キャンピングカーでなくともできる! これからのアウトドアシーズンで活用したい「車中泊」という選択

 いま、車中泊が流行っている。密を避けられることで仮眠だけでなくワーケーションのベースとしても注目される「車内生活」。広さや快適性を求めるならばキャンピングカーが一番なのかも知れないが、意外にも乗用車でも工夫しだいで車中泊が可能なのだ。そんなモデルをご紹介。

 車中泊用途にクローズアップしたクルマの王道はキャンピングカーだと思う。しかし軽自動車ベースのそれならまだしも、「普段使いもできる」という条件が入るとやはり乗用車がベスト。街中でも使えて、かつ仮眠時には脚を伸ばして休めるクルマは、やはり室内空間が魅力の1BOXカーが代表選手だろう。その先鋒として名が挙がるのはトヨタのハイエース。他にも乗り心地や走りに振ったモデルもあるが、走り良し、使い勝手良し、室内広しの条件を高レベルで満たしているクルマはそう多くない。日本で販売されている現行型は5代目モデル。余談だが海外ではセミボンネットを採用する6代目に移っている。

 ハイエースはボディバリエーションが豊富なのも魅力。標準ボディの他にロングボディやワイドボディ、ハイルーフ仕様、ミドルルーフ仕様などなど紹介したのはごく一部だが、ユーザーの用途に応えるラインナップを持つ。そして乗用ユースに主眼を置いたグレードはクルマのベースが商用車とは思えない肉厚のシートを装備する。また街中での使いやすさの目安になる最小回転半径は、4.8mサイズの全長を持ちながらもカタログ値で約5m代前半。つまりサイズの割りに取り回しに気を使わない、ということだ。室内の広さは言わずもがな、である。趣味のベース車両として割り切るなら後席レスの2人乗りや3人乗りをチョイスするのもありだ。

 

 

 

軽自動車という選択肢も

 車内で足を伸ばして横になる、という選択肢ならば意外にも軽自動車でも可能だ。例えば、スズキがリリースしているスペーシアベース。同車はスペーシアシリーズ(スペーシア、カスタム、ギア)の第4のモデルとして、またスペーシアを名乗る商用車として2022年にデビュー。商用車登録ながらもベースは乗用車で、乗り心地をはじめとする快適性は少しも犠牲になっていないのが魅力。

 同車のユニークな特長は荷室に設けられたマルチボード。これは板状のパネルで、荷室の上段に設置することでデスクとして使用可能。幅もあり出先の移動オフィスとしても使える。マルチボードを中段にセットすれば、荷室を上下に分けて使用可能。またそれを下段にし、後席を倒してしまえばフルフラットの仮眠スペースに早変わり。このマルチボードがユニークなのは上中下の3段にセットできるだけでなく、縦にも使えるところ。そうすれば荷室を2つに分ける間仕切り荷も使えるのだ。撥水シート採用でアウトドアでも頼りになる1台なのだ。

人気のSUVだって

 車中泊のイメージはやはりアウトドアがしっくりとくる。アウトドアでも頼れるイメージのSUVはどうだろうか。例えばホンダのコンパクトSUVとして人気のヴェゼル。2代目モデルとなった現行型は2021年に発表された。直線基調のデザインやクラス以上の広さと謳われる秀逸なパッケージングが魅力なモデル。その荷室の長さはリリースによると約190cm。たいていの大人なら楽に横になれるスペースなのだ。またHondaの公式HPでもヴェゼルの車中泊に触れているので興味ある方はチェックしてみるのもオススメ。GWも終わり各所の混雑状態も落ち着いてきたいまこそ、出かけどきなのかも?

関連記事