AOAやTRI.BEのメンバーが参加したサバイバル番組『少女リバース』 制作陣が語る裏側「選考基準に人気もビジュアルも関係ない」

 毎週日曜日夜9時からABEMAにて好評配信中の、新概念サバイバル番組『少女リバース(RE:VERSE)』。韓国での公開からわずか3日で再生回数100万回を突破し、いま様々なメディアから注目を集めている。この番組は、“少女X”と呼ばれる現実世界で活躍する30人の現役・元K-POPアイドルたちが正体を隠し、それぞれ異なる30の世界に住む“少女V”に変身してバーチャルアイドルとしてのデビューを目指すというもの。

 脱落した“少女V”の正体が明かされていく展開により、話題に事欠かなかった本番組も最終回が近づいている。

 今回は「K-POP×バーチャル×サバイバル」という過去に類を見ない番組のプロデューサーを務めたソン・スジョン氏とチョ・ジュヨン氏に、番組制作のきっかけや出演の選考基準などを語ってもらった。

コロナ禍で人と会えない状況が番組制作のきっかけになった

――近年、メタバースはテレビ業界でも注目されており、その中でも『少女リバース』はかなり先駆的な番組だと思います。この番組を企画・構成しようと思ったきっかけを教えてください。

ソン・スジョン(以下、ソン):実は、最初からメタバースを使用して何かしようと構想を練っていたわけではなかったんです。当時コロナ禍が長引いており、人と会いにくい状況下だったので、最近の若い子たちは何を使ってコミュニケーションをとっているのかと調査したら、メタバース空間で自分の好きなキャラクターになりきり、遊んでいるという結果が出たので「これは企画になりそうだぞ」と思ったのがきっかけですね。

 また、元々制作陣のほとんどは放送局出身でアイドルや芸能人との関わりを持つ人が多い中で、実力を持つ子たちがいても、その能力を披露することができる番組がだんだんと減ってきていると感じていました。そういった子たちの活躍の場を作れないかと考えていたことも大きな要因かもしれません。

――今回の「K-POP×バーチャル×サバイバル」というコンセプトをつくる際に、着想を得た作品などはありますか?

ソン・スジョン

ソン:すべての韓国のオーディション番組ですね。韓国の人は競争心が強く、歌好きも多いので、オーディション番組が成功しやすいんです。そのため、成功事例を研究する際にもってこいでした。ほかにも、海外のアバターバラエティやオーディションバラエティなども事前に調査したので、少し似ている部分があったかもしれません(笑)。

――メタバースを利用した番組である『少女リバース』は、既存のオーディション番組とは異なり、ビジュアルから見慣れないものでした。このような新しい番組を制作する際に心配だった点はありますか?

ソン:おっしゃるとおり、バーチャルキャラクターは見慣れないビジュアルなので、馴染みのないものだと考えていました。そのため、好意的な印象を持たない人もいるという前提のもと、馴染みやすいキャラクターを作っていこうと考えました。

――馴染みやすいキャラクターにするために、どんな方法を取ったのでしょうか?

ソン:30人のアイドルが変身するキャラクター全員に、生い立ちやバックグラウンドといったストーリーを作りました。「私はこういう見た目で、こういう性格なので、1曲歌ってみます」といった自己紹介より、アイドル自身がキャラクターに没入していけば、視聴者も違和感なく、この世界観に入って来れるはずだと考えました。結果的に最初は拒否感があったスタッフも慣れていったので、視聴者にも受け入れられるのではないかと思えましたね。

関連記事