim-submarine.aspx#
https://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/cordless/dyson-gen5detect.aspx

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