『Pro Tools』との連携機能が大幅に強化 Avid『Media Composer』の最新バージョン「2022.12」発表
Avidは、同社が提供するビデオ編集ソフト『Media Composer』の最新バージョン「2022.12」を発表した。ビデオ編集とオーディオ・ポスト・チーム間のポストプロダクション・プロセスを大幅に加速する新機能を加えた本バージョンは、同社曰く「制作効率の大幅向上に向けた第一歩となる」とのことだ。
『Media Composer』のシーケンスを『Pro Tools』に直接エクスポートが可能に
今回発表されたバージョンでは、ビデオ、オーディオ、メタデータを含むシーケンスを、『Pro Tools』で直接開くことができる1つの「.PTX」エクスポート・ファイルにまとめ、1ステップで出力が可能となる。本機能はユーザーからの要望も多かったとのことで、待望のアップデートとなるようだ。
そのほかのアップデートとして、『Media Composer』は、刷新されたAvidのオーディオ・インターフェース『MBOX Studio』にフル対応し、最大7.1サラウンドでのシーケンスの収録、パンチイン、マルチチャンネル・モニタリングに対応するパワフルなソリューションを提供する。また、『MBOX Studio』の優れたプリアンプやオーディオ変換を利用し、超低レーテンシー・モニタリングで、音源のあらゆる音のニュアンスを捉えることができるとのこと。画期的なオーディオ機能に加えて、『Media Composer』は今後も以下のような新機能を継続して提供する予定だ。
(1)メディア管理機能を強化、過去に使用したメディアへのアクセスが簡単に
メディア管理機能の強化として、過去に使用したメディアへのアクセスを簡潔化し、ファイルへのパス検索機能の性能を向上させることで『Media Composer』のメディア管理機能を強化。ユーザーは、「リリンク・ウィンドウ」の中ですべてのコンテンツを確認可能で、簡単に壊れたパスを再構築し、ファイルの場所の検索に、無駄な時間を使う必要がなくなった。
(2)新規ユーザー向けにUIを改修
また、『Media Composer』は新規ユーザー向けにUIも簡潔化。エディターのメディアからワンクリックでプロジェクトのフォーマットを作成できる新規プロジェクト作成設定が加わった。プロジェクト設定からユーザーに提案、ガイドをおこなうので新規ユーザーも、学生も、もちろんこれまで同ソフトを使用してきた編集チームも、簡単に編集作業を開始することが可能だ。
(3)リモート編集機能とプロキシ・ワークフローの強化
昨今の業界で急増するリモート・コラボレーションに対応するため、Avidは、リモート編集のエクスペリエンスや、『Media Composer | Enterprise』の編集ツールとAvid『NEXIS | EDGE』の連携を強化。これにより、ポストプロダクション環境においてリモートで作業をしながら、プロジェクトでのコラボレーションを強化することができる。Avid『NEXIS | EDGE』を使用して革新的なプロキシ・ワークフローを構築することで、『Media Composer』を使用するリモート制作チームは、効率的なコラボレーションを実現。エディターはワンクリックで高解像度コンテンツとプロキシ・コンテンツを切り替えることができるので、時間を節約し、複雑さも軽減できるようになった。
(4)エディターのコンテンツ・レビュー機能を強化
『Media Composer』の新機能「Multiplex IO」は、最大10個までI/Oプラグインの同時利用を可能にして、ユーザーの“オーバー・ザ・ショルダー”エクスペリエンスを強化する。SRT(Secure reliable Transport)、NDI、および接続・サポートするI/Oハードウェアを介して、『Media Composer』から複数のストリーミング・プラットフォームやデバイスへ出力できるので、リモートの視聴者へストリーミングしながら、ローカルでモニタリングすることが可能になる。これにより、編集チームはポストプロダクション環境でリモートで作業をしながら、プロジェクトでのコラボレーションを強化することができる。
「Avid」ビデオおよびメディアソリューションプロダクト・マネージメント統括責任者 デイビッド・コラントゥオーニのコメント
「Avid Community Associationとのコラボレーションは、業界が求めていた『Media Composer』と『Pro Tools』の相互運用性を加速し、高品質コンテンツの制作を加速するワークフロー・イネーブラー(成功要因)を提供します。『Pro Tools』へファイルを簡単にエクスポートできる機能と、『Media Composer』で拡張する“リモート編集”により、制作チームは無理なく納期と予算を守ってプロジェクトを完成させることができます」
「ワーナー・ブラザース・スタジオ」リレコーディング・ミキサー ジョナサン・ウェールズ氏のコメント
「Avidは、継続的に顧客の声に耳を傾け、顧客とコラボレーションして、今日のポストプロダクション・コミュニティ最大の課題に取り組んでいます。『Media Composer』と『Pro Tools』の相互運用性は、ビデオおよびオーディオのポストプロダクション・チームを繋ぎ、コンテンツ制作の画像と音声のワークフローを合理化することでを新たな効率性を生み出します」
■関連リンク
『Media Composer』新機能の詳細:https://www.avid.com/media-composer