“俳優・藤木直人と毒魚を食べた”古参YouTuberが解散 活動12年で「釣りいろは」が築いた功績とは

 7月2週目、古参釣り系YouTuber・釣りいろはが解散を発表した。活動12年、コツコツと活動を積み重ねてきた釣りいろははなぜ解散を選んだのか。今回は、釣りいろはの解散理由とともに、これまでの功績を振り返ってみたい。

釣りいろはを解散します

 釣りいろはは、佐賀県・長崎県をおもな釣り場として活動する、釣り系YouTuberグループだ。2010年に動画投稿を開始すると、釣りや魚料理動画で人気を獲得。約12年2か月の間で投稿した本数は2750本、チャンネル登録者数は約60.8万人を記録しているほか、俳優・藤木直人が何度も動画に出演するなど、釣り好きの中でも知られたグループだ(2023年7月9日時点)。

 今月4日に投稿した記念すべき2750本目の動画で、「今日をもちまして、解散ということで」と、突然解散を発表した釣りいろは。解散理由についてリーダー・とくさんは、メンバー・かっちゃんが、かねてからの夢であった遊漁船事業を始めることを挙げている。とくさんいわく、もともと会社の事業として遊漁船業を運営する予定だったところ、費用面を理由に断念。「釣りで食っていきたい」と話すかっちゃんがひとりで費用を工面し、個人事業主として遊漁船を始めることになったという。

 もちろん、解散理由はかっちゃんの遊漁船運営だけではない。とくさんは「俺自身がしっかりしていれば……」と後悔ともとれる言葉を発しながら、「いろんなことが重なって」と、会社としてYouTubeを運営している特性上、チャンネルメンバー間の上下関係やさまざまな悩みがあったことを明かしている。

 なお釣りいろはのチャンネルは、今後とくさんがひとりで運営していくとのこと。休みをはさみ、リセットしてから独自の新しい釣り動画を作っていくとしている。そのほかのメンバーに関しては、いっちゃんはほかの場所で働きながら、とくさんのもとで編集を担当。キャップ系チャンネルの開設も計画しているようだ。けいこさんに関しては妊活中ということもあり、釣りいろは加入前に勤務していたポータルサイトやフリーペーパー事業の企業で内部の仕事に戻り、今後もとくさんとは協力していくと説明されている。

 車やカメラの購入もなかなか難しい時期を乗り越え、12年間走り続けてきた釣りいろは。とくさんが「大してバズることなく、ずーっとやってきたよ」と自虐的に話すシーンもあったが、「今までいろはに関係してくださったスタッフの皆さん、今まで支えてくださった視聴者の皆さん、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を何回も口にしているのが印象的だった。

 実は釣りいろはは、前日に公開した動画ではまったく解散のそぶりもなく、この発表は視聴者に大きな衝撃を与えていた。YouTuberグループの解散理由は、再生回数や人気の低迷、ネタの限界をはじめさまざま。今回の釣りいろはの決断はというと、会社ならではの理由もありつつ、メンバーたちがそれぞれの明るい未来に向かって歩みはじめるスタートライン。長年の視聴者たちにとっては少し寂しい終わり方だったかもしれないが、明るいエンディングといえるのではないだろうか。

 では、YouTubeの人気コンテンツである釣り動画を12年以上も第一線で作り続けてきた釣りいろはには、どのような功績があるのか。釣りいろはの1番の功績は、「ハイサイ探偵団」や「釣りよかでしょう。」などとともに、YouTubeで釣り系ジャンルを盛り上げてきたことにある。釣りいろはをきっかけに釣りを始めた視聴者や釣りが好きになったという者、動画の視聴がルーティーンになっていたファンからは、悲しみのコメントとともに、労いと解散を惜しむ声が寄せられていることからも、多くの視聴者から愛されたことがわかる。そして、新たな釣りファンを創出し、釣り人口増加に一役買った点も大きな功績といえるだろう。

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