パナソニックの最新デジカメ『S5 II』をCP+でチェック。像面位相差AFの威力やいかに

パナソニックの最新デジカメ『S5 II』をチェック

俊敏なAFを実現する像面位相差AF

 最後は『S5 II』で初採用となった像面位相差AFについて紹介する。ご丁寧に、ブースの一角にはAF性能を体験できるスペースまで用意してあった。

 779の測距点は高速連写時も被写体に追従する。また、ディープラーニング技術を用いたAI処理により被写体の認識性能は向上しているとのこと。パナソニックのカメラはAF性能において他メーカーに水を開けられていたが、いよいよ追いついてきたか。

 体験ブースでは『S5』と『S5 II』の両機を使って、AFの速度差や精度差を体験できた。性能の違いは笑ってしまうほど明らかで、S5がゆーっくりとピントを探っているあいだに『S5 II』はとっくにピントを合わせ終えているほど。動画撮影時のAFも高速化しており、動く被写体に対してもしっかり食いついてくれる。

 体感的にはソニーの『α7R V』ほどの爆速とはいえなかったが、人物への追従や認識の早さなどは申し分なかった。ピントがしっかり粘ってくれるので、映像を撮る人にもありがたいだろう。

ウワサのRAW連射時12bitの仕様は……

 実はこの『S5 II』、高速連写時にRAW画質が14bitではなく12bitになるという仕様が発売後に判明したようで、ネットで話題となっていた。スペックシートに記録bit数が書かれてないので1月のタッチアンドトライでパナの人に聞いたら「公開していない」って答えだったのに、いざ発売されたら取説にだけ「連写時は12bitに制限されます。」と書いてある。発売されてから、買ってからでないと分からないようになってるのは残念であった。この仕様についてパナソニックのスタッフに話を聞いてみたが、どうやら12bitになってしまうのは真実のようだ。一般的にビット数が高いほどレタッチ耐性が強く、例えば星景写真をインターバル合成した際にbit数が低いとノイズが出やすくなる。まぁ、星を撮る際に使うのは連射ではなく長時間露光なのだが……。

 そして、この仕様について「ファームアップで改善する可能性はあるのか」と聞いてみた。答えとしては「ソフトウェアで改善できる仕様なのかが不明なため、現状はなんともいえない」とのこと。この仕様についてはメーカー側も理解しているようなので、ユーザーが満足する流れになることを願いたい。

写真も動画も撮りたい人へ向けた1台

 強力な像面位相差AFの採用によって、『S5 II』はより一層信頼できる一台として仕上がっている。写真も動画もイケるオールラウンダー性能が魅力だが、本機を深く楽しめるのは動画撮影の頻度が高い人なのではないかとも思う。あるいは「今は写真がメインだけどいずれ動画もやってみたい」という人も、本機であれば本格的な制作が楽しめるだろう。

 ちなみに、『S5 II』をさらに動画向けにしたバリエーションモデル『S5 II X』が、2023年6月下旬に発売を控えている。ヨドバシカメラでの価格はボディ単体で30万4700円。上の写真左が『S5 II X』で、ロゴの色がブラックになるなどのデザイン的違いも見られる。詳細なスペックは公式サイトをチェックしてもらいたい。

◎参考情報

https://panasonic.jp/dc/products/s_series/s5m2_s5m2x/difference.html

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