名車ブランドヒストリー 四半世紀を超えて君臨し続けるトヨタ「ハリアー」

 ラグジュアリーSUVのパイオニアとして知られるトヨタ自動車の高級SUV「ハリアー」。未舗装路よりもオンロードに重点を置いたアーバンモデルでもある。そして昨年末にデビュー25周年となるアニバーサリーを迎えた。そのヒストリーをご紹介しよう。

新ジャンルの開拓者

 トヨタの高級SUV「ハリアー」が25周年を迎えた。それまでのSUVといえば、どちらかというとRV色が強く、プラットフォームも頑強なラダーフレームを採用し、未舗装路ユースに重点を置いていた。乗用車ベース(FFのプラットフォーム)のモデルとしてはRAV4が1994年にデビューしている。その3年後、1997年に満を持して登場したのが初代「ハリアー」だ。ネーミングの由来は大空を飛翔する猛禽類から。当時の開発担当の田部正人氏によれば「ハリアーはサルーンの高級車としてはチャレンジ。力強さと上品さと洗練さがとてもバランスがとれていて、これは新世代のクルマである」と感じたそう。

 特長はそのスタイリングと高級感、大きなV6エンジンを搭載したゆとりある走り。スタイリングに関しては当時、デザインに携わった永長和久氏によれば「デザインも普通は企画を通してからクレイモデルを作るのだが、ハリアーは最初にクレイモデルを作ってから企画を通した」という。

 では見た目だけのクルマかというと、前出の田部氏曰く「性能的にはダートも攻めようと思えばガンガン攻めて走れるし、ドライの運動性能もサーキットでも走ろうと思えば走れるもの」と振り返る。ハリアーのデビュー後、ポルシェやBMW、メルセデス・ベンツが続々とこのカテゴリーに新車を投入するなど大きな影響を与えている程だ。

 

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