『今日好き 卒業編』最終話ーー最後の告白を待たずにリタイア……言葉足らずによりほろ苦い結末に
ネクタイ、卒業証書……メンバーの想いがこもったアイテムに注目
恋愛とはこうも難しいものだとは。こうした類の書き出しを、この『今日好き』ダイジェストでは定期的に書いてしまっている自覚があるのだが、『卒業編2023』最終話においては特にそう感じさせられた。今年度は待望の海外編復活、通算50シーズン突破と、さらなる盛り上がりを見せてきた『今日好き』。この流れで「今回もビッグカップルも誕生しちゃうでしょ!」くらいに調子に乗った考えをしていたのだが、その結果ははたして……。
とその前に、最終話を見て特に印象的だった部分がある。メンバーが“最後のアピールタイム”で渡していた、想いのこもったアイテムの数々だ。一時はドリンクの“間接キス”事件もあり、カップル成立が最も近いかのように思われていたいさ(北本要世)×きさき(寺島季咲)。きさきは最後、自身の制服のリボンと同じ柄のネクタイをいさにプレゼント。好きな人ができたら渡すために日本から用意してきたほか、なんとこの翌日はいさの誕生日当日だという。そんな大切な記念日と、自身の“好き”すらネクタイの裏に記したメッセージへとこめて、最後の思い出の品としたわけだ。
前文にて“最後”と書いた通り、きさきはここで彼の本心を聞き、告白を待たずにこのまま旅をリタイアしたいと告げる。“自分に振り向かせたい”という想いよりもむしろ、あのネクタイにこもっていたのは“ずっと好きでした”という覚悟と諦め。ネクタイというこれまでの『今日好き』では見てこなかったアイテム選びのほか、そこに詰まった切なる想いに特に惹かれるワンシーンだった。
また、ねね(永野好音)はとおま(廣居永真)に三つ編みをおねだり。とおまこそ女子の髪を三つ編みにするのは初体験だというが、結果はなかなかの仕上がりに。ねねの言葉通り、出来栄えよりも“してもらったこと”の方に価値があるとはその通りだが、ここまで器用にこなすのはさすが心までイケメンのとおまである。こちらは形のある物ではないが、分け合った時間という意味で心に残るプレゼントだった。
さらに、えだはる(大枝晴大)は、りょうか(折田涼夏)にお手製の卒業証書を授与。あの見慣れたサイズの高級感ある紙が、リボンでくるくると巻かれている様子は、本物のそれを彷彿とさせる。えだはるの記した内容は、高校3年生として3月で高校と『今日好き』をともに卒業するりょうかに、その努力と美貌を称えるものに。もちろん、えだはるがこの後、りょうかの彼氏として幸せにする誓いも忘れない(ほとんどプロポーズのようなテンション感ではあったが)。これには彼女も涙ぐみ、彼との未来を考えると改めて伝えていた。