AIが可能にした「コンピュータにシチュエーションを作らせる」という試み エンタメにおけるChatGPT活用を考える
ここからは先に挙げた例より、もっと個人的な活用方法について考えてみよう。エンターテインメントとの相性はどうだろうか。
たとえば、個人の創作活動には大きなインスピレーションを与えるだろう。「1800年代のフランスを舞台にした物語の登場人物を作って」などと質問してみるのも面白い。架空のキャラクターを作ったり、そのキャラクターのセリフを聞いてみたりと、創作のたたき台にはとても便利だろう。
個人的には特にTRPGとの相性が良さそうだと感じた。「与えられた条件を守り、対話する」という特性を利用して、ゲームマスターをやらせるのも面白いかもしれない。すでにお絵かきAIはTRPGでの活用事例もあり、合わせて使うことでセッションがぐっと面白くなりそうだ。
物語ではなく台本を書くこともできる。YouTube動画の企画や、ショート動画の台本など、「企画のざっくりした流れ」をパッと出力してくれるのはとてもありがたい。
お絵かきAIにも共通していることだが、こうした活用方法を言い換えると、コンピュータに「シチュエーションを作らせること」が出来るようになったとも言える。これは画期的なことだ。詩作や映像制作のたたき台になるようなテキストを無尽蔵に出力できるわけで、正確性に難のある現在の技術精度も加味すれば、創作に活用することは有意義だろう。
APIは現状非公開だが、将来的には公開される予定だという。また、同様の技術水準のGPT3.5についてはAPIが有料で公開されており、ChatGPTに近い水準の言語処理が行えるので、上記の案を実際に試してみてもいいだろう。
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