にじさんじ・フミが放つ“輝き”の名前を知っているか ひたむきな努力と入念な研究が生み出すそれの名は「ドラマ」だ

ほとんどゲームをした経験がなくても“体当たりで努力する”姿勢が愛されるフミ

 本人曰く「ゲーム初心者のため98%下手プレイ」(配信・動画の概要欄より)とのことで、他のにじさんじメンバーのように幼少期からゲームをバリバリにプレイしているわけではないフミ。パソコンを持っていなかったことはお伝えしたと思うが、ゲームを持っていなかったという話題すらも何度となく出てくる。

 そんな彼女が配信した最初のゲームは『Getting Over It with Bennett Foddy』だ。

「これを選んだのは、簡単だと思ったんだよ。ボタンがいらないでしょう? 本当にゲームをやったことがないし」
「PSPの4はね(配信時の発言まま)、にじさんじで活動すると決まってから買ったの」

 このような話しぶりからも、デビュー当初の彼女がいかにゲームに疎かったかが伝わるだろう。

【フミ#5】初ゲーム GettingOverIt【にじさんじ】
【フミ#7】壺耐久 できる気がする【にじさんじ】

 実際、件のタイトルも2度に渡って実況プレイをしたのだが、スタート地点からほとんど進めることができないまま、合計16時間以上に渡って実況プレイしつづけるというとんでもない配信となったのだ。

 初配信から間もなく、緊張からか止めるタイミングを逸しているという点、なによりほぼ休まずに雑談をブッ続けられるというトーク力を持っていたという点、そしてゲームが不得手だからこそリスナーも応援しようと集まっていた点など、さまざまな要因が重なり、ある意味では“伝説的な配信”と評されている。

 にじさんじゲーマーズのようなゲーム上級者・ゲーム好きがデビューしたり、エリー・コニファーやルイス・キャミーのような特定のゲームジャンルに特化したエキスパートが後々になって花開いたりすることが多いにじさんじにおいて、長らく「フミはゲームが苦手・不得手」という印象を拭えないままだった。

 それでもひたむきにゲームに挑戦し続ける彼女の姿は、一種のドラマとして人気を博していく。

 後輩としてデビューした長尾景とのコンビ「フ景罪」などがその良い例だ。元々は『マリオカート8デラックス』を使ったコラボ配信に臨むうえで、フミのゲームスキルを確認した長尾が「本気で忖度しないといけない」と思わず口にし、「視聴者といっしょにフミを上位に食い込ませよう」という突発企画を始めたことで、大きな注目を集め始めたのだ。

【マリカ】生意気な後輩がいるらしい【にじさんじフミ】
【コラボ】【マリオカート8デラックス】勝ったら殺される。あからさまなのも殺られる。。。いい塩梅を見つけるんだ長尾。。。【にじさんじ/長尾景/フミ】

 2020年以降は年末に開催される同大会に向けて「12時間耐久配信」を長尾とともにこなすことが恒例行事となっている。

 フミ・長尾による「フ景罪」のファンにとってみれば、同作品を2人がプレイするだけでも感慨深くなりそうなものだが、その期待をさらに上回る結果を残したこともある。

 2021年12月19日に開催された『第4回マリカにじさんじ杯』では、フミが準決勝まで、長尾が決勝で2位まで登りつめる結果に。自身のゲームにまつわるネガティブな視線、「フミがゲームが下手」というレッテルを一蹴するどころか、ファンへの想いに応える形で好走を見せたのだ。

 その後、2023年11月19日~20日に開催された『にじさんじ遊戯王マスターデュエル祭2022』には星川、山神とともに同期3人で出場。

 師匠枠として参加したオリバー・エバンスの指南を受けてプレイスキルをあげつづけ、大会後も『遊戯王 マスターデュエル』を配信内外で遊ぶなど、立派な“決闘者(デュエリスト)”へと成長した。

 にじさんじ初の『遊戯王』の大会だったが、同作をほとんどプレイしたことのなかったフミを含め、「織姫星」3人の成長に大きな注目があつまり、何より3人とも『遊戯王』にハマったとのことで、結果を見れば大成功だったと言える。

 配信外でも仲良く会話することの多い3人が、現在では会話の中で『遊戯王』にまつわる話題やネタで盛り上がることも少なくないというのが、何よりの証拠。

 これまで「3人全員が好きでプレイできるゲーム」がなかなかなかったのだが、ついに「3人全員が好きでプレイできるゲーム」が生まれたということで、織姫星のコラボ配信ではたびたび『遊戯王』をプレイしており、3人を繋ぐ重要なタイトルとしても重宝されるようになりつつある。

【遊戯王マスターデュエル】ついにこの日がきた。#織姫星決闘 【にじさんじ/星川サラ】

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