どこでもPCゲームが楽しめる最高の万能感! ASUSのハンドヘルド型ゲーム機『ROG Ally』を徹底レビュー
ASUSからハンドヘルド型ゲーム機『ROG Ally』が発売された。Nintendo SwitchやPS Vitaを思わせる携帯ゲーム機のような見た目だが、Windows OSを搭載しているのでゲーム以外のPC操作もこなせてしまう、小さな万能器だ。
本体のデザインや詳しいスペックは、発表会レポートの記事をチェックして欲しい。この記事では実際に『ROG Ally』を数週間使ってみて感じたレビューをお届けする。
https://realsound.jp/tech/2023/05/post-1337305.html
ちなみに『ROG Ally』の価格は、Ryzen Z1搭載モデルが8万9800円、上位モデルのRyzen Z1 Extreme搭載モデルは10万9800円。今回は後者のモデルを試用したが、これはPCゲームやガジェットが好きな人にとっては“最高のおもちゃ”になると感じた。
使っていて気持ちの良い本体デザイン
前提として、PCゲームはキーボード+マウスでプレイする場合と、PCにゲームパッド(コントローラー)を繋いでプレイする場合がある。本機はPCとしての筐体そのものにコントローラーを合体させており、これ単体でPCゲームをプレイできるのが大きな特徴だ。同様のコンセプトを持ったガジェットとしてはValve社の『Steam Deck』や、One-Netbookの『ONEXPLAYER』などがあり、近年盛り上がりつつあるジャンルだ。
それを踏まえた上でデザインをみてみよう。7インチのタッチ対応ディスプレイの左右には、キーやボタン類が配置されている。ボタン配置も近年のゲームコントローラーとほとんど同じで、特別な慣れなどは必要なくプレイできた。
本体上面には、指紋認証対応の電源ボタン、音量ボタン、ROG XG Mobileを取り付けるための端子(充電のためのUSB Type-Cもここにある)、micro SDカードスロット、マイクとヘッドホンの端子が並ぶ。排気口も見える。
背面には排気口とマクロボタンが。発表会の記事でも伝えたが、この背面トリガーの位置はかなり試行錯誤したそうで、本体をグっと握った際にマクロボタンを押し込んでしまわない位置に配置されている。
実際に握ってみると、教わってもいないのに自然と手がその場所に吸い込まれるような感覚だ。背面トリガーは押下時にカチッとした音が鳴るため、押した感も十分伝わる。実際問題、L3R3トリガーまで使うゲームはそこまで多くはないが、逆にそこまでの操作を要求するゲームはコアなゲームが多いともいえるため、こうした細かな配慮はありがたい。
握り心地といえば、ASUSのデザインチームが見つけ出したというパームレストの形状も絶妙だ。ここの傾きは14度になっており、この数字こそ老若男女問わずあらゆる人の手にフィットする角度なんだそう。そのフィット感を確認すべく2時間ほど連続してゲームをプレイしてみたが、ゲームオーバーになっても快適な握り心地だった。
Steamクライアントの動作も問題なかった。ここから新しいPCゲームを探したり、インストールしたゲームをプレイしたりするが、基本はBig Pictureモード(全画面モード)になっている。ウィンドウモードにすることもできるが、モードを変えるとコントローラーの操作性などが変わってしまうことがあるので注意が必要だ。ほとんどの場合はBig Pictureモードで良いが、例えばブラウジングしながらSteamストアでゲームを探したりする場合は、ウィンドウモードの方が探しやすかった。
デザイン面を総括すると、ありふれた形状に見えながらもUI・UXの追求に妥協がない、丁寧な仕事ぶりが感じられた。このあたり、ゲーマーという属性に関する感度の高さについては、ゲーミングブランドを持っているからこその視座かもしれない。スペックに気を取られがちなジャンルではあるが、ハードウェア面にも力を入れているのは好印象だ。