「自分らしくいられるかどうか」 YouTubeクリエイター・とうあが明かす、個性を伝える方法と発信への想い

とうあが明かす個性を伝える方法

 「おはようでやんす」という独特の挨拶が2020年と2021年に若者トレンドワードに選ばれ、10代を中心に人気を誇るクリエイター・とうあ。性別を超えたビジュアルと固定観念にとらわれない発想が反響をよび、YouTubeの個人チャンネルは開設からわずか1年4か月で100万人を突破するなど、目覚ましい活躍を見せている。

 そんなとうあが昨年11月に二十歳を迎え、1月24日には二十歳を記念した自身初となるフォトブック『何者』(宝島社)を発売。今回はとうあに、フォトブックの制作秘話とYouTubeでの活動について話を聞いた。

ーー『何者』を出版することになった経緯を教えてください。

とうあ:二十歳の記念でなにか形に残るものを作りたいと思って、フォトブックを出そうという、けっこう単純な理由です(笑)。

ーーフォトブックはやりたいことのひとつだったと動画でもおっしゃっていましたが、そのほかにはどのような候補があったんでしょうか?

とうあ:フォトブックを出さずに生誕祭みたいな感じでイベントをするといったものだったり、いろいろ候補があったんです。でもやっぱり形に残るなにかを発信したいという思いで、フォトブックになりましたね。

ーー今回、二十歳にあわせて20スタイルが収められましたが、撮影時に苦労したところを教えてください。

とうあ:20スタイルを3日間で取り終えたんですよ。だからめちゃめちゃハードスケジュールで。朝は早いし夜も遅くまでだし、1日に衣装とメイクを8パターンぐらいチェンジしたので、体力的にけっこうきつかったですね。

ーー企画から撮影まではどれぐらいの期間があったんですか?

とうあ:企画から撮影までは3週間くらい。衝動に突き動かされて制作しました。

ーーこの短期間で20スタイルを考え出したなんて驚きです。

とうあ:もうできないですね(笑)。

ーー今回、衣装選びやメイクなどすべてに関わってるということですが、こういう洋服を着たいとか、こういうメイクをしたいというのはフォトブックの企画が動き始める前からイメージはあったんでしょうか?

とうあ:自分がちょっと非現実っぽい服だったり、人とは違う服を着るのが好きなので、コンセプトに合わせていつもお願いしてるスタイリストさんに「こういう感じで」ってお願いをしました。いろいろ案を持ってきてもらったなかから私が選ぶ形で、意外とスムーズにできました。

ーー『何者』の大きなテーマが「違和感」でしたが、違和感を表現する上で意識したことや心がけたことはありますか?

とうあ:ボーリング上で着物を着たりとか、ゴミ廃棄場で真っ白なドレスを着るとかありえないロケーションで撮影したので、全部ありえないものにしようというか。真逆のもので作っていこうということで、場所選びやコンセプトに沿っているか、相手にどう伝わるかといったことは、めちゃめちゃ考えましたね。

ーー場所はどのように選んだのでしょうか?

とうあ:「こういうところがいい」という案をもらって、探してもらいました。話し合いの方に時間がかかった感じで、アイデアを練る時間が多かった印象です。

ーーフォトブックを見ると、都心から離れたところで撮影したものもありましたね。どこで撮影されたのでしょうか?

とうあ:田舎のような雰囲気の場所でも撮りたかったので、都心から少し離れて郊外に行きました。

ーー20スタイル全部可愛かったです。なかでもギャル姿がすごく衝撃的でした。

とうあ:ありがとうございます。ギャルは私もずっとやりたくて。

ーーギャルメイクはご自分でされたのでしょうか?
とうあ:メイクさんにお願いしてやってもらいましたね。2時間ぐらいかかって、スタッフさんにめっちゃ急かされました(笑)。

ーー出来上がったフォトブックを実際に手にした時の気持ちはいかがでしたか?

とうあ:達成感というか、やっと形になったなというか。動き出したのは撮影の3週間前だったんですけど、もうちょっと前から考えていて、今回は常に考える時間が多かった印象です。それに超ハードスケジュールで20パターンを撮影したので、やっと終わったという感じですね。一生できないというか、このスケジュールで「ようできたな」と自分でも思います。

ーー撮影期間中の睡眠時間はどれぐらいだったんでしょうか?

とうあ:1日2時間から3時間で3日間とか。もう限界で、自分でもできたことにびっくりしています。

ーー最初読ませていただいたときに、文字の少なさに驚きました。今回はあえて文字を少なくした感じでしょうか?

とうあ:2年ぐらい前に出させてもらったエッセイ本がほとんど文字ばかりだったので、今回はあえて文字じゃなくて、写真で伝わるものがあればいいなということで、写真メインで作らせてもらいました。

ーー20歳のお誕生日の前日にミュージックビデオ『若者(ヤング)』を発表されましたが、『若者(ヤング)』と『何者』をリンクさせたかたちですよね?

とうあ:そうですね。『若者(ヤング)』を誕生日の前日、10代最後の日にリリースして。10代ということで、若者目線で10代だからこそうたえる歌というか、世の中への葛藤を詰め込んだ曲になっています。

 私の中で20歳って大人への階段というか、大人になるスタートラインだと思っていたので、「20歳になって私が何者になっていくのか」というのをリンクさせて作りました。

ーー『若者(ヤング)』と『何者』と名前がリンクしているのがすごく印象的でした。

とうあ:私の思いつきでリンクさせたいなと思って。それこそ次の日にこのフォトブックの発表だったので、リンクさせたことも「かっこいい」とけっこう好評でしたね。

ーーさまざまなことを経験されていることをみると、まだ20歳ということに驚きます。

とうあ:自分でもびっくりです(笑)。

ーー『何者』のなかで、読んでる方にいろんなことを感じとってもらいたいと書かれていましたが、見どころはどこでしょう?

とうあ:圧倒的ボリューム感と私にしか出せない世界観。友達で写真集とか出している子もいるんですけど、こういう作品っぽいアーティスト寄りのフォトブックはなかなかないと思うし、本当にすべてのアイデアを出しきったってぐらいいろんなことを詰め込んだので、そこは見どころかな。1回見ただけじゃ物足りないというか、何度も見ちゃうようなフォトブックになったかなと思いますね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる