登録者数10万人超えの交通系YouTuberが人気 独創性をコンセプトとした動画のおもしろさ
「スーツ 交通 / Suit Train」や「鈴川絢子/Suzukawa Ayako」「がみ」などを筆頭に、鉄道やバスなどの乗り物を紹介するYouTubeチャンネルは数多く存在する。一方、同系統でチャンネル登録者数10万人を超えるYouTubeチャンネルは、実はそれほど多くない。そのような中、「綿貫渉/交通系YouTuber」が登録者数12.1万人で、多くの人気を集めるYouTubeチャンネルだ。今回、綿貫渉の魅力について紹介したい。
彼の動画を語るうえで、まずは経歴に着目してほしい。綿貫渉(わたぬきわたる)と「交通」の接点は、高校の頃からだ。当時は交通に興味がなかったようで、たまたま見つけた駅員のアルバイトを経験。そこから交通に興味を持ち始め、大学で地理学を専攻し、特に交通に力を入れて勉強。大学卒業後はバス会社と鉄道会社の駅員を経験し、現在では交通系YouTuberとして活躍する。バス会社と鉄道会社で勤務した経験を活かし、全国各地の鉄道やバスの路線などに実際に乗車し、紹介する動画を投稿している。
綿貫渉の人気の秘密を紐解いていくと、彼をおもしろいと評する視聴者に「独創的」という声が多く見られた。たしかに、彼の動画はほかの乗り物系YouTuberとはまた違った動画を出すことがある。たとえば直近だと、2023年4月30日公開の「【衝撃】JR東海の大赤字路線 名松線と参宮線を全駅訪問」という動画がおもしろい。
JR東海で赤字路線と言われる、三重県の名松線(松阪駅三重~伊勢奥津駅)と、参宮線(多気駅~鳥羽駅)の全駅と、その周辺環境を調査するという、非常に手間のかかるコンテンツを作り上げた。日の当たらない路線を、元鉄道会社の職員という観点から丁寧に説明された動画で、鉄道ファンはもちろん、地元路線を利用している(あるいは利用していた)視聴者から高評価を得ている動画だ。綿貫渉は王道系の乗り物動画も投稿するが、このような独特な観点から鉄道やバスなどを紹介する動画は、彼の人気の秘訣となっている。実際、彼は概要欄で「『他に誰も上げていない内容』かつ『動画のメリットを最大限生かせる』そして『新たな発見がある』」と掲げており、コンセプトの独創性が視聴者にしっかり伝わっているようだ。
当チャンネルは数十分~1時間以上の長尺動画が多いが、丁寧な解説と興味を惹かれるコンテンツで、最後まで見られるものばかりだ。気になる方は、この機会にぜひ視聴してみてほしい。