家庭の音響体験を変える? 第2世代『HomePod』に合う・合わない使い道を検証してみた

スマートスピーカーの活用方法と現状

 ここまで『HomePod』について解説してきたが、こうした「スマートスピーカー」と呼ばれる製品は一体何なのか? 何ができるモノなのか? ということについても簡単に解説しておきたい。スピーカーとは通常、入力された音を鳴らす機械にすぎない。しかし、スマートスピーカーと呼ばれる製品には「命令を聞く機能」が備わっている。『HomePod』の場合はAppleのAIであるSiriが備わっており、本体に向かって「Hey Siri、今日の天気は?」と質問をしたり、「Hey Siri、明るい音楽をかけて」といった命令を与えることができるのだ。

Apple『HomePod』(https://www.apple.com/jp/homepod-2nd-generation/)

 この機能を活用すれば、対応する家電をコントロールすることもできる。『HomePod』に向かって「Siri、リビングの電気を消して」などと命令すれば電気が消える。眠る前に「Siri、明日の7時に暖房をつけて」などと命令すれば、自動でエアコンが起動する。こういった命令に対応する家電は近年増えており、「家電のスマート化(="スマートホーム"の実現)」は着実に進んでいる。スマートスピーカーを開発する各社のねらいは、こうしたスマートホームの司令塔としてスマートスピーカーを普及させることだ。

 とはいえ、一般のユーザーからすると現実問題としてエアコンや電気をすべてスマートホーム対応製品に刷新するのは難しい。既存の製品をスマートホーム化するようなソリューションも生まれているものの、当たり前に普及するのはもう少し先のことだろう。

 2018年に発売された初代『HomePod』は他社のスマートスピーカーよりも音質面での性能が高く、AppleのAI技術「Siri」とのシームレスな連携も好評だったが、3万円を超える高価格帯の製品であることや、その後他社からも音質を向上した(それでいてHomePodよりはずっと安価な)『Amazon Echo Studio』や『Google Nest Audio』などが発表されたことでその優位性が揺らいでいたような状況がある。

 今回発売された『HomePod』は依然として他社製品よりも高額な部類ではあるものの、同社が近年力を入れている「空間オーディオ」への対応や、2020年に販売された安価な『HomePod mini』の存在もあり、価格や性能での他社製品との棲み分けが以前よりもうまくいっているという印象だ。ひとまずは『HomePod』の最新機能や「ホーム」アプリを楽しみながら、スマートホームのさらなる進化と普及に期待したい。

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