格闘技はネット配信で観る時代に突入したのか 『RIZIN』『BreakingDown』など人気コンテンツが続々参入した2022年の変革

 格闘技がネット配信に向いているのは、「利便性」や「即時性」だけではない。メディア環境の変化によってコンテンツの「自由度」が増していることにも注目したい。

 格闘技には、どうしてもバイオレンスな側面がついてまわる。これがコンプライアンスが厳しくなっている地上波テレビに合わなくなってきているのだ。試合前のトラッシュトークや、タトゥーの入った選手の出場、また意図的ではないにせよ、試合中の流血や凄惨なKOシーンなどが放送コードを脅かすこともある。

 現状のネット動画配信では、そこまでの制限はない。より自由な環境で試合を盛り上げ、思う存分パフォーマンスできるというのは、選手にとってもやりやすいはずだ。そんな地上波的なコンプライアンスを逸脱した、ネットならではの確信犯的なコンテンツといえるのが、朝倉未来らが主催する『BreakingDown(ブレイキングダウン)』だろう。様々な肩書を持った参加者がオーディションで暴れまわり、1分1Rの試合で決着をつける。最初から地上波など眼中にない。まさにネットで生まれ、ネットでバズり、ネットで盛り上がるコンテンツとなっている。

 これまで格闘技界のビジネスモデルとして「地上波テレビ中継」は大きな柱だったが、たった半年で過去のものとなってしまった。強みといわれていた情報拡散力も、いまやネットで充分。また資金面でもPPVで潤沢にリクープできるので、今後は海外の大物選手を招聘した豪華なマッチメイクや、新たな選手の発掘・育成にも力をいれることも可能。結果的に日本格闘技界の発展にも寄与するだろう。

 そんな新たなモデルの先頭を走っているABEMAも、開局当初から「格闘」には力を入れている。この年末も12月25日の『RISE WORLD SERIES /SHOOTBOXING-KINGS 2022』を生中継、大晦日はベラトールとの全面対抗戦が行われる『RIZIN.40』をPPVにて放送。年が明けた元日にはグレート・ムタ対SHINSUKE NAKAMURAという奇跡の対戦が行われるプロレス『NOAH "THE NEW YEAR" 2023』、亀田興毅がプロデュースするボクシング『3150FIGHT vol.4』など様々なジャンルの生中継を敢行する。格闘技はネット配信で観るという流れは、2023年も加速していくはずだ。

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