『マイクラ』スピンオフ新作は“らしさ”が詰まったアクションストラテジー 4 vs 4のチーム戦も楽しめた『Minecraft Legends』先行プレイレポート
4月某日、マイクロソフトは同社からリリース予定のマルチプラットフォームに対応した新作ゲーム『Minecraft Legends』の先行プレビューイベントを開催した。
『Minecraft Legends』は2009年に誕生したサンドボックス作品『Minecraft』(以下、マイクラ)の世界観に基づくアクションストラテジーゲームだ。ランダム生成で広がるフィールドへ降り立ち、資源採集や建築をこなしながら各地を奔走することになる。詳細は後述するが、本作は従来の『マイクラ』に備わっていたアクション+クラフト要素にくわえ、ストラテジー要素をカジュアルに楽しめるというのがポイントだ。
今回は、先行プレビューを通して感じた『Minecraft Legends』の所感を踏まえつつ、「キャンペーンモード」「PvPモード」の特徴についてお届けする。
「オーバーワールド」をピグリンの手から救い出せ!マイクラらしさが詰まったアクションストラテジー
先行プレビューで真っ先に体験したのは、本作のゲームシステムやコアサイクルが一通り学べるチュートリアル。所要時間は約30分ほどで、サポート兼ガイドのキャラクター「フォアサイト」「アクション」「ナレッジ」が登場し、『Minecraft Legends』における世界の現状について教えてくれた。
彼らいわく、本作の舞台「オーバーワールド」は様々な命が住まう平和な世界だったが、危険な別世界「ネザー」よりピグリンと呼ばれる敵勢力が侵入。争いを好まない村人たちを襲ったり、拠点を建てて勢力図を伸ばそうと企んでいるという。そこでプレイヤーは本作の主人公となり、ピグリンの脅威にさらされたオーバーワールドを救うべく立ち上がる……というわけだ。
オープニングのあとは、早速アクションの説明へ移行。基本的に各アクションが割り当てられたホットバーを切り替えつつ、状況に合わせた操作を実行することになる。おおよそのセオリーは、「周囲の地形から資源を採集」→「集めた資源を用いてオブジェクトやスポナーをクラフト」→「態勢を整えながら拠点の解放 or 破壊を目指す」というもの。資源採集ならびにクラフトについては、『マイクラ』を一度でもプレイしたことがあるプレイヤーなら馴染み深いはず。採集時にプレイヤー自身がオノやピッケルで手をくだす必要はなく、指示を出すだけで自動的に素材集めが完了する。
続いては、集めた素材の使い道についてお伝えしたい。『マイクラ』では素材を消費してブロックを設置できるほか、特定のオブジェクトをフィールド上へ自在に置くことが可能だ。この点は『Minecraft Legends』も同じで、階段・橋・ゲートといったオブジェクトのほか、ブロックもピース単位で任意の場所に並べられる。フィールド上には生身で通過するとダメージを受ける場所(マグマ等)を含め、物理的に通り抜けるのが難しい地帯も存在する。『マイクラ』同様、クラフトはそうしたシチュエーションに対応するための必須アクションと言えるだろう。
また、本作において欠かせないのが「スポナー」と呼ばれる生成拠点。『マイクラ』においてスポナーといえば敵性モンスターを周囲に生みだすブロックだったが、本作においては仲間を呼び出してプレイヤーを支援してくれるものになっている。プレイヤーは基本的に1人旅のため、ピグリンの軍勢に囲まれるとひとたまりもない。ましてや頑丈な拠点破壊を単身で狙うのは非現実的である。ゆえにクラフトでスポナーを作り、ゴーレムなどの仲間を呼び出すことが非常に大事になってくる。チュートリアルではゴーレムの生成方法にくわえ、配下に迎え入れたゴーレムの指揮について学ぶこともできる。
「あの拠点を壊してほしい」「AチームとBチームに分かれて村を守ってほしい」……等々、効率的なプレイングを心がけるなら適切な指示出しは必須。とはいえ、集合・突撃・リコール(帰還)などの基本アクションはワンボタンで解決するため、そこまで気負う必要は無い。最初のうちは仲間と一緒にピグリンの軍勢に突撃するだけでも、それなりの爽快感を味わえるだろう。
素材採集・建築・仲間への指示について学んだ後は、いよいよピグリンの魔の手から村を守ることになる。画面上のコンパスを頼りに目的地へたどり着くと、ピグリンに襲われ逃げ惑う村人の姿が目に入った。この時点でプレイヤーがすべきことは大きく分けて2つ。1つ目は村人の護衛で、2つ目はピグリンを退けるための防衛拠点を築くことだ。前者はシンプルに仲間を率いてピグリンの撃退に取りかかればOK。後者は村の入り口に監視塔を作り、村を壁で囲えばひとまずの安全は確保できる。もちろん、プレイヤーのアイディア次第でより効果的にピグリンを撃退することもできる。助けた村人からはアイテムが貰えるので、態勢を整える上でも拠点防衛は肝要と言えるだろう。
フィールド上には村人の拠点だけでなく、オーバーワールドに根付いたピグリンたちの拠点も存在する。「ブレイズロッドタワー」や「ネザースプレッダー」など、彼らの拠点は厄介なオブジェクトにくわえ、ピグリンの軍勢によって固くガードされている。それだけに、何の対策も講じずに挑むのはかなり危険。十分な数の仲間を用意し、ピグリンを確実に倒しながらオブジェクト破壊を目指すなどの攻略が要となる。この拠点の防衛と破壊こそ『Minecraft Legends』のコアであり、繰り返せば繰り返すほど、システムの妙に引き込まれることだろう。
最大8人まで遊べるPvPモードを実装 戦略面でカジュアルに競い合える
『Minecraft Legends』には、キャンペーンモードと同等のプレイ体験が最大8人で楽しめる「PVPモード」が実装されている。同モードはインターネット接続を介したパブリックマッチメイキング、そしてデバイスを共有したローカルプレイに対応済み。つまり、キャンペーンで見られた拠点を巡る攻防を対人間で行えるというわけだ。なお、PvPモードにおいて、マップサイズはキャンペーンよりもやや小さめの状態でスタートする。
PvPモードのルールは単純明快。ブルーチームとオレンジチームに分かれ、フィールド上に建てられたお互いの拠点撃破を狙い、先に相手チームの拠点を壊した方が勝利となる。マッチが始まると両チームのプレイヤーは同じフィールド上へ降り立ち、各々が自由に行動を開始する。対人戦ということもあり、採集・建築・偵察といった具合にチームメンバーの役割分担が必然的に求められる。筆者も他のメンバーにならい、木材と石材を採集しつつ、スポナーからゴーレムを呼び出して敵地の探索へ赴くことにした。
PvPモードの最大の醍醐味は、勝利を目指す上で自然に発生する「局地的な戦い」と「大局的な戦い」にあると筆者は考える。局地的な戦いとは、フィールド上で頻発する相手チームプレイヤーとの遭遇戦や、中間拠点(ピグリンの根城など)を巡る対立を指す。互いが率いるゴーレムをぶつけ、己の剣を振るって戦う。こうした一触即発の高揚感はPvPならでは。そして大局的な戦いはさらに一歩進み、「拠点を落とすためにどこへ進路を取るか」「相手チームを引きずり出すために陽動をどう仕掛けるか」など、戦局を読み取った上での思考合戦を指す。
今回の先行プレビューでは、自チームのメンバーが相手チームの拠点周りに「レッドストーンランチャー」(遠隔攻撃を担うオブジェクト)を設置。相手チームの注意を引き付けている間に力を合わせて拠点の防衛を突破し、そのまま撃破までもっていくという、見事な作戦を全員で完遂させた。立ち回りを洗練させるためには試行錯誤を要するものの、それだけにPvPは奥深く、本作が掲げる「アクションストラテジー」のポテンシャルを体感するのにぴったりなモードだと改めて感じた。
『マイクラ』から派生した『Minecraft Legends』は、2020年に発売されたスピンオフ作品『Minecraft Dungeons』とはまた一味違った可能性を提示してくれた。ストラテジーと聞くとどこか敷居の高さが否めない一方、本作は『マイクラ』が内包するクラフト+アクションという要素を下地にしつつ、初心者でも比較的とっつきやすい戦術システムを搭載している。操作面や基本アクションの理解に際して多少の慣れを必要とするが、現時点で製品版のリリースに期待が持てる一作といった印象。気になる方は今後の続報をチェックしてみてはいかがだろうか。
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