フードASMR系TikToker・バヤシが語る"継続すること"の大切さ 歩みを止めないための秘訣を聞いた
都内・新国立美術館で開催された『Tik Tok Awards 2022』では、TikTokで活躍したクリエイターたちにさまざまな賞が授与された。「Creator of the Year」を受賞したのは「料理×ASMR×音ハメ×大食い」をテーマに動画を投稿する気鋭のクリエイター、バヤシだ。
テンポの良い動画編集、見ているだけでよだれが溢れてくる料理の数々、そしてそれを一口に頬張る姿は多くのTikTokユーザーの空腹を刺激する。
昨年に続いての受賞となったバヤシに、受賞の感想や2022年の活動について話を聞いた。
――2年連続となるTikTok「Creator of the Year」の受賞おめでとうございます。トロフィーを持った感想をお願いします。
バヤシ:去年と形は同じですが、より重厚感がありますね。2021年よりも頑張ったと思うので、その分の重みもあるのかも。とにかくネタを考えるのが一番難しいんですよ。動画を作れば作るほどレシピのアイデアは消費されますし、それがなければ撮影できませんから。その点で今年は難しさを覚えました。
――それを打破したターニングポイントは?
バヤシ:日々TikTokや他のSNSのレシピを見ながら、自分に取り入れられるものを探していました。
――レシピ本『飯テロなのに、お腹が凹む究極めし バヤシの超低糖質レシピ』の出版もありましたが、2022年はどんな1年でしたか。
バヤシ:スランプだと感じる時もとりあえず動画を撮り続けました。撮影や編集をしている時に「こういう音に載せよう」とひらめくことが多いんです。それを続けられたことが2022年はよかったですね。とにかく「続ける」ということに関しては頑張りました。モチベーションはやはり「バズること」。去年の時点で日本で2位のTikTokフォロワー数で、1位に追いつきたいという気持ちでレシピを探し、バズを重ねてきました。
――使用してきた中で最も印象深かった曲は?
バヤシ:今年よく使った曲は松原みき「真夜中のドア」をフィリピン人のクリス・アンドリアン・ヤンさんがカバーした曲です。ウクレレの弾き語りによるサウンドが僕のASMRとマッチするので。動画の音とTikTok音源を組み合わせると作品がパワーアップするのは面白いですね。
――今年一番手応えのあった動画は?
バヤシ:3億再生くらいされたローストビーフを作る動画ですね。ここまでバズるとは思っていませんでしたが、数字的に断トツで思い出深いです。
@bayashi.tiktok
――ここまでバズったのか、要因は何だと思いますか?
バヤシ:リズムだと思います。ブスブスと肉を刺すところから始まって、きれいにアボカドを剥いて、トントンと切っていくのがよかったのかな。あと、レアな状態の出来上がりが海外の人から「生だ」と指摘されやすいのですが、そんなネガティブなものも含めた賛否両論でコメントが増えていったのも再生された理由かもしれません。結果は美味しいのですが、コメント欄では「あんまり美味しくないんじゃない?」「美味しそう」と盛り上がっていたので(笑)。
僕がよく使う卵黄も日本では当たり前に食べますが、海外だと「なぜ生で食べるの?」と思われがちで。僕の動画では、よくある「美味しいもの」だけでなく、ひと捻りが大事。だから人によっては美味しそうではないレシピも、僕のなかでは大事なんですよ。その捻りに今年は苦労したんです。
――逆にもっとバズってもいい、評価されてもいいという動画は?
バヤシ:自信作はちゃんとバズります。だから僕は「評価される=良い動画」だと捉えています。数字がイマイチだったら反省を次に活かそう、と素直に考えますね。その精度は毎日の試行錯誤で上がっていった印象です。
――料理とASMRを組み合わせるアイデアは一種の発明だったと思いますが、どのように着想されたのでしょう。
バヤシ:3年ほど前にYouTubeに投稿したASMRの料理動画はもっとスピードがゆっくりでした。こちらが全然再生されなかったので、どうにかしないといけないと思い、TikTokに投稿し始めたんです。曲に載せたり、曲に載せなくてもテンポよく展開する方法を研究して、自分の動画に落とし込んでいきましたね。
だから毎日投稿するなかで反応を見ながら、色々なブラッシュアップを経て今の形があります。ほかの動画からのアイデアをかき集めた結果が発明に繋がったという感じでしょうか。
――いつも制作にどれくらいの時間をかけるのか気になります。
バヤシ:バズを狙って作ろうと思ったら撮影に1時間半~2時間くらい、編集に2時間。なので1つの動画を作りあげるのに4~5時間くらいですね。
――オフの時間は何を?
バヤシ:制作してない時は、元トレーナーなので運動したりですかね。でも毎日投稿のことが頭にあるので、なんだかんだでTikTokや他のSNSを見ているかもしれません。スマホに依存しているので、そこは気を付けなきゃなと(笑)。ただ休日はそこまで要らないですね。リフレッシュよりも動画を作ってフォロワーが増えたり、バズるサイクルの喜びが大きいんですよ。だから続けられてます。
――なるほど。では最後に来年の展望をお願いします。
バヤシ:まずはTikTokで引き続き毎日投稿していくのと、フォロワー数にこだわり続けたいですね。1位の方まで、あと500万に迫っているので早く追いつきたいです。引き続きフォロワーを増やしながら動画作りを楽しんでいきたいですね。
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