連載:著名人に聞く「ゲームと音」の重要性(第二回:阪井一生)

flumpool・阪井一生が語る、“音の良さ”がゲームにもたらすメリット 「いいヘッドホンって距離感も分かるんです」

 ゲーミングギアが多く普及し、プロゲーマーや配信者のみならず、日常的にハイエンドなガジェットをあらゆるプレイヤーが使用するようになった近年。ゲームにおける”音”について、ゲームを愛するタレント・アーティストたちはどのように考えているのか。

 2001年にデンマーク・コペンハーゲンで創業された、品質、技術、機能性にフォーカスするゲーミングギアブランド『SteelSeries』とタッグを組んだ連載企画『著名人に聞く「ゲームと音」の重要性』。第二回には、今年デビュー15周年を迎えるバンド・flumpoolから、ギタリストの阪井一生が登場。ゲーム好きバンドマンとしてバンドのYouTubeでも配信をしたり、積極的にゲームについて語っている彼に、ゲームと音へのこだわりや、『SteelSeries』の人気ゲーミングヘッドセット「Arctis Nova」シリーズのインプレッションなどを語ってもらった。(編集部)

「お世辞抜きで飛び抜けて良い音質」 ミュージシャンをも唸らせる『Arctis Nova Pro Wireless』のバランス感

――阪井さんが最初にゲームにハマったタイミングと、その時のタイトルについて聞かせてください。

阪井:最初にハマったのはRPG系ですね。特に流行っていたもので言うと『ファイナルファンタジーV』は毎日友だちとプレイしていました。

――そこからプレイするゲームのジャンルも徐々に変化していくと思うんですが、どういう変遷で現在に至るのでしょう?

阪井:flumpoolがメジャーデビューして以降、FPSにハマり始めました。当時のヘアメイクの方がXboxを持っていて、メンバー全員に「面白いから一緒にやろう」と出世払いでXboxを買ってくれたんですよ。そのときは『ロストプラネット』というTPSのゲームをみんなでやり始めて、あっという間に夢中になって。その後は『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3』もメンバーみんなで買って、信じられないくらいハマっていました。

――活動に支障をきたすくらいハマったという話も、風の噂で聞きました。

阪井:ハマりすぎて曲を作らなかったので、本当に支障をきたしてたんですよ。マッチする間の1分くらいで作曲するだけ、みたいな(笑)。

――そこまでのめり込んでしまったんですね(笑)。いろいろなタイトルをやられている中で、一番やり込んだタイトルは?

阪井:一番やったのは『コール オブ デューティ ブラックオプス』ですね。メンバーみんなでひたすらやってました。

――阪井さんにとってFPSの存在はメンバーとのコミュニケーションツールでもあるんですか。

阪井:そうですね。よく一緒にやってました。一番上手くなりたかったので、オフラインモードでひたすら1人で練習してからオンラインにして、その後にみんなでプレイしたり。だいぶストイックにやってましたから、バンド内では当時から僕が一番上手かったかもしれません。

――『Apex Legends』もダイヤモンド帯になるほどやり込んでいますよね。

阪井:ありがとうございます。いまは『フォートナイト』などもプレイしていますよ。

――タイトル選びのときに気をつけていることや、こういうゲームは率先的に手を出すといった基準はありますか?

阪井:『Apex Legends』も『フォートナイト』もそうですが、自分から選んだというよりも紹介されて始めたものなんです。あとはYouTubeでゲーム実況動画を見たりして「いま無料でこんなんがあるんだ、ちょっとやってみようかな」というのもあります。

――ゲームをやること自体の楽しさだけでなく、人とゲームをやる楽しさを結構重視しているのかもしれませんね。

阪井:それはかなり重要だと思います。1人ではほとんどプレイしないかもしれません。

――ミュージシャンという職業柄、「ゲームと音」に関してのこだわりはあるのでしょうか。

阪井:自分の好みに寄せていくという意味では結構こだわっているかもしれないです。イヤホンとかもいろいろ試聴してから買っていますから。

――機材は音楽のリスニング用のものをそのまま使ってますか? それともゲーム用を別で用意しているとか。

阪井:ゲーム用はゲーム用で別に買っていますね。今回試した『Arctis Nova Pro Wireless』は、そんな中でもお世辞抜きで飛び抜けて良いなと思えるくらい、めちゃくちゃ音質が良かったです。

――何のタイトルをプレイされたんですか?

阪井:『Apex Legends』と『フォートナイト』の2作です。そのまま使ってもすごく良いんですけど、独自ソフトウェア『Sonar』の機能にもびっくりしました。イコライザも含め、普段音楽制作をする際に使うソフトと変わらないくらいのクオリティで。

――かなり細かく設定できますよね。

阪井:自分の好みにカスタムする、というのはゲームであまりやったことがなかったので、とても興奮しました。

――プリセットの設定もして、自分自身でも1からカスタマイズされました?

阪井:カスタムもやりました。でも『Apex Legends』と『フォートナイト』はプリセットの設定もあったので、それを比較するのも面白かったですね。「ゲームタイトルでこんなにこんなに違うんだ、なるほど」っていう。

――強調されている音域がそれぞれ違っていて面白いですよね。

阪井:そうそう。真逆でしたからね。『フォートナイト』は低音がすごくブーストされてるけど、『Apex Legends』は逆にローカットされていて。ゲームごとの特徴をすごく捉えているなと思いました。

阪井が実際に自らの手で調整したEQ。ローだけを上げるのではなく、ピンポイントで足音の帯域のみを上げたり、中高域も“聴きたいところ”が明確になるような工夫が施されている。

――ご自身ではどういったことを重視してカスタムされたんですか?

阪井:FPSはやはり足音を重視しているので、ローの部分を帯域ごとに上げてみたり、自分で歩きながら「こうやって変わっていくんや」と好みに合わせて作りました。あと、音の鮮明さもすごいですよね。サラウンド感があるというか。それにもめちゃくちゃびっくりしました。こんな一つひとつの音がクリアに聴こえるのか、という。

――音の奥行きもすごく分かるようになってますもんね。『Sonar』のプリセットの中にも、音楽や映画にあわせたリスニング用のプリセットもあって。モニターヘッドホンとは違いますが、一般のリスナーがリスニング用のヘッドホンとして使うための設定もあるんですよね。『Arctis Nova Pro Wireless』に付属している「ワイヤレスベースステーション」はどうでした?

阪井:これ、すごいですよね。使ってない方のバッテリーが充電できて便利ですし、音量調整も細かくできて。

ーー着け心地の面などはどうでした?

阪井:『Arctis Nova Pro Wireless』は密閉感がめちゃくちゃいいですね。長時間着けていると耳が痛くなるというのはヘッドホンあるあるじゃないですか。でもこれは今のところ大丈夫ですね。すごく耳に優しいと思います。

――自分も使った中では割と結構上位に来るぐらいの着け心地だなと。『Arctis Nova 7』の方はメッシュになっているので、長時間着けていても汗をかいたり蒸れたりしにくくなっていますね。こちらの使い心地はどうでした?

阪井:めちゃくちゃ良かったです。僕的な印象では『Arctis Nova 7』の方がちょっと派手めに聴こえたんですけど、すごい音がしっかり整っていて。暴れてない印象がありました。

――それこそモニターヘッドホン的なフラットさというか。

阪井:そうですね。でもダイナミクスもすごいし、しっかり迫力もあるって、すごくバランスが取れている。それでいて音がリアルでした。水の音なども鮮明に聴こえるし、「このゲーム、こんなに音が鳴ってたのか」みたいな音まで入ってきて。

――『Arctis Nova 7』ではボイスチャットを試されたりもしましたか?

阪井:まだ試せていないのですが、一度やってみたいなと思いました。いつもボイチャ用にはマイクを置いてるんですけど、この格納型マイクでもやってみたいですね。

――『Arctis Nova Pro Wireless』も『Arctis Nova 7』もどちらもなんですけど、2.4Ghzの周波数での接続とBluetooth接続が両方同時にできるんですよ。なので例えばSwitchで『スプラトゥーン』をやっている方は、『Nintendo Switch Online』でチャットもできるけど、会員じゃない場合はLINEなどで通話しながら『スプラトゥーン』をするみたいな方も多いと思うんです。それが簡単にできるっていう。

阪井:Discordで通話しながらとかも多いですし、たしかに便利ですね。

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