食品会社までエンタメ関連ビジネスに進出する韓国 “財閥的な特殊性”と“今後の発展”について紐解く
前回の記事では近年韓国で増えつつあるバーチャルK-POPアイドルについて取り上げたが、韓国では元々は芸能関係ではない大手企業がアイドルを含む芸能・エンターテイメント関連ビジネスにまで進出する例が増えている。
エンタメ関連ビジネスに進出する食品会社・CJグループ
財閥系企業最大手のサムスングループ一族から1953年に第一製糖として設立され、1993年に分離独立して始まった第一製糖グループを元とするCJグループは、食品会社をベースとするコングロマリットだが、エンターテイメント系のグループ企業であるCJ ENMが存在し、さらにCJ ENMはK-POPとバラエティに特化したCSチャンネルのMnetを所有している。韓国ではCSチャンネルの定着率は9割を超えており、Mnetは日本を始め世界中に配信されている。
傘下にはWAKEONEとSWING、HYBEとの合弁会社であるBELIFT、日本の吉本興業との合弁会社であるLAPONEなどがあるが、いずれもMnetで配信された人気サバイバル番組から誕生したグループをデビューさせ、マネジメントするための会社だ。WAKEONE・SWINGエンターテイメントにはキム・ジェファン、Kep1er、TO1といったMnetの『プロデュース101』『Girls Planet999』など、サバイバル番組出身のアイドルが所属しており、BELIFTには『I-LAND』からデビューしたENHYPENが、LAPONEには『プロデュース101 JAPAN』出身のJO1、INIなどが所属している。2017年前後に傘下になったヒップホップ系音楽事務所のAOMG、amoeba culture、HIGHER MUSIC RECORDSも、一時期社会現象にもなったMnetのヒップホップ系サバイバル『SHOW ME THE MONEY』で活躍して以降、吸収された事務所ばかりだ。世界中に配信されているTVメディアを所有しているという利点を生かしていると言えるだろう。