活動終了&解散した“元グループYouTuber”が成功するには? 個人活動に舵を切った成功事例から考える

 YouTubeでは、元はなおでんがんの「でんがん」や元ヴァンゆんの「ゆんちゃんねる」などグループを活動終了や解散をし、個人で活動を再スタートさせるケースが多く見られる。グループだからこその空気感や企画が好きだった人にとってはショッキングな出来事かもしれないが、それぞれ個人で活動を続け、地道にファンを増やしているクリエイターも多い。この記事では、成功事例をもとに個人活動で成功するチャンネルの特徴について考察する。

相方が卒業し、視聴者の求める発信を引き継いでいく「でんがん」

はなでん解散したので、これからについて話します。

 元・はなおでんがんの「でんがん」は今年3月の解散を機に、個人チャンネル「日常でんがん」を舞台に再スタート。今後は高校数学が苦手な人に向けて、原理・原則を伝えて印象を変えていけるような動画をアップしていくと語った。でんがんは難関国立大学である大阪大学出身で、元相方のはなおはYouTubeでも人気の「積分サークル」の生みの親。そういった縁もあって、はなおでんがんや積分サークルは「わかりやすく理数系の教科を教えてくれるコミュニティ」としてすでに認知されており、再スタートも切りやすかったのではないか。

 また、30歳を節目にはなおが別の道に進むことを希望し、それをでんがんが快諾したという円満な解散理由なのも大きい。まだスタートしたばかりで成功かを判断する段階ではないが、すでに新しい投稿には視聴者からの応援メッセージや、今までの感謝が寄せられている。

カップルチャンネルを始める前から個人として認知されていた「ふくれな」

【激変】ガチでモテすぎるメイク!!はんぺんから男ウケ顔に大変身!!

 ふくれなはかつて彼氏のM君と「えむれな」として活動していたが、2021年には約4年半の交際に終止符を打った。それからは個人チャンネル一本に絞り、リスタートを切った。

 もともとメイク系の動画が好評でファンも多く、自身でコスメのプロデュースもしているふくれな。現在ではチャンネル登録者数184万人(2023年4月20日時点)を超える。ふくれなが今も成功している要因としては、最初からカップルYouTuberとして見られていたわけではなく「ふくれながカップルチャンネルを新たに始めた」と認識していた人が多いためだと考えられる。別れてしまった後も「元の活動に戻った」という印象が強く、ファンは離れなかったようだ。

得意分野に特化したチャンネルで成功した「みのミュージック」

邦楽アルバムが海外の年間ベストに多数ランクインしてる件

 音楽系の深掘り動画が人気の「みのミュージック」はかつて「カリスマブラザーズ」という3人組で活動していた。世界から"ユニーク"を発信するクリエイト集団というチャッチフレーズでドッキリややってみた系の動画を中心に発信していたが、2019年に解散。解散理由はそれぞれの活動の方向性が違ったことと語り、当時からバンドをやっていたみのはYouTubeで音楽に関する情報を発信する道を選んだ。

 みのミュージックは音楽のみならず漫画やファッションなどのカルチャーに造詣があり、音楽の歴史やアーティストごとの音の特徴、トレンドなどに幅広い知識がある。音楽マニアのトークや文章は専門用語が多かったり、前提知識が必要だったりと初心者にはとっつきにくいこともあるが、みのミュージックは初心者でもわかるように噛み砕いて教えてくれる。自分がもっとも輝けるジャンルに方向転換したことで、多くの視聴者に支持される結果になったのだろう。

 現在のYouTubeのトレンドとしては、コムドットやフィッシャーズのように「友達同士の飾らないやりとりが心地良い」といった要素がキーになっている印象だが、1人でYouTuberとして成功するためには「キャラの良さ」や「トーク力」のほか「特技や人脈を生かした独自性のある企画」、「多くの人が支持する価値観」などその人の持っているカリスマ性やタレント性がより重要となる。自分の持ち味を自覚してうまく表現できるクリエイターでないと個人活動を成功させるのは難しいのかもしれない。

古参YouTuberたちが続々と活動終了や解散を発表 YouTuberにとっての「幸せな幕引き」を考える

11月5週目〜12月1週目にかけて、はなおでんがんとヴァンゆんがコンビでの活動を終了することを動画で発表し、大きな注目を集めた。…

関連記事